ep10-1 非常な男
1週間のご無沙汰です。
いつも通り、8話に分けてを10分毎に投稿しています。
今回で第1章完結で来週から第2章に突入します。
もし良かったら、評価、感想、ブックマーク等頂けるとこれからの励みになりますのでよろしくお願いします。
グレンは顔を強張らせて、
「後ろにあるものは何だ、言ってみろ!」
こどもは振り返って、
「これは、僕の餌だよ。気にしないで。」
グレンは背中に背負っている長刀を抜いた。
十六夜がグレンの前に立ちはだかり、
グレンを止めた。
「グ、グレン様。こどもですよ。」
「しかし…こいつは、どう見ても
普通じゃない。」
こどもは、グレン達を無視してまた遺体を
あさり始めた。
グレンは一歩踏み出したが、こどもが
こちらを向いてニコっと笑うと躊躇してい、
足が止まってしまう。
グレン達の後ろから足音が聞こえた。
「甘いですな。グレン殿。」
声の方向を振り向くと、ヘイズがいた。
「ヘイズ殿。なんでここに。」
「いやぁ。エルがね、やっちゃったから
後始末よろしくなんていうから来て
みたんだけど⋯。」
ヘイズが指差して、
「あれ、なんだと?思うの?」
「人外なのかなとは思いますが⋯
人かもしれないと。」
ヘイズは肩を竦めて、
「人外と思ったら処分しないと⋯
あれは人を使った人外の猿芝居だと
思いますよ、ま、見ていて下さい。」
ヘイズは手ぶらで、こどもの近くまで
歩いて行った。
「そろそろ、正体見せたらどうです?」
こどもは頸をひねって、
「何言ってるの?おじさん。」
「ま、あなたたちは繋がっているんですよね、
人間に入り込む愚かさを味あわせて
あげましょう。」
ヘイズは懐から、針の様な物を取り出し
素早くこどもに向け投げた。
その瞬間こどもは苦しみだし、
「おじさん、何をしたの?く、くるしいよ、
し、しんじゃうよ。う、う〜。」
ヘイズは不敵な笑みを浮かべ、
「その毒は、息ができなくなる苦しみを
味わいながら全身から血を出し続けるという、
楽しい毒なんですよ⋯正体現した方が楽ですよ。」
こどもは悶え苦しみながら、地面を転がり
始めた。
グレンはそれを見ながら、
「ヘイズ殿、本当に人外なのか?」
「ま、見てて下さい。」
目から血を流しながら、
「おじさん、酷いよ、助けてよ。」
ヘイズは、薄ら笑みを浮かべて、
「そういうの私には無駄です。しかし、
困った知恵をつけたものですね。」
こどもはその場で大量の血を吐き、
倒れ込んだ。
全身から流れた血で地面はあっという間に
真っ赤に染まった。
ヴルルヴルル。
呻き声が聞こえる。
こどもの体がピクピク蠢いている。
「そろそろ、グレンさん出番です、人外が
出てきますよ。」
こどもが真っ二つに引き裂かれて、黒い異形
の生物が出てきた。
異形の生物は、真っ二つに引き裂かれた
こどもを食い漁り始めた。
十六夜の悲鳴がこだまする。
「い、いゃあああ〜!!」
グレンは長剣と魔法剣を構え、神速の長剣が
人外を真っ二つに切り裂き、魔法剣が人外を
吸収した。
ヘイズは、奥の遺体に目をやりたがら、
「最期までこどもを守ったんでしょうね、
王族の方々は。
人外ってそういう生き物なんです、
我々の敵です、情なんて無意味です。」
ヘイズは一つため息をついて、
「終わりましたね。ここも、王族は全滅ですね。」
そう言って、ヘイズはゼノンが作業している
方向へ歩いて行った。
グレンは剣を収め、十六夜のところに行き、
頭を下げた。
「すまない、俺の判断ミスで危険に
晒してしまった、心身の鍛錬をし、
このような不甲斐ないことにならない
ように肝に命じる。」
十六夜は頸を大きく振って、
「違います!私が先生の判断を鈍らせて
しまったんです、先生は、人外を倒そう
としました。私のせいです、ごめんなさい。」




