ep10-3 人外の生成源
グレンと十六夜は、人外を切り刻みながら
ひたすら前に進んでいった。
「グレン様、一体どこに向かっているん
ですか?」
「人外の生成源だ、それを潰さないことには、
いくら末端を、叩いたところで意味が無い。」
グレンと十六夜は、地下道の中のひらけた
場所に出てきた。
そこにいたのは、巨大な蟻の様な生物だ。
「あれが人外の生成源でしょうか?」
「ま、そうだろうな。」
十六夜は、生まれて出ている人外を
指差して言った。
「何種類も生み出すことができるのですね。」
巨大な人外は、グレンと十六夜に気づき、
『人間、お前らが抵抗しても無駄なことだ、
サッサと我等の餌となるがいい。』
グレンは、ニヤリと笑って、
魔法剣を巨大な人外に向けて投げつけた。
魔法剣は、人外の攻撃を全て躱して巨大な
人外の喉元に刺さった。
人外が暴れても取れそうになく、徐々に
人外の動きが弱っていく。
「やったんですか?」
「どうだろうか?上手く行きすぎている
気がする。」
人外は片目を開け、苦笑いをしている様に見えた。
『人間、勝ったつもりか?!私は消えるが
負けはせぬ。』
巨大な、人外は崩れ去ったかと思った瞬間、
崩れた人外の中から大量の人外が飛び出し
すべてがグレンに喰いついた。
グレンは、白目を剥いて倒れ込んだ。
「い、いやあ〜!!グレン様!!」
十六夜は、必死に魔気の小瓶をふりかけ、
人外を取り除こうとするが、その度に
グレンからは夥しい量の血液が飛び散る。
「死なないで、先生!!私が助けるから
絶対にしなないで!」
暫くすると、ゼノンがグレン達のいる
ところにやってきた。
「どうしたんだか、人外が突然消滅した
けど⋯。」
ゼノンの目に、白目を剥いて痙攣している
グレンとその横で泣きながら、取り憑いた
人外を取り除いている十六夜がいた。
ゼノンは、異常な事態が発生したことを
察知して2人のもとに掛けよった。
「十六夜!何があった。」
「ゼノン、先生が死んじゃう⋯助けてよ。」
ゼノンは下唇を噛んで、
「前にも言ったはずだ!コイツは殺しても
死なねえって!」
ゼノンは、グレンを担いで、入口に向かって
ダッシュした。
十六夜も泣きながら、その後を追いかけた。
ゼノンが勢い良く地下の入口から出てきた
ので、地上に控えてた者は腰を抜かした。
「エル、エル!直ぐにグレンを診てくれ!
人外にやられた、意識がないんだ。」
「わ、わかったから。落ち着け。」
エルが、ゼノンを宥め、グレンの様子を見た。
しかし、首を傾げるばかりで手を付けよう
とはしない。
「スマンが、手遅れだ。恐らく瞬時に
脳と心臓をやられている、痙攣しているのは、
脳が侵食されて脳神経の一部を人外が勝手
に動かしているに過ぎない⋯
生物としては息絶えている。」
ゼノンはエルを襟首を摑んで、
「そ、そんな理由あるかよ!!グレンは
絶対に死なない!」
十六夜は、泣きながら地面を叩いている
「私は、こんなことになる為にここにきたん
じゃないのに!!先生を救いに来たのに、
なんでこうなるの?!」
エルは叫んでいる十六夜を横目に見ながら、
「あとは、奇跡の力しかないんじゃないか。
だから私には無理だ。十六夜とカレンに
任せよう。」
と言って、十六夜とカレン以外をその場から離れさせた。
カレンは十六夜に近づき、
「十六夜さん、あなたでないとグレンさんは
たすけられないの、協力してくれる?」
十六夜は目に大粒の涙を貯め、
「だって、もう先生は生きてないって言った
じゃないの、私に何が出来るの?」
カレンは、十六夜の手を引っ張って、グレン
のところまで連れてきた。
「さぁ、手を握って。」
十六夜は言われるがままに、グレンの手を
握った、温かい温もりのある手だ、
多分しっかりにぎったのは初めてかもしれない。
温かい?なんか脈も打ってる気がする。
「まだ死んでない?」
カレンは静かに頷いた。
十六夜は、エルに騙されたことを知り、
怒りが頂点まで登った。
「あのババァ、許さん!」




