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征服者 5

「オレノ力ヲ見セテヤロウ!」


 敵は右手で左手の袖の辺りに手をやった。すると、左手の袖の辺りから長い棒が伸びてきた。相手はそれを右手で握り、引き出した。その棒を縦に持つと、その棒から左右に淡く青に光る半透明な剣身が出現した。その刃は蜥蜴人間が使っていた槍の先端に使われていたものと同じものに見えるが、その大きさは蜥蜴人間の槍とは比べ物にならない程に大きい。彼らのボスと言うだけあって、その武器もエイリアンたちの持っていた武器の上位互換のような物なのだろう。


 敵は青い刃の大剣を一振りするだけで、周りの木々が一瞬でなぎ倒された。一撃の強さがすぐに理解できるほどの武器であり、それを振り回せるほどの力を持っていることはそれを見るだけで理解できた。


 白希たちはその剣だけでも脅威だというのに、敵にはまだまだ攻撃手段を隠していたようだった。


「来イ! リコル!」


 敵の手や足、背中から一部のパーツが外れて、敵の周囲を浮遊している。それが何かわからないが、敵の武器であることは理解できる。


「コンナモノデハナイゾッ! フルライトレーザー!」


 敵の体から、白く光る球が出現した。それは球体の機械だ。一つの球体が周りの木の一本と接触した。その瞬間、周りの木々を巻き込んで爆発した。爆発とは言っても音は一切なく、光が一瞬にして広がり、そこにあったはずの物を全て消滅させていた。周囲にあるもの消失させる効果のあるものだ。超高温で全ての物を一瞬で蒸発させているようで、光が消失した後も、熱が空間を歪ませていた。


「エネルギーハエラレナイガ、貴様ラを殺シタ後デ他ノ者からエネルギーヲイタダクトシヨウ! サァ、迷ワズ地ニ還レ!」


 敵の周囲を浮遊していた機械が白希と菜乃花の方へと移動していく。相手は自分に攻撃してきたのは、二人だけだと考えているのか、他の三人には攻撃が向かうことはなかった。


 二人の元に向かった浮遊する機会が二人を四方八方を囲むように展開していた。近くで見れば、自分たちに向いているのが、銃口だと気が付いた。その銃口が二人に狙いを定めると、白いレーザーが二人を狙って発射された。しかし、そのレーザーは本体が使うほどの威力はなく、白希の土の魔法や菜乃花の血の盾で十分に防ぐことが出来る威力だった。しかし、その量は純情ではなく、彼らから攻撃する隙が無い。囲まれているという状況が彼らに攻撃する隙を与えてくれない。それでも何とか攻撃しようとしているのだが、攻撃の魔法を使おうとすれば、そこに攻撃が集中する。全ての攻撃が片方に集中すれば、どちらかが囮になることもできただろうが、いくつかは攻撃をしていないもう片方にもレーザーを発射している。どちらかが囮になることもできない。二人の動きは完全に封じられていた。




 二人がレーザーに狙われている頃、猩花は小太郎と人形に戻して敵に近づいていた。白い球体の効果は見ていて、どうなるか理解しているが、彼女は前に進んでいく。敵の周りには木々がなぎ倒されていて、隠れる場所などはなかった。そこから、彼女は小太郎と大きくして、彼に乗り相手に向かって前進した。白い球を避けながら、猩花はすぐに敵の前に移動した。小太郎が腕を大きく引き下げて、思い切り前に着きだして敵にパンチした。しかし、その効果は全くないようで、敵は見向きもしない。それでも、小太郎は敵にパンチし続けた。何度も何度もパンチをしているとついに敵の視線が二人の方に向いた。


「ナンダ、貴様モオレノ邪魔ヲスルノカ。ダガ、ソノテイドノ力デドウスルツモリダ。ハハハハハハハ!」


 敵はそう言い放つと、小太郎と蹴り飛ばした。幸いにも白い球体は二人の近くにはなかったため、小太郎も白い球体に当たることはなかった。小太郎はすぐに起き上がり、猩花の元に駆ける。それを見ていた相手は、小太郎にとって大切なものが猩花なのだと気が付いてしまった。


「ハハハ! 愚カナ! 貴様ノ前デ、コイツヲ殺シテヤロウカ?」


 敵の手が猩花を掴もうと伸びていく。小太郎は先ほどよりも速く走る。いや、二足ではなく、四つの足を使い、さらに速度を上げた。一瞬でその距離を詰めて、猩花に延びていた手をタックルで弾き飛ばした。


「ハハハハハハハハハ!」


 相手が何に笑っているのかわからないが、彼女はピンチを脱することが出来たらしい。しかし、それでも劣勢であることには変わりない。白希も菜乃花も動けない。蓮花と竜花も連携して攻撃の準備をしている。この敵の本体と戦えるのは猩花しかいないのだ。猩花はそれに気が付いている。折られていない木々の中に蓮花ト竜花が何かしているのをみた。菜乃花と白希が宙に浮く銃と戦っているのも見ていた。自分しか戦える人がいないというのは理解していても、明らかに自分には、この敵を相手するには力不足。それでも、彼女は諦めることはなかった。

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