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決定的に何かが違う世界でも  作者: リクルート
17 ひきこさん
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ひきこさん 1

「事情は分かったけど、一日守るなんてことは出来ないよ。それぞれ学校があるし小学校に侵入して、ずっと近くにいるなんてことは不可能でしょ」


 菜乃花は難しい顔をしているだけで、話を進めようとはしていない。竜花と会話できるのは白希だけ。菜乃花が黙ってしまうのは、おそらく蓮花がこの部屋に戻ってきていない空だろう。蓮花は死んだわけではないのだが、この部屋に戻ってきてないことは彼女にとってはかなり答えてるようだ。それに加え、猩花もこの場所に戻ってこれなくなるかもしれないとなると、正気でいられなくなるだろう。まだ、ヒステリックに叫んだり、猩花や蓮花を監禁状態にしたりしないだけ、まだましなのかもしれない。やはり、今、朝野姉妹を支えられるのは部外者である白希のみであった。竜花も猩花も菜乃花も、彼に頼り、問題に対処するしかないのだ。


 白希は竜花の聞いた情報を考得ると、彼女の聞いた予知は回避できる死。と言うことは、必ず死ぬというわけでもない。そして、回避できる死と言うのはおそらく予言の超能力が発動した時点での未来の話をしているのだろう。つまりは、猩花が死ぬとすれば、誰も周りに死に目に会った時に助けられる人がいないということになるだろう。つまりは、学校にいる間にそういう目に遭うというのは考えにくい。何せ、学校の敷地内であれば、大抵の場所に人はいるだろうし、それぞれの建物には保健室のような設備がある部屋が必ず一つはあるのだ。そして、商店街も外すことが出来るだろう。あの通りは店が閉まらなければ必ず大人が通りを見渡していることになる。全ての店が閉まった後に行かなければ、問題ないだろう。昼に言ってもオカルトがあの場所に出てくればその限りではないだろうが、それは学校でも同じことだ。オカルトの化け物自身が作った空間に引きずりこまれて、そこで命の危険に晒されるとすれば、この世界のどの場所もおそらく安全な場所にはならない。


(結果的にはどこも猩花のための安全地帯にはならないってことか)


 おそらく、この朝野姉妹の部室の中が一番安全だろうが、それも完璧じゃないというのはこの前戦った赤いドレスの超能力者がこの部屋を攻撃してきたことからも明らかだ。あれ以上の超能力者やオカルトの化け物がいないと考えることは全く出来ない。オカルトも超能力者もどれだけ弱いかを考えることは無意味にだろう。それならば、強いことを想定して策を練った方が良いに決まっている。今回の猩花を殺すかもしれない相手はどんな相手なのかもわからない。それどころか、人が起こす現象かもわからない。わかるのは回避できる死であり、おそらくは対処の方法があるということだけである。


 そして、竜花の死に関しては、おそらく猩花の死に関するものだろう。猩花が何かに襲われたり、死に関する現象が起きたりしたときに彼女は身を挺して猩花を守る。その様子は容易く想像できる。竜花が死んでしまうと、猩花は死ぬことに対して抵抗しなくなるだろう。彼女の死が自分のせいだとすれば、自分を責めてしまい、自ら死を選ぶかもしれない。そうなれば、悲劇なんて物ではなくなる。やはり猩花を守ることで竜花も守ることに繋がるのだろう。


 彼は考えを巡らせて、一度でた結論を竜花に話した。そして、彼女はそれに反対することもなく、頷いて聞いていた。それから猩花も呼んで、理由は明かさずに、舞地に学校が終わった後には必ず部室に来ることを約束してもらう。そして、人通りの少ない場所にはいかないことも約束させた。超能力者と言えども、意識の向いていない場所から攻撃されれば、超能力を発動する前に殺されるだろう。そして、人通りが少なければ、攻撃される可能性も高くなるはずだ。


(いや、ここに来てもらうより、迎えに行った方が良いか?)


「竜花、僕が中学校まで迎えに行くのは嫌?」


「え、迎えに来てくれるの?」


 彼女は中二病の時のようなクールな雰囲気を一切なくして、嬉しそうにそう言っていた。すぐに素に戻ったことに照れて、咳ばらいをした。


「む、迎えに来てくれるのは大歓迎だよ」


 言い直しても赤くなった頬までは隠せない。それが可愛らしいと白希は思った。竜花を迎えに行った後に、猩花を迎えに行くことにしようと思い、彼女はそう言おうと思った。


「じゃあ、猩花は私が迎えに行きます」


 意気消沈しているのは変わらないが、姉妹のことを心配しているのは間違いないようだ。猩花を迎えに行くのは彼女に任せてもいいだろう。意気消沈しているとは言え、菜乃花だって弱いわけではない。ただ、ヴァンパイアになるという超能力が太陽が出ている内から強い能力を発揮できるのかはわからないが、猩花の迎えは彼女に任せることにした。

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