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氷像のバジリスク  作者: 栗木下


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243/245

第243話「最終決戦-18」

「つぐっ!?」

 一瞬、世界が途切れたような感覚がした後、俺が周囲に張り巡らしておいたイースの力に凄まじい重圧……いや、神経を直接裂くような痛み!?違う、極度の高熱に大量の砂礫がぶつかるような感覚!?


「がああああぁぁ!」

 めまぐるしく変わっていくイースの力への干渉を退けるように、俺は力の構造は敢えて単純な物にしたまま出力を上げ、干渉を退ける。


「はぁはぁ……これが『森羅狂象』か……。予想以上に厳しいな」

 俺は周囲に力を放出し続けたまま『軍』の方を向く。

 『軍』は『森羅狂象』の開放を行ってから、未だにその場から動かずにいるが、時折痙攣したかのように体をピクつかせている。

 また、『軍』の周囲では重力や空間がおかしくなっているのか、岩石や溶岩が宙に浮いていたり、『軍』の姿が捻じ曲がって見えたりもしていた。

 その先、俺たちが戦いの場にしている場所の外は……まだ力が及んでいないようだな。


『アキラよ。急いだ方が良いぞ。安定していたはずの我とアキラの境界が不安定になって来ている』

「イース!?ああなるほど、これだけ放出してても完全には防げてないって事か」

 突然イースの声が聞こえ、俺はその事に一瞬慌てるも、直ぐに何故急ぐべきなのかを理解した。

 恐らくはこれも『森羅狂象』の力であり、俺とイースの混ざり合い方を狂わせてきているのだろう。

 よくよく見れば、俺の皮膚にしても白い鱗が生えたり消えたりを繰り返している。

 まったく、こっちは後の事も考えずに全力疾走をしているぐらいの気持ちで終わらせる力を放出し続けているのに、それでも完全には防げていないとはな。

 つまり、長期戦は『軍』が自滅するしない以前にこっちが保たないと。


「分かった。出来る限り一気に決着をつける」

『頼む。我は『森羅狂象』を防ぐ事に専念しよう』

 俺はイースにそう告げると、白湧騎の車輪を全速で空転させ始めると同時に、黒凍姫を片手で持って、その銃口を真っ直ぐ『軍』の額に向ける。


「『我は社。我は白の社。我は……』」

 そして、俺が白湧騎や黒凍姫に任せられない部分の詠唱を始めた時だった。


『wqwcvみq!』

『アキラ!』

「『む……』ぐっ!?」

 『軍』が声にならない叫び声を上げながら腕を振るった。

 イースが俺に危険が迫っている事を告げようと名前を叫んだ。

 俺が理解できたのはそこまでだった。

 気が付けば……


「がああああぁぁぁ!?」

『くっ!?いったい何をされた!?我の力には干渉も何もされていなかったはずだぞ!?』

 俺の左腕が、まるで最初から肘から先が無かったように消し飛んでいた。

 その事実と今までに経験した事の無い痛みに俺は思わず叫び声を上げる。

 そして、イースの慌てる声が聞こえる中で、俺は本能的に追撃を防ぐべく白湧騎を走らせていた。


『w、hc!い、cv。!』

 直後、俺の本能を裏付けるように、『軍』の叫び声と共に先程まで俺が居た場所とその周囲が跡形もなく消し飛んでいく。

 俺はその光景を消された左腕を普段よりも明らかに鈍く、歪な形で再生しながら見ていた。

 そして気づく。


「イース。気づいているか?」

『ああ、気づいてる。どうやら『軍』はまだ『森羅狂象』を完全に開放しているわけではなさそうだ。いや、開放しようと思っても出来ていないと言うべきなのかもしれないな』

「本能的な忌避……って奴か」

『恐らくはそうだろう』

 本当に『軍』が『森羅狂象』を開放しきっているのなら、今の一撃で俺は消し飛ばされていたはずだ。

 いや、それ以前に『森羅狂象』が全てを狂わせる力である以上は、俺だけを狙って吹き飛ばすような事は出来ないだろう。

 それこそ周囲一帯を無差別に狂わせ崩壊させる様な力の使い方をしていたはずなのだ。

 それをしてこないのは……恐らく以前『狂正者』が言っていた、例え自身が滅ぼされそうになっても使いたくないと思わせるほどの忌避ってやつが原因だろう。

 となれば、まだ俺にもイースにもやりようはある。


「イース。防御と回避は任せるぞ」

『我の勘では恐らく完全には回避出来ないし、防御も万全ではないだろうが。それでもいいか?』

「それで十分だ。全身を吹き飛ばされなければ何とか再生は出来る」

 俺は歪に再生してしまった左腕を見つつ、『軍』の周囲を高速で駆け抜けながらイースとの打ち合わせを進めていく。


「じゃ……」

『ああ……』

『いmvmc!いmvmc!いmvmc!!』

「『行くぞ!』」

 そして、『軍』から激しく狂わせる力が発せられ、イースの終わらせる力がそれを問題ない程度になるまで打ち消したところで、俺とイースは動き出す。


「『我は社!我は白の社!我は無垢にて今だ何者にも染まらず、全てを受け入れる白き晶の社!』」

 俺は先程中断された巫術の詠唱をやり直し始める。

 出来る限り早く、込められるだけの力を込めて、これまでに積んだ全ての経験を思い出して詠唱を進めていく。


『。b、w、hc!んくぃcbcw、hc!hqh、j。いqj。y。v。g、bcw、jqc!!』

『そう何度も喰らって堪るか!!』

 イースも終わらせる力と白湧騎を操って、『軍』の攻撃を的確とは言えないが捌いていき、その被害を髪の毛や白湧騎の一部と言ったそこまで問題にならない部分に収まるように抑え込んでいく。


「『我は神と人繋ぐ社!我が想いよ一つの礫となりて、神鎮めの弾丸と成れ!巫術・イスバレイト!!』」

 やがて、黒凍姫に一つの弾丸が装填された。

舞台袖の方々も頑張っておりますよ

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