ep 11-6 対面
牢から出されたキサラは客室に通され、
かなり質の良いベッドで寝ることが出来た。
次の日の朝、キサラは、応接間の様な部屋に
通された。
スモールレイクから来たというだけで
この待遇の差とは、余程スモールレイクに
対する思いが強いのかも知れない。
少女は、昨日の様に兵士を2人連れて
キサラの元にやって来た。
少女は前のめりでキサラに聞いてきた。
「貴殿は、どこの家の者だ。」
「七大貴族のパープル家の者で、
今は宰相の様なことをしています。」
少女は首を傾げ、
「パープル家の頭首はだれだ?」
「ヘイズです。」
「全く知らんな。」
話は平行線で、キサラが嘘を言っている
のではないかという状況になりかねなかった。
「陛下は何代あたりの王族の方でしょうか?」
少女はニコリと笑って、
「我が3代目に当たる。」
キサラは焦った表情で、
「⋯ということは、伝説の創国王の
お孫さんに当たる?」
「そうじゃ⋯伝説?まさかそんなに月日は
経ったのか?」
キサラは軽く頷き、
「千年以上前の話になるかと、既に伝承すら
怪しい状態です。」
と、話した。
一方、グレン達はキサラ救出の準備を
進めていたが、モニタリングを続行していた
エル達から話があると呼び止められた。
エルが、現段階の状況を説明するということで
全員集められた。
全員集まったことを確認するように辺りを
見渡してからエルが話し始めた。
「今の感じからすると、正面から全員で
向かっても問題ないが、ゾロゾロ行っても
しかたないので代表者3名で行く。
他の者は直ぐに動けるように準備だけ
しておいてくれ。」
「人選は、ナギ、私、グレンだ。以上、
質問は受け付けない。」
エルは、そういうとナギとグレンを
捕まえて、敵の本陣に正面から
乗り込んで行った。
しかし、当然門番に止められた。
あまり、角が立たない様に中にいれてくれないかというと、頭首に確認すると言う事になったので、暫く入口で待つこととなった。
少女のところに兵士がやって来て、紙を渡すと
「案内しろ。」
と、兵士に伝えた。
「お前の仲間が迎えに来たらしい。」
キサラが少女に対して、
「失礼でなければ、御名前を伺っても宜しい
でしょうか?」
少女は、ハっとした顔で、
「自己紹介を忘れて追ったな。我が名はキサラ、よろしくな。」
キ、キサラ?!どういうことだ。
キサラは、動揺が抑えられなくなっていた。
震えが止まらない。
グレン達が、キサラの元に案内された。
「ん?どうした?仲間が来たぞ。」
エルが、キサラの様子を見たが明らかに
様子がおかしい。
「なにか話しましたか?」
「私の名前を教えただけだ。」
イタタ。
思わずエルは頭を抱えた。
エルは、キサラ王女に向き直ると、
「キサラ王女、正直に申し上げますと
この子は貴方のクローンです、
名前は同じキサラです。」
と、打ち明けた。
「く、クローン?そんな技術が実現
できているのか、素晴らしいな。」
キサラ王女は、満面の笑みでキサラに
話し掛けた。
「キサラの名はお前にやろう。
私は今日から別名で新しい名で
新しい人生を生きる。」
キサラは茫然として、
「それって⋯どういう?」
「お前は、この時代のキサラだ。
私は違う、だから名を変える何が問題だ」
「そんなに大事に思われる名で良かったよ、
はははは。」
キサラ王女は豪快に笑った。
エルは引き攣った笑顔で、聞いた。
「どのような御名前にする予定ですか?」
キサラ王女はエルを指差して、
「よくぞ言った、ふふふ。名はアリスだ。」
⋯。
ひゅ〜。と風が吹いた感じがする。
「ははは。らしいですね、
いいんじゃないでしょうか?」
エルは、もう他人事だからどうでもいい
という感じだ。




