ep9-2 十六夜の動揺
キサラとツイストは、ブラックナイト州に
視察のため来ていた。
ブラックナイト州はすっかり復興していた。
「キサラ殿、ブラックナイトはすっかり
復興したみたいですね、正直驚きました。」
キサラとツイストは、ヘイズが居る出城に
向かった。
ヘイズは呆れ顔で、
「来るなら来ると言ってくれれば準備もで
きましたのに。」
「気は使わなくていい。」
と、キサラは頸を振って言った。
「今回は何用でしょうか?」
「視察とノアの扱いについての相談に来た。」
ヘイズは天井を見上げ、
「ノアですか⋯彼女には申し訳ないが、
こればっかりは王女次第なので、
私にはなんとも。」
「そうか⋯。では伝えてくれ、戻る気が
あるのかないのか、それ次第で、ノアの
教育の仕方が変わる。」
ヘイズは、笑みを浮かべ
「御自分で言われたらどうですか?」
キサラは俯いて、
「すまん。勘弁してくれ、今はまだ無理
なんだ。申し訳ないが、よろしく頼む。」
キサラはまだ、キールの件で王女とは
話せる所まで至ってないことを告げ、
帰路に就こうとしていた。
ヘイズは力を抜いた声で、
「元気そうで安心した、活躍を祈ってる。」
「お父様のお陰です。感謝してます。」
振り返らずキサラは歩いて行った。
人外から襲われた、グレン達は、
情報収集を終える偵察機の帰りを待っていた。
ミリネが蹲っている十六夜の傍に行き様子を伺うと、急に剣を振り降ろし斬りかかろうとしたが、
咄嗟に懐の短刀で防いだ。
「い、十六夜!」
グレンは間髪入れず掛けよって、十六夜を
抑え込んだ。
「離れろ、ミリネ。」
「先生に害成す奴は私が殲滅する。」
グレンは、十六夜の顔を掴み、顔を近づけ
「俺はここにいる!見えないのか、
正気に戻れ!」
グレンは、十六夜の目をじーっと見て⋯。
どこかで見たような目だな。
十六夜は、顔を掴まれた瞬間正気に戻ったが、
あまりにも距離が近すぎて赤面しながら
気絶してしまった。
「あら?気絶してしまったな。」
グレンは、十六夜を抱き上げ、
日陰で休ませることにした。
グレンが十六夜を見守っている傍に、
機嫌が悪そうなミアがぴったりくっついていた。
「グレン様、この子夢見が悪いだけですわ、
きにしなくても平気じゃないですか?」
グレンは、頸を捻りながら、
「夢見が悪いだけで斬りかからないだろ。
まずは事情を聞かないと。」
ミアは、十六夜を睨みながら
『こいつやりやがったな』という顔をしていた。
暫くすると、十六夜が起き上がったため、
事情を確認した。
ミアの言う通り夢見が悪く、連日悪夢に
魘されていると言っていた。
「でも、単なる夢だろ?」
と聞くと、十六夜は夢見の能力者で
間違いなく具現化するらしい。
「どうすれば、楽しい夢が見れるかな?」
十六夜は、難しい顔をして、
「小さい時、父に絵本を読んで貰ってる時は
楽しく寝れた気がしますが⋯。」
「それだ。」
一堂⋯。何がそれ?
「オレが何かさ、話してやるよ。寝る前に。」
十六夜は真っ赤な顔で。
「い、いや。そんな、申し訳ないです。」




