ep7-8 キールの死
グレンは、思わず頭を抱えた。
コイツも、門下生か。
そろそろ本当のこと言わなきゃな。
「あ〜、実は道場の時のこと殆ど
覚えてないんだ、ゴメン。」
「では、私の名前もお忘れですね。
第5王女のミリネと申します。」
どっか、最近聞いた気がするが…どこだっけな?
エルが疲れた表情でテントに顔を出した。
「グレン、十六夜ちょっと話がある。」
「やっときたな、何処行ってたんだ?」
グレンと十六夜はエルについて行った。
ついていった先には、カインとカレンがいた。
「あれ?キールとキサラがいないじゃないか、
2人はどうした?」
カインとカレンは俯いたまま、なにも喋らない。
何かが変だ。
エルが神妙な面持ちで、
「グレン、キールはいない。人外との戦いで
戦死した。キサラはショックが大き過ぎるので、
スモールレイクに戻らせた。」
グレンは天を仰いで、
「そうか。死んだか。どんな最期だった?」
カインが言葉を絞り出しながら答えた。
「キールは、キサラを守るために盾になって⋯
亡くなりました。」
それを聞いたグレンは、満足そうに、
「そうか、人を守って死んだか⋯良かった。
キサラに感謝だな。」
エルは不満そうに、
「お前の親父も同じことを言っていたそうだ。」
グレンは頷いて、
「そりゃそういうさ、あいつが悪の権化
だからな。」
「グレンさんは悲しくないの?」
十六夜が聞くと、
「悲しいというよりは、寂しいというのが
近いかな?そんなことより、戦力ダウンが
ヤバいな。」
「それなら心配無用だ、じきに助っ人がくる、
キールの代わりになるはずだ。」
「キールのお墓はあるの?」
「う、う〜ん。埋葬はしたが墓と呼べるもの
ではないな。」
「どうして墓なんだ?」
グレンが十六夜に聞くと、
「キールには、色々と借りがあって⋯
だから死ぬなって言ったのに。」
グレンは頷いて、
「グリーン家は墓を持たないみんな、
星に祈るのさ、十六夜も星に文句を
言ったらいい。」
十六夜は、笑って
「わかったわ、そうするわ。キールは
星になったのね?」
エルは、みんなの顔に笑顔が戻って安心した。
「良し、今日は景気づけだ!朝まで吐くまで
飲むぞ!」
その後は、みんな笑顔あり涙ありといった
感じで朝まで飲み明かした。
飲みつぶれたみんなを見ながらグレンは
星を見ながら、呟いた。
「キール、お前って意外とみんなの人気者
だったんだな、ビックリしたよ。」
といって満足そうに眠りについた。




