ep3-8 新たな出発
キサラから、明日の早朝に出発と言われているが、
早朝って一体何時だろう。
うとうと…zzz。
バキ、ボコ。
「い、痛い。」
「グレン様、成長が感じられません。さぁ、行きますよ。」
キールは、未だ半分寝ているオレを引き摺りながら
出城を出た。
ようやくオレが起きると、キサラが、
「偵察機を飛ばして様子をみます。」
3人で映像を確認してみると、
「境界線上には林がありますね、それを抜けると
予想通り砂漠があって、オアシスでしょうか?湖がありますね、そこから人?がでてきて何かと闘って…。壊れましたね」
キールは顎を手で触りながら、
「貴族か王族かな?見捨ててもいいが助けた方が情報が得られると思いますが…。」
「何言ってんだよ。キール、早く助けに行かないと。」
オレは足早に杜の方に向かって行った。
後から、キサラとキールが歩いてきて、何やら話をしているようだった。
「王女からは何を云われてきたんですか?」
キールは、キサラを見ながら、言いづらそうに
「う、う〜ん。ま、なんだろうなちょっと嫉妬があるようだ。あと、思い出して欲しいらしいよ道場の時の事。」
キサラは頷きながら、
「嫉妬?私は何も感情は持ってないぞ。」
「あ〜。そうじゃないな。グレン様から滲み出てくる感情を自分じゃない誰かが受けているのがつらいんだろう。」
キールは、地下牢に捕らえられている間、王女に質問攻めにされたことを思い出していた。
『お前は私のことを覚えているか?』
地下牢で拷問を受けた後、意識を失いかけていたキールに王女が話しかけていた。
「覚えてるも何も、皆知ってるだろ。」
『違う!5年前道場がなくなるまでのことだ!』
キールは王女を見ながら記憶を呼び覚まして、何か引っかかるものを感じた。
「どこかで会ってますよね…あ、ナギちゃん?泣き虫の…。」
『泣き虫は余計だ。』
キールは、王女との会話を思い出して笑みが溢れていた。
その様子を見ていたキサラは気味悪そうに、
「聞きたかったんだが、グレン殿は昔からあんなに記憶力がないのか?少しくらい思い出しても良さそうだが、ゼノン殿は思い出しているみたいだ。」
キールは天を仰いで、
「魔法剣の影響か、あとじっくりナギ様を眺める機会があれば思いだすかもしれないが、そればかりは良くわからないな。」
キサラは、笑いながら
「そんなことしたら、王女様は、倒れてしまうよ。」
オレは、後ろで談笑している2人を見てあんなにいがみあってたのに人って簡単に仲良くなれるんだと感心した。




