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※呼びません。  作者: 夕我或(ゆふがある)
1/1

※多分呼びません

タイトルしかない小説があるってマジ?


突然耳に入ってきたその噂話は私の興味を引くものだった。

てか、小説に見せかけた何かだよそれ。タイトルしかないんだから。詐欺だろ。


今、それが結構売れているらしい。いや、マジでなんでだよ。

話を聞くところによると「呼びません」というらしい。


いや、何を呼ばないのだろうか。友達を家に?魔王が勇者を?それとも名称だろうか。

どちらにせよ、気になる一品である



ということで今日の放課後、買いに行くことにした。



ところで、小説は電子で読むか紙で読むかが議論に上がることがある。というか、高校の授業なんかで季題にされることが多いだろう。かなり手ごろなところだと思う。ちなみに私は紙派だ。異論は認める。


何でそんなことを言い始めたのかというとなかったのである。呼びません。近くの本屋に。近くに本屋は5件くらいあるのに。


そんなのってないよ。

ちなみにG〇〇gぇストアにもなかった。


てことは電子界にも存在しない…?


じゃあ、あの噂は嘘だったのだろうか。

タイトルしか、存在しない、小説。もう意地でも見つけてやりたいわ。


あ、ほかにも読めるところがあるじゃないか。


そう、小説創作サイトだ。私はこれを電子とは別ジャンルだと思っている。横書きと縦書きの違いはやばい。何がやばいって慣れがやばい。


ただ、少し疑問がある。


サイトによって制限があったりする。というより0文字で出せるところなんてないと思う。

なろうなんかだと制限はないけども、よくお世話になっているサイトなんかだと1000文字以上書かないと投稿できないなんてのがある。


なんといってもタイトルしかないのだ。中身がないのだ。まるで私のようだな。悲しくなってきた。

というわけで探してみる。呼びません。


引っかかるのは、お母さんとは呼びません、とか主人公とは呼びません。とか説明欄で書かれているものばかり。でも一つだけあった。タイトルが、※呼びませんとなっているものが。

なんだこの※は。


中身には、とある本を探す一人の少女の話となっていた。タイトルしかないんじゃないのかよ。

なんだろ、なんか、似たような境遇だなあ、と思いつつも、スクロールをしていく。

その子もタイトルしかない小説を探していったようだ。


本屋、電子を探しても見つからない。ようやっと見つけたのは小説投稿サイトだった――。


「待ってこれ今日の出来事じゃん!」


ちなみにそこから先は書かれていなかった。白紙である。


いや、本当になんだこれ。他人に書かれている日記のようなものがここまで気味が悪いなんて。

すぐにスマホをホームボタンを押してブラウザを終了する。


好奇心猫を殺すとはよく言ったものだ。

でもこの状況はそう呼ぶのだろうか。


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