ep10-6 大陸沈没
スモールレイクの王城では、久々に平和な
空気が流れていた。
ノアもツイストもゆったりとした気分で、
「ずっとこんな穏やかな日が続けばいい
のにね。」
とノアが言うと、
「そんな事を言うと地雷になるから
止めておけよ。」
とヘイズがにこやかに言った。
そんな時に、ヘイズからキサラに緊急の
一報が鳴り響いた。
キサラが2人を見て、
「ほら、踏んじゃった。」
2人は、青ざめた顔でキサラの通話が
終わるのを待つしか無かった。
「はい。キサラです。え?あ、はい。
全国民に避難命令ですね。大至急、はい。
了解しました。」
キサラが通話を終えると、2人を見て
「物には限度があるだろう、とんでも
ないの踏んだな。間もなく大陸が沈む
そうだ、大至急避難だ。城内を頼む、
私は陣頭指揮を執るため現地に赴く。
王城の全員とサンドダスト国に向かえ。
頼んだ!」
そういうとキサラはまず各七大貴族領
に向い、一斉避難を知らせると城下町
の各責任者に何も考えずまず避難しろ
と命じた。
その後は連絡が取りにくい、地方の集落
に向かった。
ノアとツイストは、城内の全員に一斉避難
だと呼びかけたが、日頃の悪さのせいか、
中々信じてもらえず四苦八苦していた。
そんな時、大地を揺さぶる今まで発生して
来なかった規模の地震が立て続けに発生した。
「ほら!言ったじゃないか。大陸が沈む
んだよ。早く逃げないと!」
城の外は、先程の地震で地割れが、酷い。
場所によっては地面の沈下がしていたり
水が吹き出したりしている。
城内でもようやく危機感が広まり大半が
避難を始めた。
ノアは突然走り出して、謁見の間まで来た。
「突然走り出して、どうしたんだよ。
俺達も早く逃げないと。」
ノアが謁見の間に飾られているドライ
フラワーを取って、
「これは、王女様の宝物だから持って
行かないと。」
「あまり、荷物は持つなって言われてる
けどそれくらいならいいか。」
ノアとツイストは、侍女等と一緒に
サンドダスト国を目指した。
サンドダスト国では、既にキサラが入国
しており、
スモールレイクの国民に混乱が生じない
ように、市民からの要求に応じたりや暴動
が発生しない様に気を配っていた。
「それにしても、あいつらは何をやって
いるんだ。遅すぎる!ちゃんと避難を指示
しているかが不安だ。」
翌朝になって、ようやく王城からの避難者
がサンドダスト国に入国したいという情報
がキサラに入ってきた。
理不尽にも怒りの矛先がその避難者
に向いた。
「一体お前等は何をしていたんだ!
死にたいなら、この場で私が切り
捨ててやる。」
衛兵達は、キサラに平謝りで言った。
「も、申し訳ありません!また、
ツイストのホラ話かと⋯お許し下さい。」
その日のうちには、ノアとツイストは、
サンドダスト国に入ることはなかった。
その日は、ノアとツイストはホワイト
ストーンに宿泊していた。
とは、いっても既に全員避難しており
宿屋も、もぬけの殻だが、泊まるには
問題ないということで侍女たちが警備
するということで、宿に泊まることにした。
部屋に入ったツイストは、
「こんなところに泊まったなんて
知ったら、キサラ激怒するんじゃない
かな?」
ノアは、その言葉に反論して、
「私だってたまには王城以外のところ
に行ったり、旅行みたいのがしたいの!」
ツイストは、ノアを見ながら、気持ちは
分かるが立場を考えないとな⋯と思った。
なんかあったら、オレのせい?
2人が寝静まった頃、ホワイトストーン
一帯が大陥没してしまった。
その情報は直ぐにキサラの元に報告された。
「は?呑気にホワイトストーンで泊まって
た奴がいるだと?!誰なんだそんな惚けた
奴は!?」
兵士は言い辛そうに、
「王室の馬車が止まっていたという情報が⋯」
その言葉を聞いた瞬間、キサラの持っていた
ペンが粉々に砕け散った。
「あいつら!!どこまでマヌケなんだ!」




