ep13-3 だからグリーン家は⋯
ナギとキサラの機嫌が中々直らない。
まぁ、俺も「え?」って顔はしたけど、殆ど
ゼノンが悪いのにどうみても共犯扱いなのは
ちょっと納得がいかない。
俺とゼノンは、ナギとキサラが逃げ出して
きたという空間の歪に向かっていた。
他の七大貴族は、端っから冗談かなにかと
思ってたみたいでまともに取り合わなかった⋯
それもキサラとナギの機嫌を損ねる要因に
なっていた。
現場には、トンガリ帽子の女が横たわっていた。
キサラが指差して、
「こいつ、こいつだよ!」
「ま、マジか。確かにトンガリ帽子だ。」
ゼノンが、信じられないといった表情でみて
いた。
「寝てるのか?」
突っついても反応がない。
「取り敢えず、向こうに連れて行こう。」
と言ってグレンが背に乗せて立ち上がろうと
した時、
「掛かったな。」
グレン達は床に押しつけられて動けなく
なった。
ナギは、ちょっと笑って、
「分かってもらえました?」
グレンは頷いて、
「了解⋯そういうことか。これはたちが悪い。」
グレンとゼノンは難なく起き上がり、
ナギとキサラが唖然とした。
ゼノンが頸をコキコキ鳴らしながら、
「これね、女子にしか効かないんだよ⋯非力な
やつならワンチャン効くかもしれないけど
俺等みたいのには無理だな。」
得意気に言った。
グレンは長剣を突きつけ、
「悪いが、ボスのところまで案内してくれ。」
ディーは、青ざめて手を上げ、空間を開き
ミストの元へ案内し始めた。
ゼノンが感心しながら辺りをみていた。
「良くまぁ、こんな空間作ったもんだな、
そこまでして、何したかったんだ?」
キサラがディーの代わりに答えた。
「死者との会話だそうだ。」
「ま、マジかよ。そんなことできる奴いる
のか?」
ナギがゼノンを睨んで、
「行けば、マユツバものかどうか判る。」
「ここだ。」
ディーがそう言って、ドアを開けた。
「おや?呼ばれざる客人もいるようですね?」
ディーが頭を下げ、
「申し訳ありません、脅されて連れて来て
しまいました。」
ミストは、頸を振って、
「いやいや、恐らくここに来る宿命だったの
ですよ、特にそっちの刀の子はね。」
ミストは頷きながら部屋にいる者を眺めて、
「まぁ、良くこれだけの者を集めましたね?
キサラ姫もとい、今はアリス姫でしたね。」
ミストは苦笑いをして、
「皆さん、不思議そうな顔をしてますね。
まぁ、そうでしょう。僕は皆さんのことを
よく知っていますが皆さんは僕を知りませ
んからね。」
アリス姫がミストを睨みつけて、
「回りくどい言い方をするな、短刀直入に
言え。」
ミストは頭を掻きながら、
「そうですね⋯私はグリーン家2代目当主兼キサラ姫の元婚約者ですね⋯でいいですよね?」
「婚約が決まったと同時に死によったがな。」
と、アリス姫は苛立ちながら言った。
ミストはチラッとグレンをみて、
「君は?」
「は、82代目当主のグレンです。」
キサラはミストを睨みつけて、
「なんで、死んだんですか?」
「ハハハ。なかなか直球でくるね。う〜ん、
国の安定を考えると、僕が身を引かざるを
得なかったというところかな。」
キサラは更に踏み込んで、
「なんで、それが死ぬことになるんですか?
残された者は、どうすればいいんですか?」
と、涙ながらに訴えた。
ミストは、頷き
「君達が言いたいことはわかった。
僕の思慮不足だったのだろう、すまなかった。」
アリス姫はグレンを指差し、
「それを子孫にもちゃんと伝えておいて欲しい
もんだ、グリーン家は未だに王家の姫を傷つ
けてばかりだ。」
ナギは照れながら、
「い、いや。わたしはそんな⋯傷ついては⋯
いますけど⋯大丈夫です。」




