第4話 ビジネス、情報公開
小説家になろうで書いた小説がコミカライズされた体験記です。
■ ビジネスの話
契約内容や配信側の仕組みなどは、表には書くべきことではないので割愛します。
相手先は経験豊富な会社なので、契約書のドラフトが用意されていたり、数値がきちんと決まっていたり、安心した感じで進められました。
どれぐらいのお金が動くのかは、実際に配信が始まってみないと分かりません。というか、マンガがヒットするか次第です。
一番時間をかけているマンガ家の方が、少しでも潤ってくれればと思います。
■ 業界による情報公開の違い
これは悩ましかったです。
私はもともとゲーム会社出身なのですが、ゲーム会社は事前広報を重視します。
ゲームが出る数ヶ月前や数年前から情報を小出しにして、公開タイミングまで露出を稼ぎます。そのため、開発途中の素材を、外に見える形で多く出します。
私は独立後、出版社から10冊以上の本を出していますが(小説3冊、技術書10数冊)、出版社系は事前広報を重視せず、事後広報が多い印象です。
出版社系は、本が出る直前までデータがなかったりします。データ作成が完了して、驚くほど短い日数で印刷されて本屋に並びます。事前広報をしようにも、素材がないという状況が多いです。
おそらく出版社系は「本屋に本が並ぶこと自体が広報だった」という歴史的な経緯もあると思います。平置きだと、お店にちらしを並べているようなものですので。
今回は、デジタル系とはいえ出版に近いお仕事です。そのため、数ヶ月前からの事前告知や事前広報という感じではありませんでした。10日前ぐらいから本格的に始まるという感じでした。
コミカライズのオファー自体は去年の7月末に来ていましたが、実際に表に情報を出したのは今年の5月下旬です。ゲーム系だと、この間にかなり広報をしています。
■ 情報公開時期の背景
情報公開できるまでもどかしい思いをしていましたが、やり取りをしていて仕方がない部分があるんだなと思いました。
編集部が全てをコントロールできるわけではなく、配信先プラットフォームとの契約に従わないといけません。それも、ある程度量を書いてから本契約になるようです。
そりゃあプラットフォーム側も、何も現物がないのに配信の契約はできないよなあと。
そして編集部側も、契約前のものや情報をネットに放流するわけにもいかないしなあと。
そうしたわけで、物が整い、契約関係が全て終わり、もろもろの準備が完了してからの情報公開という流れになりました。
もっとはやくコミカライズの話を書けるとよかったんですが。仕方がないよなあと。
というわけで、ピッコマでのマンガの連載が始まったら、読んでいただけると嬉しいです。
『楓先輩がHなネットスラングに興味を持ちすぎてツライ』
漫画:古鳥ろく
原作:雲居残月
(URLは後書きにて)
2025年5月31日からピッコマで読めるそうです。
『楓先輩がHなネットスラングに興味を持ちすぎてツライ』です。
是非読んでください。
作品紹介ページ
https://digicata-pub.jp/c019101/