ep13-2 幽霊城の主
アリス王女はいつになく厳しい顔で、
「いいから、お前の主の場所に案内しろ!」
と威圧的に言った。
トンガリ帽子の女は舌打ちをし、
「チッ、偉そうに。」
と呟いたかと思うと、手のひらを床につけて
気合を入れると、全員の体が床に押しつけら
れて、身動きが取れないようになった。
アリス王女を捕まえて、
「御希望通り、主に合わせてやる、生贄
としてな。」
そう言ってアリスだけを連れてその場を
去った。
トンガリ帽子の女は、低空で宙を浮き、
アリス姫を引き摺りながら移動した。
階段に差し掛かると、壁にあるボタンを押し、
階段を平らにした。
地下までは、アリス姫の重みで移動したいら
しい。
地下に着くと、そこには十字架があり、十字架
のしたには大量の頭蓋骨が積み上げられていた。
「主よ、今日も新鮮な生贄を持参しました、
儀式をお願いしたいです。」
アリス姫は、鼻で笑って
「クソみたいな、猿芝居だな。部屋に入った
時から十字架の上にいるではないか。」
トンガリ帽子の女は焦ってキョロキョロし
始めた。
「大丈夫、ディー。今回は彼女が上手だ、僕の
知り合いの様だ。」
アリス姫は、十字架の上の男に向かって、
「偉そうに、上で見てないで下に降りて来い!」
十字架の上の男は、やれやれといった表情で、
「君の方が数十倍偉そうだけどね。
よいしょっと。」
アリス姫は、目を潤ませながら、
「やはり、ミスト⋯お前なのか?」
ミストは困り果てた顔で、
「なんだよ⋯怒りたいのか、感動の対面なのか
わからないね。」
アリス姫は、ミストの襟首を締め上げ、
「両方に決まってるだろうが!」
ミストは締め上げながらも、アリス姫を落ち
着かせようと手首を軽く抑えた。
「まぁまぁ。」
「トンガリ頭!キサラとナギを連れてこい!
アイツラには聞かせてやらないといけない話
がある。」
ディーはなんで私がという顔でそっぽを向いた。
アリス姫が、ミストを凄い目で睨むと、
「あ、ディー。頼む、連れてきて。」
今度は、ディーから凄い目で睨まれたが、
両手を合わせてお願いしますのポーズをした
ところ、渋々ディーは部屋から出て行った。
十字架の真下にミストは、座り込んで、
「少しは落ち着いたかな?ビックリしたのは、
僕の方もだからね。この時代に君がいるなん
て予想もしなかった。」
アリス姫は、ミストを指差して、
「いったい、お前は何をやっているんだ!」
ミストは天を仰いで、
「う〜ん。説明が難しいけど⋯。人探しかな。
やっと1人見つかったんだよ。」
「あの女がそうだというのか!?」
ミストは苦笑いで、答えた。
「そうだけど、変わらないね。あの日に
戻ったみたいで懐かしい。でも、戻れない
のが悔しいね。」
ディーは、ナギ達のところに戻ってきたが、
キサラとナギがいない。
「ば、バカな。あの術を解呪できるものなど
いる筈がない。」
ディーが見渡すと、ナギが空間に切れ込みを
入れて脱出しようとしている。
「バカな、この空間はミスト様が作った空間
だぞ、お前等が簡単に出入りできるわけが
ない。」
ディーが一歩遅れて、ナギとキサラを逃して
しまった。
ナギとキサラが、もといた空間に戻ると術が
解け自由に動ける様になった。
ナギとキサラはグレンとゼノン達の部屋に
全力で走っていった。
「た、大変だ。トンガリ帽子にアリス様が
連れて行かれた。」
⋯⋯。
「トンガリ帽子?」
ゼノンは半笑いで、
「っという遊び?」
キサラはゼノンに刀を突きつけ、
「これ以上、ふざけるなら貴様の頸を刎ねる。」
と言ってゼノンとグレンを睨みつけた。




