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時空探査記

作者: 赤城真髄

初投稿です。

温かい目で読んでください♪(殴

裕翔(ゆうと)くん、気をつけて」


 白衣を着た女性、高野美咲が俺に言った。


「あぁ、必ず過去を変えてくる」


 俺はそう言うと、目の前にある機械に乗った。

 必ずこの荒んだ世界を変え、明るい未来を作り出してやる。

 機械を起動させるための操作を行うと、目の前が真っ白に染まった。


 全ては25年前、高校2年の夏から始まった。






ー25年前ー


 夏はやはり暑い。

 この国の湿度の高い暑さには、中々慣れることが出来ない。


「裕翔! 今日の放課後に公園行こうぜ!」


 パーマがかった茶色い髪で、肌が少し焼けている男が言った。

 俺のクラスメート、2年3組の佐々木祐介だ。

 彼とは、中学生の時から友達で、よく一緒に遊んでいる。


「公園に行ってどうするんだ?」


 正直こんな暑い日に、太陽の照りつける公園に行きたくない。行くのなら、クーラーのよく効いた涼しい部屋が良い。第一、この年で公園に行ってやるような事は何もないのだ。


「公園の奥の方に、大樹があるだろ?あの辺、木がいっぱいあって林みたいになってるから、虫取りでもしようかと思ってさ」


 この男ときたら、高校生にもなって虫取りをしようとしている。一体こいつの精神年齢は何歳なんだか。


「安心しろって。何も2人きりとは言ってないだろう?」

「2人とかそういう問題じゃない」


 2人きりではないなら、他に誰が来るのだろう。


「誰が来るんだ?」

「写真部の寺岡さんと科学部の高野さん、新聞部の田中が来る」


 写真部の寺岡真美、彼女の撮る写真はよくコンテストで優勝している。曰く、彼女の撮る写真には魂が宿る。

 科学部の高野美咲、何の研究をしているのかは知らないが、よく理科室を爆破している。

 新聞部の田中彰、月に1回新聞を出しているが、彼の書く新聞は新聞部の書く新聞の中で1番の人気を有している。

 

 1人まともでは無い人が居たがそれは置いておこう。

 そんな人たちが何故、虫取りなんかに参加するのだろうか。


「祐介、その3人は本当に虫取りに行くのか?」

「虫取りするのは、俺とお前だけだ」


 確か虫取りをする話をしていた筈だ。

 流れ的に2人で虫取りをするんじゃなくて、他の3人と一緒にするのだと思っていたのだが....


「寺岡さんは植物の写真を撮るからで、高野さんは実験に使える物を探しに、田中は高校生にもなって何を捕まえるのか気になるから一緒にいくってよ」


 1人を除いて、一緒に行く理由が全く虫取りに関係ない。


「まぁそういう訳だから、放課後な」


 そう言うと、祐介は教室から出て行った。

 まだ、行くとも行かないとも言っていないのに....用事はないから別にいいのだが。

 

〜放課後〜

 俺は、約束していた公園の大樹へ向かった。

 既に大樹の周りには、4人の学生が集まっていた。


「遅かったな、裕翔」


 祐介が言った。

 実は、図書館で借りたい本を借りていたので、少し遅くなってしまったのだ。

 その旨を伝えようと一歩歩いた瞬間、ドゴゴゴゴゴと大きな音が鳴った。


「あれ何だ」


 田中が指差した方向を見ると、大きな機械が大樹の枝の間に挟まっていた。


「これ撮ったら、いい写真になる気がする」

「何かしら、この機械。分解してみたいわ」

「新聞に載せたら、好評間違いなしだ」


 誰も驚いていない。さも機械が落ちてくるのが当たり前かのようだ。


「何だ....あれ、何でこんな機械が....」


 祐介が言う。

 良かったまともな奴がいて。

 そんな事を思っていると機械の扉のような物が開き、中から人が出てきて俺たちのすぐ側に着地した。

 上を見ると既に謎の機械は無くなっている。


「お....は....み....を..........き....」


 喋ろうとしているが、何を言っているか分からない。

 謎の人がもう一度喋ろうとしたその瞬間だった。機械の中から出てきた人の後ろに暗闇が広がった。その闇が機械の中から出てきた人を飲み込み、やがて消えた。


「これ何だろう」


 祐介が言った。

 見るとそこには小さなカプセルのような物が落ちている。

 俺がそれを拾おうと手を伸ばすと、


「駄目よ、酒井くん」


 そう高野に止められた。


「よく見て、タイムマシンって書いてあるわ」


 高野が言う。


「それって大発見じゃねぇか!」


 祐介が騒ぎ、田中は「新聞に載せたらなぁ」とはしゃいだ。


「ダメよ、触れるのも世間に公開するのも」


 そう高野が言った。


「もし仮に本当に此れがタイムマシンだとすると、歴史が変わってしまうわ。この大樹の近くに埋めて、誰にも見つからないようにしましょう」


 俺たちは高野の意見に同意し、大樹の近くに深い穴を掘り、カプセルを埋めた。



ー現在ー


 あれからどれだけの時が経った頃だろうか。

 高野と俺は科学者に、田中は記者に、寺岡は写真家に、祐介は建築家になっていた。

 そして....タイムマシンの開発が世界各国で始まった。

 俺と高野も研究に打ち込んだ。

 タイムマシンの開発はそれから更に進み、俺と高野の所属している研究所が遂に完成させた。

 完成したタイムマシンを巡っていくつもの国が戦争をしている。

 この国も例外ではない。何せタイムマシンを最初に開発したのはこの国なのだから。

 

 俺と高野の所属する研究所の作ったタイムマシンは国に回収され、俺たちはタイムマシンを所持していなかったが、あの日あの公園の大樹の下にタイムマシンを隠したのを思い出した。昔、あの場にいた5人で掘り起こし遂にタイムマシンを手に取った。

 俺と高野以外は、家庭を持っていたため、この戦争を止めるという任務を任せられない。

 高野と話し合った結果、俺が過去へ行くことになった。燃料はまだ残っていたため、掘り起こした日から5日後、今日俺は旅立つことになった。


 帰ってこられるかも分からない。もしかしたら、生きて帰られないかもしれない。だが、戦争を起こさせないため、タイムマシンが作られないようにするため、俺は過去へ行くのだ。

 戦争によって多くの人々が亡くなった。こんな世界を変えてやる。


 そんなことを考えていると、ドゴゴゴゴゴと音が鳴り目的地に着いた。

 目的地は25年前のあの公園の大樹にしておいた。5人全員が揃っているからだ。

 タイムマシンの扉を開き、カプセル状に縮め俺は5人の近くに着地した。


「お....は....み....を..........き....」


 俺は未来を変えに来た、そう言おうとしたが上手く声が出ない。もう一度喋ろうとすると俺の後ろに暗闇が広がった。

 ああ、そういうことだったのか。俺たちが見たあの光景は....。

 暗闇に飲み込まれたかと思うと、意識が段々と消えていった。

最後までお読み頂きありがとうございました。

もしかしたら、連載になるかもです(o^^o)





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