ep12-7 聖域への報告
黒衣の男は、聖域に戻ってきていた。
「まずは、ミント様のところに行かないとな。」
男は、聖域の中の4本柱とされるミントの屋敷
に入って行った。
「よお、元気だったか?」
門番にも、気軽く話しかけるくらいに、
ミントの屋敷には慣れた様子で入って行った。
屋敷の入口には、侍女らしきものがいて、
黒衣の男が入ってくると、怪訝そうな顔で
「何か御用でしょうか?お約束してますか?」
黒衣の男は、大笑いして、
「オレとミント様の間にそんなもの必要ない
って。ハハハ。」
と言って、靴を脱いで入って行った。
「ダイス様、勝手に入られては困ります⋯
お願いです。お入口でお待ち下さい。」
「いいから、どうせ奥の間に閉じこもって
んだろ。また、物好きだよね。」
侍女が数人に掛かりで止めに入ったが、結局
奥の間までダイスは来て、
「ミント様!居るんだろ。今日は報告に
来たんだ。」
奥の間から、水色の白衣を着た長身の男が
迷惑そうに出てきた。
「また、お前か。今日は何を無心に来た?何も
やらんぞ。」
右手を左右に振って、
「違いますって、報告、報告しにきたんで
すよ。」
「報告?あ〜。スモールレイクの姫のことか?」
ミントはあたりを見渡し、眉間にシワを寄せ、
ダイスを睨みながら言った。
「ま⋯、まさか。失敗して、土産もなしに帰っ
てきたわけじゃないですよね?」
ダイスは笑いを引き攣らせながら、
「いや、村の連中を皆殺しにして、ちゃんと
カーチス様のメッセージ残したまでは良かっ
たんですよ。」
ミントは頷きながら、
「そんなの雑兵でも出来ますから、当然で
すね。」
ダイスは、ミントの怒りのボルテージが上が
っていくに焦りを見せつつ、話をつづけた。
「で、城塞都市で、精霊の弱点を見つけて、
聖域生物を年の中へ投入したんで、あとは
小一時間まてば終わると思ったので一休み
したんですけど⋯」
ミントの表情が凍りつく、
「一休み⋯まぁいいでしょ。それで?」
「は、はい(汗)。起きたら、聖域生物が
全滅で聖域も強化されてまして成す術もなく
⋯帰ってきました。」
ミントは頷きながら、
「ま、本来でしたら、この場であなたの頸を
はねて、カーチス様に差し出して私が赴く
ところですが、あなたに1週間だけ猶予を
あげましょう。
1週間後にナギ姫をここにつれてきなさい。
出来なければ、貴方の一族をこの世から
消します。あと、聖域生物は自由に持って
いきなさい。」
ダイスは慌てて、屋敷からでて屋敷の外に
ある聖域生物牧場でめぼしい聖域生物を
確保して、牧場を出た。
じょ、冗談じゃねーぞ、一族を消すって
どういうことだよ。
あいつらってそんな重要人物なのかよ。
オレだってな生活かけてんだ、今度はマジで
死ぬ気でやらないと、こっちが消される、
遠慮はなしだ、とことんやってやる。
侍女が心配そうに、ミントに声を掛けた。
「ミント様、ダイス様平気でしょうか?」
ミントはちょっと考え込んで、
「う〜ん。多分ダメだろうね。相手は、聖域
生物を瞬時に制圧できる手練れだ。彼も
そこそこはやるが、そこそこ止まりだからね。」
「一族⋯。」
ミントはちょっと笑って、
「それは、脅し⋯ただ、カーチス様に黙って
いるわけには行かないから、これから怒られ
に行ってくるよ。次は僕が行くかも知れな
いね。」
ミントは、聖域王がいる聖域城に来ていた。
城に入ると、宰相のブリスに声を掛けて、
「カーチス様、カーチス皇帝に話したいことが
あって来ました。」
ブリスは、頷いて
「わかった、取次ぐから謁見の間で待って
てくれ。」
「すまない。感謝する。」
ミントは頭を下げ、謁見の間に向かった。




