ep8-2 粘るミア
ゼノンが笑いながら、俺の方に向かって
歩いてきた。
「いやぁ~。参った、お前の言うとおりだ。」
「何か話したのか?」
ゼノンは肩を竦め、
「いや?なにも。」
ゼノンはそれ以上何も話すことなくその日は、
ゼノンもミアも休んだ。
次の日は朝からゼノンとミアが何だか
揉めていた。
ミアがゼノンを一方的に攻めている
みたいだった。
「なんで、帰らなきゃいけないの!」
ゼノンは頭を掻きながら、面倒臭そうに
言った。
「いても、時間の無駄かなと思うんだが⋯。」
ミアはゼノンを睨みつけて、
「私は絶対に帰らないわよ!」
「どうして?」
ミアは、ゼノンに小声で耳打ちした。
「あれ?ナギでしょ。わかってるのよ。」
ゼノンは、目を見開いて、
「な⋯、なんでわかった?」
ミアは得意気に、
「ふふん。甘く見ないで、付き合いの長さが
違うのよ、十六夜って名前でピンときたわ。」
2人が話しているところにグレンがやって来た。
ゼノンは嫌そう、ため息をついた。
よりによって、話がぐちゃぐちゃなところに
来やがって、どう纏めりゃいいんだ。
「なに、揉めてるんだ?」
ゼノンはグレンからの問いかけに、首を傾げて
「い、いや?揉めてなんか⋯なぁ?」
多分ミアは腹芸なんて出来ないから無駄だ
とは思うが⋯。
「グレン様。聞いて下さい、ゼノン様が
いるだけ無駄だから帰れって言うんです。」
「だから、昨日危ないから帰すって
話したよね?」
「自分の身は自分で守れるから大丈夫です。」
グレンは頸を振って、
「無理。キサラも出来なかったんだ、
君には無理だ。」
ミアは目を潤ませて、
「なんでもしますから、おいて下さい。」
グレンは肩を落として、
「ヘイズに許可取って。俺は責任取れないよ。」
といって広間の方へ歩いて行った。
ミアはゼノンを横目で見てニヤリと笑って、
「それじゃ、ヘイズさんに許可取っておいて、
私ちょっと寝るから。」
「おいおい。なんでオレ?」
「何言ってんの。話纏めてあげたんだから
当たり前でしょ?」
え?そうなのか?
ゼノンが、騙されていることを理解したのは
これから数時間後のことだった。
広間の奥に、出城から辺りを見渡せる展望台
があり、十六夜はそこで景色を見ながら
ボーっとしていた。
そこに、グレンがやって来て声を掛けた。
「何か見えるか?」
「あ、あ。いや、海が見えるので
見てました⋯すみません。」
「いや、いいけど。そうか、この先は
ブルー・シー国だな。海風は気持ちいいな。」
や、やばい。グレン先生と図らずも
海を眺めてる⋯これは夢か、
夢なら覚めないでくれ。
「私もこの風好きです。」
「そうだよな、いいよな。」
そんな、2人を悔しそうにミアが鋭い
目つきでみていた。
「そんな簡単に、グレン様は渡さないわよナギ!」




