ep14-6 地下街からの脱出
グレン達は、カインの能力に一抹の不安感
があった。
理屈っぽいし、色々知ってそうだけど
イマイチ活躍した場面とか見たことないし、
重要な場面ではオドオドしてるし、
良いイメージがない。
グレンは思いっ切って、エルに聞くことに
した。
「あのさ、カインって平気なのかな?」
「それは、どう言う意味だ?」
もう既に、少し怒り気味?かな。
「う〜ん。カレンは色々出来るよね?
同じ様にできるのかな?」
エルは厳しい顔になり、
「それはなにか?カインがカレンより、
劣っているとでもいいたいのか!?」
あ〜あ。踏んではいけない地雷を踏んだ
ようだ。
「いやぁ〜。そういうわけでは。」
「だったらなんだ?」
「確認です。気にしないで下さい。」
う〜ん、そもそも息子の客観的評価を母親
に求めたようなものだから無理があったな。
カレンに聞いたほうがいいかもしれない。
「あのさ、カインって大丈夫なのかな?」
「大丈夫というのは、どういうことで
しょうか?」
あ〜、言い方が悪かったか⋯。
「カレンの様に役に立つのかなという話
なんだけど。」
カレンは、にこやかに
「う〜ん、私が役に立っているかは
わかりませんが、得て不得手は
あると思います。」
と、当たり障りの内回答をしてきた、
グレンも頷きながら、核心について聞いて
みた。
「得意なのは情報処理能力だね。不得意
なのは?」
「物を作ったり、整備とかは苦手かも
しれません。」
グレンは苦笑いして、
「それ、致命傷だよ。」
カレンは考え込んで、
「レシピがあれば、器用なので作れると
思うのですが⋯素直にやってくれるかが
問題かも知れませんね⋯じゃ助手を付け
ます。」
そう言って走り去って行った。
大丈夫なんだろうか?
エルとカレンの言い合いが聞こえる。
「なに!アイツはだめだ。思考がイカ
れてるからダメって言っただろ。」
「大丈夫です。カイン君なら手懐けて
くれます。」
「ヤダよ、そんな奴。」
波乱の予感しかしない。
出発の準備をしていた時、キサラが珍しく
カレンを問い詰めていた。
「おい!レムの封印を解いたというのは
本当か?」
「あ、はい。」
キサラ激怒して、
「なんで、そんなことをした!?」
「大丈夫です。カイン君と一緒に行きますし、
前の記憶は消えてます。」
「カイン⋯あいつならワンチャンあるか、
ダメなら廃棄しよう。ナギ様が一緒なのは
心配だが。」
リンクの話によると第8階層から地上に
出れるらしい、通常ルートを強行突破も
考えたが、残るメンバーの事を考え、
そこは自重した。
問題のレムはカインにピッタリくっついて
離れないカインは無理矢理離そうと何回か
試みたが無理そうなので諦めたようだ。
「ナギ、悪いんだがこいつの魔気を取って
くれないか?」
「はい、わかりました。」
せっせと動く、ナギをリンクは奇異な目で
見ていた。
リンクはナギの作業が終わったのを見計らって
ナギに聞いてみた。
「済まないが、あなたはスモールレイク国の
国王でいいのだな?」
「いかにも。何か気に入らないことでも
あるのか?」
と、言って相手を威圧する。
「あ〜、気に触ったら申し訳ないのだが、
一介の剣士の世話を国王がするのが、
あまりに異様な光景にみえたのだが⋯。」
グレンもそれには同意して、
「そう言われてみれば、確かに変だな。」
ナギは、リンクに掴みかかって、
「いいか、先生は私の剣の師匠だ、師匠の
世話を弟子がするのはあたりまえだし、
私の趣味だ、余計な詮索はやめてくれ。」
ナギは涙目になって小声で、(わたしの幸せを
奪わないでくれ)と、懇願した。




