唯一神が生まれた日
世界が現実時点のお話です。
光ノ神、土ノ神、水ノ神、慈愛ノ神…それぞれがこの世を創る根源的な存在。
そんな彼らの前に一つの存在が片膝をついていた。
「其方、名はなんと申す」
「私は運 営陣という。」
と言いながら運は立ち上がる。
「ほう、して運殿は何を欲す」
運は大きな笑みを浮かべながら「この世界を、あなた方を」と目を見開きながら言う。
「…お主も落ちたな…この世界を救った恩人には申し訳ないが」
光ノ神は慈愛ノ神に眼を向ける。
それに応えるように「私はあなたを、この世界を、みんなを愛してる。だから、あなたを野放しにはできない!」
慈愛ノ神は泣いていた。大粒の涙を流しながら。
≪哀ノ牢獄≫
運は幼くなっており、生活味のある部屋にいた。
それは懐かしく、手には電車のおもちゃが握られている。
トントントントンと音を立てながらキッチンから料理する母が「えーちゃん!もうちょっと待っててね〜」と声がする。
ミーンミーンとセミの音がして外を見る。
窓は開け放たれ夏の涼しい風が吹き込む。
ゴトゴトゴトゴトと洗濯機の音もする。
ウィィィィィィンと他の階に住む人は掃除機をかけてるようだ。
≪再起動≫
幼い声と大人の声が混じりながら発せられた。
「えっ…破られた」
慈愛ノ神の言葉に他の神も俯く運を見つめる。
「なかなか手強いですね。」
と言いながら茶色い眼を神々に向ける。
≪光ノ≪掌握≫
光ノ神より早く運は手を打つ。
神の情報が流れ込み、運は頭を抑えながら痛みに耐える。
神々は運の≪掌握≫を受けやや惚けたが、目醒める。
「危険ね」
≪水≪ハック≫
神々の動きが止まった。
この瞬間、運は創造神となり神々を一つにし、唯一神とし世界を創り変えた。
創造神はこの世界で始まりの神【唯一神】と崇められ、世界の言動は著しく制限された。
世界を創り変えた瞬間、世界に暗闇が訪れた。
この瞬間天歴0日となった。
慈愛ノ神の大粒の涙は地上に降り注ぎ、日照り雨となっていた。
この日を記録した日記は一つのみ。それを天歴以前の手記【歴然日記】という。
しかし彼らは、そして神々は諦めない。<<<私たちは縛られない!諦めない!生きている!>>>と。
また一人この世界を訪れる。
≪あら、おはよう≫
運 営陣は、人工言語の能力者です。プログラミング言語魔法を使用します。
慈愛ノ神の、哀ノ牢獄は戻りたい、戻れない過去に閉じ込める能力です。
あなたを愛してるからこそ、あなたが幸せであってほしい。
という設定です笑。