ep12-2 城塞都市
城塞都市クロウの前で、黒衣の男が途方に
暮れていた。
周囲には、人外を従えていたが、人外が、
城塞都市の塀を越える事も出来ず、塀を
破壊する事も出来ず、地下の侵入も出来ず、
どうしたものかと途方に暮れていた。
男は、取り巻きの人外達を見て、
「お前らさ、もうちょっと役に立って
くんないと困るんだけどな。」
「あ〜あ、あの村は楽勝だったのにな。」
黒衣の男に、集落からの情報が人外により
伝達された。
「え?もう来るの!?ちょっとはショック
とか受けないのかな、ちょっと優しかった
かな?どうしても人の良さがでちゃう
んだよな。」
グレン達は、集落から北にある城壁のある
都市を目指していた。
「カレン、北にある都市は襲われていない
のか?」
カレンは頸を横に振り、
「いえ、襲われていますが、侵入されて
いる形跡は見えません。」
「どういうことだ?」
「防御に徹している都市のようです、
防御結界が幾重にも重なって、
強固な守りになっているようです」
ミアが奇しく考え込んでいた。
「変ですわ。人外は防壁程度だったら
簡単に喰い荒らすはず。」
ゼノンが同調して、
「確かにそうだ、あいつら腹減ると建物
とかも喰い荒らすんだった、そこの
城壁は何か秘密でもあるのか?」
カレンが、偵察機で調査した情報をエルと
入念に解析している。
「城壁の前に特殊な結界があってそいつが
人外を攻撃しているみたいだね。」
グレンが首を傾げ、
「城壁が攻撃?⋯信じられん。」
「ま、とりあえず行って確かめるしかないね。」
と、エルがモニタを見ながら言った。
黒衣の男が焦り始め、
「仕方がね〜。俺がやるしかないか。」
黒衣の男が城壁に近づくと、城壁が変形し
男を鷲掴みにしようとした。
「こっ、こいつ、精霊か!?や、ヤバい一時
退散だ!」
グレン達が城塞都市に到着した時には、黒衣
の男も人外も跡形もなく消え失せていた。
グレンとゼノンが、チラッとカレンに視線を
向ける。
「え?いたんですよ、ほら、ちゃんとデータに
残ってますよ。」
カレンは、慌ててモニタを指差して言った。
グレンは首を傾げ、
「実際、誰も目視してないしな。」
「ま、カレンちゃんも忙しいからね、誰に
でも間違いや勘違いはあるから。」
ゼノンが意味のない助け船を出した。
ナギは、城塞都市の城壁をみて、
「この城壁、何か違和感があるな。」
ミアが、城壁をジーっと見て、近くまで行き
「そうかしら、変わらないと思うけど⋯、
触り心地もブヨブヨ?⋯」
その瞬間ミアは、後方にのけ反った。
「この城壁、ブヨブヨしてる。⋯。」
エリーとケイトが興味深そうに城壁に近づいて
城壁に触れてみると、
「す、スゴイふわふわだ。スゴイよ、ミリネも
触ってみて。」
エリーが感動して、ミリネの手を引いて、
ミリネも触れさせてみる。
「た、確かにふわふわね。」
ケイトに関しては、城壁にもたれかかって
すやすや寝始めてしまった。
エルとカレンはモニタを見て解析したが、
undefine(未定義)と出るばかりで何なのか
わからない。
エルはため息をついて、
「これは、削って細かく分析しないと
わからないね」
と、呟くと城壁が変形して、エルが掴まれて
城壁の中に取り込まれた。
「い!こいつ生き物なのか!?ま、まさか
人外?」
グレンは魔法剣を構えるが、魔法剣は全く
反応しない。
アリス姫が後ろから歩いて来て、
「グリーン家の坊主、剣を収めよ。これは、
そんな無粋なものではない。我々より太古
から生きている生物だ。こいつは地の精霊
じゃ。」
グレンが、剣を収めるとエルは、ぺっと、
吐き出された。
エルは、城壁を眺めて、
「聞いてはいたが、おとぎ話だと思って
いたが本当に精霊がいるとは驚きだ。」




