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決定的に何かが違う世界でも  作者: リクルート
16 竜花の友達
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竜花の友達 4

「君たちは誰だい?」


 竜花はその二人に驚くこともなく、いつもの演技じみた口調で二人に言葉をかける。男子使途は少し間を置いて、短く言葉を発する。


「朝野猩花、とはあなたたちの妹で間違いないかな……?」


「ああ、ボクの妹だが、君のようなヒトが何のようだ?」


 朝野姉妹は竜花に限らず、妹や姉に接触するために利用されることもある。それが姉を紹介してほしいというのならまだ警戒心もそこまで抱かないのだが、妹に接触するとなると話は変わる。特に猩花や竜花を紹介してくれと言われた場合は、菜乃花も蓮花も紹介することはない。そして、竜花も猩花のことを紹介してくれと言う人は少ないが何名かいた。目の前の男もその手合いだと思い、警戒心が最大に引き上げられる。後ろの女子生徒も気になるが、猩花に接触しようというのなら、その前に自分のところで話を止めようと考えていた。


「その、とても言いにくいんだけど、もしかしたら、近いうちに命の危険があるかもしれないんだ。その、なんでと訊かれても答えることは出来ないんだけど、その。それと、朝野竜花も近いうちに死の危機に瀕するかもしれない。周りだけじゃなく、色んなものに注意して過ごしてほしい。一か月くらいそうしてれば、大丈夫なはずだから」


 男子は彼女に言葉を挟めないような早口でまくしたてる。後ろの彼女は終始不機嫌そうな顔をしている。竜花は彼の言っていることの一部しか頭に入っていない。だが、それが頭に入っているそれはその言葉が衝撃的だったからだ。


(猩花が、死ぬかもしれない?)


 会ったこともない男に言うことなど信じる必要はないだろう。だが、彼の言うことはなぜか正しいような気がしていた。そもそも命の危険となれば、オカルトなどと戦うときにはそれだけで命の危険が出るだろう。物理的な攻撃をしてこなくとも、精神を攻撃してくるオカルトも沢山いる。彼らはそれを知らないはずだ。それでも何の予言か知らないが、そんなことを言っていた。確かに今、オカルトが出現しても、蓮花が協力してくれるかわからない。オカルトを相手に三人しか戦えないとなると、猩花が死ぬかもしれないというのも、否定しきれないだろう。白希とはずっと一緒にいるというわけでもない。蓮花のテレポートがないということは、もし白希が離れている状態で、オカルトと戦うことになれば、町中を探して彼を連れてこないと戦闘を手伝ってもらうこともできないだろう。彼が援護に来るまでに、自分たちがオカルトに負けて、死んでしまう可能性は大いにあった。


 彼女が思考を巡らせている間に、男子生徒と女子生徒は彼女の前から移動して、玄関を出ようとしていた。だが、今度は竜花がその二人の呼び止めた。


「君の言う予言が本当なら、ボクらはどうあがいてもその未来を変えることはできないんじゃないのか?」


 呼び止められた彼は顔だけで振り向いて、彼女と視線を合わせた。


「いえ、ジブンの予言は回避できる死を回避しない場合に死ぬ人の名前が思い浮かぶ程度のものだから。だから、ジブンが朝野猩花、朝野竜花の名前が浮かんだってことは、二人の死は回避する手段が一つ以上はあるということだと思う:


「ボクらはいつ死ぬかもしれないんだ」


「ジブンはあくまで名前が浮かぶだけですから。ただ、翌日に死ぬかもしれない人は確実にわかる。貴方たちは、そこまでじゃない。経験上、そう言う人は明日明後日に回避できる死には遭わないはず」


 彼の自身の能力の説明はまるで自分の超能力を説明するときのような雰囲気があった。それはおそらく彼女が超能力者だからこそわかる雰囲気なのだろう。


「……君は、予言の超能力を持つのかな。もしかすると、そこの女子生徒も超能力者と言うことなのかな?」


 彼女は男にそう訊いている間に、彼の後ろにいた女子が彼の肩を叩き、彼を振り返らせた。そして、彼を振り返らせた女子生徒は竜花の方へと鋭い視線を向けていた。ようやく、そこで彼女は踏み込みすぎたと理解する。一般人もいる可能性の高いこの場所でそんなことを訊くべきではなかったと思いいたる。だが、その反応からすれば、二人は超能力者なのだろう。それ以上、竜花は二人に話しかけることはなう、猩花が死ぬかもしれないという言葉が彼女の頭の中で大きな存在感を放っていた。


(あの二人は何者? それより、猩花を守るのが先かな)


 彼女はそんな疑問を持ったまま、部室棟に移動して、自分たちの部屋に入る。中に既に白希を含めた他の三人がいた。そして、彼女は今あったことを菜乃花と白希に話す。猩花には直接は言えなかった。自分の妹にもうすぐ死ぬかもしれないなんて言えるわけがなかった。

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