ep13-4 剣の道
アリスの厳しい視線でミストは息苦しく
なってきた。
「グレン、君はどうなんだい?(汗)」
グレンは首を傾げ、
「ちょっと言っていることがわからないが、
私は剣の道に邁進していくだけだ。」
ミストは頷いて、
「グリーン家子孫としては、優等生的な答え
だね、国王になれと言われたら君はどうする?」
グレンは迷いなく答えた。
「慎んで辞退する。そのような器ではない。」
バキ!
ミストは、アリスに思いっ切り殴られた。
(いきなり核心に触れて、どういうつもり
なんだ!!ヽ(`Д´)ノプンプン)
ナギは下を向き、声を絞り出す様に、
「先生は、私が王家を捨て、先生の元に行く
といったらどうしますか?」
「う〜ん。好きにすればいい。但し、国の危機
の時は最前線だかな。」
と、グレンは笑って答えた。
ナギは下を向いまま、グレンの手をしっかりと
つかみ、涙を必死に堪えていた。
キサラもアリス姫も安心した顔で2人を見て
いた。
ポン。
「ナルホドね。そういう手があったんだね。」
と、ミストは納得していた。
アリス姫は、ミストの襟首を掴み、
「私は何度も国を捨てて、お前の元に行くと
言っただろ!忘れたとは言わせんぞ!」
ミストの部下が割って入り、
「そのくらいで、御容赦下さい。」
アリス姫が付き人の顎をつかみ、睨みつけると、
「なんだ、お前は?」
「ミスト様の付き人でございます。」
ミストはチラッと付き人を見て、
「グリーン家の家臣らしいけど、面白そうだ
から付き人をしてもらってるんだよ」
アリスが白い目でミストを見た。
「なにが面白いんだ?なにを企んでいるん
だ?」
ミストは頭を掻きながら、
「キサラの関係者みたいだからね。」
アリス姫は付き人をジーっとみて、
「こいつ、なんで顔がないんだ?顔がないと
わからんぞ。」
「ちょっと待って、瞬間なら出せる。」
ミストが手を翳すと付き人の顔の付近に渦巻き
が発生し、おぼろけに顔らしき物が出てきた。
アリス姫は、
「う〜ん?知らんな。」
ナギがアリス姫を押しのけて、前のめりに
なり、
「もう一回お願い。」
ミストが疲れたような表情で、
「結構、大変なんだよ。これ。」
と言って再度手を翳す。
ナギが付き人の顔を凝視すると、見たことの
ある顔が出現した。
ナギは思わず付き人をグーで殴った。
「どういうこと?なんで黙ってるの?」
「あ、いや。いまさら、どうなんだろうと
思いまして。」
ナギは、ミストに話し掛けた。
「あと、時間はどのくらいある?」
「本当はもう帰らないといけませんが、特別
に5分だけ。」
ナギはキサラに向け叫んだ。
「キサラ!コイツはキールだ。消えるまでに
話をするんだ。」
キサラは慌てて、付き人の所に走っていった。
「キ、キールなの?本当にキールなの?」
「すまない。苦しませたみたいで。」
付き人は、深々と頭をさげた。
「私、あなたに謝りたくて。」
付き人は頸を振って、
「君が謝ることはなにもない、私は君に感謝
しかない。」
「だって、私なんかに会わなければ、あなたは
まだ生きていられたのに。」
付き人は頸を振り、
「私は、君と会えたことと、君と過ごした日々
が最高の宝だ。全く悔いはない。君が幸せ
であることだけを今は願う。」
キサラは、泣き崩れて、
「ありがとう、キール。ごめんなさい、キール。」
アリス姫がミストを見て、
「あ〜あ。お前もあの1%くらい言えると
いいんだけどな。」
「いやぁ~、そんなに褒められると困るな。」
アリス姫がミストの首根っこを抑えて、
「頭おかしいのか?褒めてない!」




