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決定的に何かが違う世界でも  作者: リクルート
41 怪奇怪異全書
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42 終幕

 白希は怪奇怪異全書をその場に放置していると、また他の人に悪用されかねないと思い、自身の物を入れる超能力を使いその中に入れた。男の言ったことに従った彼は、その倉庫を後にする。その足で彼は朝野姉妹のいるであろう部室棟へと戻ることにした。猩花や他の人たちは無事だとは思うが、彼は部室棟に戻る前に商店街によることにした。戦った後で、何か食べるものでも買いたいとも思っていたので、ちょうどいいだろう。


 商店街に入り、猩花がいないかを探したが、猩花らしき人影は全く見えない。さらにフレイズも一緒にいるはずだが、彼女の気配もそこでは感じなかった。とにかく、白希は和菓子店に入り、最中と饅頭を購入して部室棟へと戻ることにした。


 学校の敷地内に入ると、そこには蓮花と猩花がいた。二人並んで、部室棟へと行こうとしているのだろう。白希が二人に声をかける前に前の二人が気が付いて、彼に手を振っていた。すぐに二人に追いついて、一緒に部室へと移動することにした。フレイズも猩花と共にいたようで、彼女も無事だ。


 それから部室棟につくと、建物の横に夕来が立っていた。ミストと何か話しているようだったが、白希が近づいてくるのを見つけると、彼女は少し照れた様子で彼に手を振った。そのまま、四人で朝野姉妹の部室の中に入るとそこには、既に菜乃花がいた。彼女は珍しくベッドで眠っていた。竜花も白希が出て行った時と変わりなく、漫画を読み続けているが、その表情は多少疲れているように見えた。漫画の読みすぎかと思ったが、竜花がその程度で疲れるわけがないので、何かあったのかもしれない。そして、その竜花がみんなが入ってくることに気が付くと、漫画を閉じて、お帰りと一言言った。


 それから、彼の勝ってきた和菓子を全員にふるまう。フレイズと猩花が好きな饅頭がかぶっていたようで、数はいくつかあるが、二人で分けて食べていた。竜花も饅頭を食べて、少し元気が出たのか、再び漫画を開いて読み始めていた。菜乃花は一瞬だけ目を開けて、皆の様子を見ていたが、全員が無事なのを確認すると再び眠った。彼女は直能力を乱用しすぎたせいで、疲れが出てしまったのだ。少し眠れば体力も回復するだろう。蓮花は、皆が白希の買ってきたものをとっているのを眺めていた。皆がとったのを確認して、彼女は白希と同じ最中を手に取った。白希が今食べている最中が気になり、同じものを手に取って食べていた。彼がたった今味わっているものと同じものが食べられるというのがどこか嬉しかった。夕来は、ミストと饅頭を半分にして食べていた。前よりも中が良くなっているのか、二人ともあまり笑顔を見せないが、お互いに話しているときは笑顔だった。


 結局、オカルトの根源自体を叩いたわけではなく、この町にオカルトが多く出現する原因を封じたに過ぎない。オカルト自体は消滅していないし、人が噂を続け、その記憶がある限りはオカルトは消滅することはないし、新しい話が生まれれば、それに対応する化け物が出現するのだろう。


 それらと対峙するのは、おそらく彼女たちであるかもしれないし、もう二度とこの町にはオカルトは出現しない可能性もある。


「でも、僕はこの光景をずっと見ていきたいかな」


 彼は最中を食べながら、各々が自由に過ごしている様子を見ながらそんなことを呟いていた。

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