ep14-5 協力者
「こんな感じかな?」
部屋の中央にディーを縛り、周囲は入ったら
出られなくなる結界を施し、取り敢えず
罠にかかるのを待つ。
ゼノンは、グレンが考案したトラップを見て、
苦笑いしながら、
「こんな単純な罠に掛かるヤツ、い⋯。」
ドスン。
結界が発動する前のディーの前に設置した
トリモチトラップに掛ったみたいだ。
「いるんだ。こんなのにひっかかる奴。」
ひっかかったのは、こども6〜7歳くらいの
男の子?あとは10代後半くらいの女の子だ。
兄弟っぽくも見えるが、どうも違うようだ。
女の子の方は、早々に諦めて大の字になって、
「私を殺せ!こちらの方はエルフ族の王家の
方だ。殺したらエルフ族を敵に回すことに
なる。」
「リンク!やめてよ。僕を1人にしないで。」
男の子がリンクに泣きついた。
グレンとゼノンは2人に近づいて、
「別に取って喰おうというわけじゃない。
事情を説明して欲しい、我々は聖域の連中
とは一線を画する勢力だ。」
「エルフをオトリに使ったのは気に
くわないが、奴等よりはマシということ
だな」
ディーが、
「あ、違う違う。オトリは私から提案
したんだよ」
リンクは顔を引き攣らせながら、
「エルフのくせに警戒心が薄すぎるだろ。」
と言って頭を抱えた。
リンクの説明によると、リンク自身は海賊で
ショートソードの使い手らしい⋯
という意味ではナギに似ている。
リンクがいた海賊は聖域生物に全滅させられ、
リンクだけがエルフに救われたことで、
リンクはエルフの王族の警護をする側近として
付いているということだ。
王族の子は、タウという名前で、この山に
いた名門のエルフ一族らしい。
この一族がこの大陸では1番古く、大陸の
エルフを束ねる存在らしい。
とても、そうは見えないが⋯。
「お前等の素性も少しは教えても良いのでは
ないか?」
リンクが少し不満そうに言った。
グレンを制して、ナギが一歩前に出た。
「私は、サウスイーストのスモールレイク国
の国王ナギだ。そして仲間は志を一にする
者たちだ。」
「スモールレイクって対聖域の急先鋒
じゃないか⋯早く言えよ。」
リンクは表情が明るくなり、少しホッとした
のかその場を気を失う様に寝てしまった。
「寝ちゃいましたね。」
ノアが呆れ顔で、毛布を掛けてあげた。
エルが戻ってきて、見慣れない顔がいるのを
見つけて、グレンとナギを睨みつけて、
「次から次へと拾って来るんじゃないよ。
こいつら何者だい?」
グレンから説明を受けてもエルの表情は曇った
ままだ。
「必要なのはわかった、仲間が沢山必要なのも
わかる。ただし、この人数はもう限界だ。
どうにかしないと。」
グレンは頷いて、
「先に行くグループと留まるグループに
わけよう。」
その言葉を発した途端空気が凍りついた。
ナギが手を挙げて、
「どう分かれるのでしょう。」
と、無表情に言う。
なんかちょっと怖い。
「とりあえず、俺とゼノンのチームに
分かれて、両方のチームに情報分析出来る
人員を配備して、戦力の均衡を保つ。」
エルは頸を振って、
「イマイチ、抽象的だな。カイン、グレンに
ついていけ。あとは⋯。」
「私は絶対先生に付いていきます。」
ナギが必死の形相で、宣言した。
「じゃ、私はカインの方だな。ツイスト、
お前はグレンの方に行け。」
「じゃ、わたしも。」
と、ノアがいうと、
「ダメだ。お前になにかあると面倒だ。」
「私達は⋯。」
と、言いかけたところで、
「ミリネ達はゼノンと一緒にいてくれ、
この先の危険性は未知数だ。」
「我々は、グレンと同行しようと思う」
とリンクが言った。
グレンは頷き、エルをチラっと見た。
エルが、
「まだまだ多いが、この先更に細分化すれば
良かろう。でいいのか?」
と、俺を見ながら言った。
他の7大貴族には、自らの行動は自分で決めて
ほしいとお願いした。




