ep8-1 友との再会
朝起きたら、酷い二日酔いだ。
頭のなかに酒が溜まってタップンタップン
言っているみたいだ。
こんな時に、デカい声を出すやつがいたら
速攻張り倒す、と思うと得てしてそういう
行動を起こす奴がいる。
「うぉ〜い!グレ〜ン!」
オレは迷惑そうに声の発生源に目を向けると、
ゼノンがやって来た。
「どうした?お前の役目はブラックナイトの
復興じゃないのか?こんなとこで油を
売っていると王女にどやされるぞ。」
ゼノンは頸を振って、ドヤ顔で、
「オレは優秀なんでな目的は達成したので
仕方なく苦戦しているおバカさんを手伝いに
来たってことだよ。」
「ま、キールの代わりってとこなんだろ⋯、
お前ならギリギリ合格かな?」
ゼノンは引きつった顔で、
「ギリギリ合格はないだろ、キールさんより
は劣るけどさ。」
グレンはニヤリと笑って、
「うちにはツワモノがいるんだよ、恐らく
お前は勝てない。あとで、紹介するよ。」
「あ〜、オレも言わなきゃいけないことが…。」
「なんだ?」
「来ちゃった。」
ゼノンの巨体の後からミアが顔を出した。
グレンは、ゼノンを睨みつけた。
「お、お前が言いたいことは分かるよ、
ここは最前線でキールの様な手練だって
命を落とす危険な場所で遊びに来ていい
場所じゃないって言うんだろ」
グレンはため息をついて、
「強制送還だ。」
と、言って出城の方に2人を案内した。
広間の方に人が集まっているみたいなので
そちらに移動した。
みんなが集まっているみたいだな。
「みんな、紹介する。七大貴族のゼノンと
元ブラックナイト国姫のミアだ。
ミアはすぐかえる予定だがな。」
ゼノンが怪訝な表情で、俺を見た。
「あの子が、オレより強いってのか?」
俺は頷いて、
「あ〜。そうだ。」
「信じられん、1回手合わせ願えないかな。」
俺は仕方なく、十六夜のところに行って、
「悪いんだが、1回ゼノンと手合わせ
してくれないかな。」
「わ、私なんかでよろしいのでしょうか?」
「無論だ。思いっ切りやっていいから。」
う〜ん。どういうことなんだろ、
どっちを連れて行くか決めるのか、
ただ単に力量を測ろうとしているのかだな…
コテンパンにするのは問題がありそうだな。
十六夜とゼノンは外に出て、向かい合った
瞬間ゼノンにはある違和感が感じていた。
これってどこかで⋯。
グレンの開始の合図がこだまする。
「始め!」
十六夜の神速の突きがゼノンの喉元を
捉えるところだったが、紙一重で、
ゼノンがかわしと思ったが、
十六夜の左手にはもう一本の剣が
握られていて、すれ違い際に顎を上にはねた。
「そこまで!」
グレンの終了の合図で十六夜の手が止まった。
ゼノンが十六夜に握手を求めて近づいて行った。
誰にも聞こえない声で、
「流石です。王女。」
「な、き、貴様。なんで?」
「近衛兵は剣は使いますが、武術は
使いません、それにその闘気と武術の型、
少し変則的で分かりにくいですが
王族の型ですよね。」
と言って、十六夜から離れて行った。




