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キンギョソウ・裏

作者: みあ


幼馴染の君は、いつもどこか強がっていた。

悲しい時も、辛い時も、苦しい時も、目が合えば笑っていた。

どうして、そこまでして弱い自分を閉じ込めるのか幼い僕には分からなかった。

正直に言うなら、今も分かっていない。

感情がないわけではなく、表現するのが苦手と言うわけでもなく、笑顔でいることが多かった。


嬉しいことがあれば、素直に喜んでいた。


悲しいことがあれば、独りで泣いたのか目が腫れていた。

どうやら痒くて擦ったら腫れたらしい、そう分かりやすい嘘を言った。


大切にしていたものが、壊されてしまった。

それなのに君は怒ることも、悲しむことも表に出さなかった。

たとえ故意に壊されていたとしても。


そこまでして、表に出さない理由は分からない。

ただ、一度だけ、表に出した。



――普通の家族って、なんだろう――



きっと、それが答えなのかもしれない。

話を聞いてくれる、どこかに連れていってくれる、そんな家族。

君は実在するとは思ってもいなかったのだろう。


身だしなみが悪いわけでもない。

常に空腹であるわけでもない。

きっと周りからみれば、「普通の家族」なのだろう。


だけれども、彼女からしたら……話は別になる。



だから僕は決めた。

無理した笑顔の君を、見たくなくて。

泣くのを我慢する君を、見たくなくて。



笑顔でいてほしい。

何があったのか話さなくてもいい。

その代わりに、僕の話を聞いてほしい。


こんなことがあったの。

こんな話を聞いたの。

この人はあの人をこう言っていたけれど、僕は素敵な人だと感じている。


君にたくさんの話をした。

そのために、僕はいろんなものを触れた。

いろんな人と出会った。



きっと君以外にも、同じような人はいるだろう。

だから僕は、いろんな話をしよう。

話す必要はないけれど、僕の話を聞いて、と。



君の笑顔が、見たいだけ――……。



先に投稿した相手のことを考えていたら、このような人なのかな……と。

「なんで?」「どうして?」と心配しているのかもだが質問攻めする人はたくさんいる。

でも「話さなくていい」と話すタイミングを相手に任せてくれる人もいる。

どちらも相手を想っての行動だろうね、難しけれど。

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