サクラとボク
プロローグ~
穏やかな春の昼下がり。
ボクと君の待ち合わせ場所は大きな桜の木の下でした。
桜の木の下で桜の成長と共に僕らも育ってきたね。
満開の花びらが舞い落ちるこの小道で
僕らは毎日、遊んだよね。
今は冬、季節はずれの桜の花びらが
僕らの別れなんだね。
舞い散った花びらと共に成長するよ。
主人公→春季
幼なじみ→咲来
咲「春季ぃ!起きろぉ!学校遅刻するょ!早く早く!!」
今日も朝から騒々しいな、どうせまた、咲来が玄関で騒いで…
春「うるせーな。今、起きようかと…って…おぉい!」
咲「どしたの?ん?」
春「あのなぁ。借りに俺は男だぞ!男の部屋に無断で入ってくんな。つーか、どーやって入ってきた?」
咲「え?ベランダから~。昨日のうちにハシゴかけといたの、ほら、ね?」
はぁ。全く。安心して寝れないな、俺。
さぁて、咲来もうるさいから起きようかな。って
もうこんな時間!!
咲「あんたが寝坊するから悪いのよん!!早くしなさぁい!あ、私は先に行くからね。いつもな時間ピッタリに桜の木の下まで来ること。いい?遅刻厳禁だからねっ」
そう言うと咲来はベランダからフワリと飛び下りた。
春「ちょ!お前、ここ二階、危ねーな。って、もう居ないか。そりゃそうだ。そうだょね。」
桜の木の下。今日も明日も咲来はボクを待つ。
何気ない笑顔で。
幼なじみとして。だからボクも桜の木まで迎えに行く。
この先もずっとずっと
眩しい朝日と共に咲来はやって来る。
今日も良い日だ。