表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/32

 シリーズ設定、思ってたのと違った。

 そっか、こんな風になるのか。

 そのまま、書いても良かったじゃないかΣ( ̄□ ̄;)

 (題名を考える手間が増えちった。。。くすん)


 シリーズ最初の話は『月と星と雪』です。

「さて、どうやって忍び込むか……」

 しんと静まりかった、春の終わりの真夜中。暗闇の中で、三つの影が(うごめ)く。

 春の花の甘い香りが、夜風に紛れて、ふわりと舞う。


「ここの主は今晩、藤見の宴へ呼ばれて、ここにはおりませぬ」

 ほほほと、声の主は笑う。


「しかし、主がいないとしても、(しもべ)どもがおるではないか」

「いいえ! (しもべ)など、主の命なくば、ただの木偶の坊ですわ。……忍び込むには、主のいない、今のうちしかございません」


 影のひとつである姮娥(こうが)は、美しい天女の姿をしているが、その実はガマガエルである。

 顔をしかめながら、喉をグルグルと鳴らした。


「確かに、今しかないでしょうね……」

 玉兎(ぎょくと)が長い耳を揺らしながら、困ったように答える。


「そもそも、我らが宝玉を盗んだのは、ここの主。我らはそれを取り戻すだけじゃからな……」

 鼻をヒクヒクさせながら、鉄鼠(てっそ)も、二人の意見に同意する。


「ならば、今日、ここへ忍び込むと言うことで、異論はございませんね……?」

 姮娥(こうが)が二人に念を押す。


「しかし、(しもべ)が手を出さずとも、結界が張られていては、手も足も出せぬのではありませんか?」

 玉兎(ぎょくと)は情けない声を出す。


「心配には及ばぬ。我らが仲間にかかれば、結界など簡単に(かじ)って見せようぞ」

 ガチガチと歯を噛み合わせ、雄牛ほどの巨体を揺すりながら、鉄鼠(てっそ)が笑う。


「おお、心強いこと……」

 ほほほと姮娥(こうが)が微笑むが、目が笑ってはいない。

「しかし、抜け駆けは許しませんわよ……」

 ギロリと鉄鼠(てっそ)を睨む。

鉄鼠(てっそ)はいつもそう! (わたくし)達の目を盗んで、一人占めしようとするのですから……っ」

 グゲッと喉から、変な音が漏れる。


「そうですよ! この前も、せっかく見つけた蜜柑の木を、全部(かじ)ってしまうなんて!」

 玉兎(ぎょくと)が鼻をヒクヒク動かす。


「ご、誤解だ誤解だ……。あれは我ではない。あやつらが勝手にしたこと。我ですら、食べてはおらぬ……」

「本当ですか!?」

「ほ、本当だとも……!」

「本当、でございますか……?」

 姮娥(こうが)がギロリと睨む。

 鉄鼠(てっそ)は、目を泳がせる。

「ほ……本当は、……一口……(かじ)った……」


 その言葉に、二人が冷たい目を向け、のけ反る。

「や、やっぱり……どうしてあなたはいつも、そうなのでございましょう……!」

「きっと、前世で騙されたのが運のつき……」

 呆れた玉兎(ぎょくと)の言葉に、鉄鼠(てっそ)は頷く。


「そ、そうじゃ。そうじゃ。……全ては……」

「「あなたが悪い!!」」

 鉄鼠(てっそ)の言葉に被せるように、二人は同時に唸る。

「うぐぐぐ……」


「とにかく、一人占めはダメですよ!」

「わ、分かった。ちゃんと、分かっておる!」

「二回言うのは、分かってない証拠です! 姮娥(こうが)! やはり鉄鼠(てっそ)は信用出来ません!」

 玉兎(ぎょくと)が自分の、ふわふわの尻尾を怒りに任せ、ビシバシと振る。

「そ、そんな」

 情けない声を出す。


「しかし、鉄鼠(てっそ)がいなければ、結界は解けませんわ……」

「その通りだ! その通りじゃ、姮娥(こうが)!!」

 鉄鼠(てっそ)に、冷たい目を送りながら、姮娥(こうが)が提案する。


「もしもまた、裏切ったら、この家の柱に縛って置いて帰りましょう」

「……えぇ!?」

「裏切らなければよいのですよ……? それとも、出来ないと……?」

 玉兎(ぎょくと)からも冷たい眼差しを受け、鉄鼠(てっそ)は唸る。


「そ、そんなことはない……っ! それならば、我は宝玉には触れぬ!」

「「!?」」

 二人が純粋に驚く。


「我らは、結界を解いたらその場に留まる! 後は主らに任せる!」

 腕組みをし、ぐうんとのけ反る。

 長い尻尾をバシバシと振る。


 姮娥(こうが)玉兎(ぎょくと)は顔を見合せ、頷き合う。

「了解しましたわ……。それでは、今回は鉄鼠(てっそ)が結界を解き、(わたくし)玉兎(ぎょくと)で宝玉を取り返しますわよ?」


 姮娥(こうが)の言葉に、二人が頷く。

「追手に捕まりそうになったら、どうしますか?」

 玉兎(ぎょくと)は不安げに訊ねる。

「それでしたら、玉兎(ぎょくと)(わたくし)で、宝玉を交代に持って逃げて、追手を巻きましょう」

 二人が頷く。

「五条大橋まで逃げ切れれば、後は(わたくし)(しもべ)達が、どうにか致しますわ」

 ニヤリと笑う。


 雲の合間から月が顔を出し、辺りを煌々と照らす。

「ふふふ。お月様も、(わたくし)達を見守ってくれていますわ……」

 姮娥(こうが)が、ぐげげと喉を鳴らした。

 ただいま爆走中w

 もう、他の人は関係ないのです。

 私が楽しんで書ければ、それでいいじゃない!

 ……と、思うことにしました(゜ー゜*)

 うん。図太くあれ……!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 1/1 ・ヒャッハー、暴走じゃー。 [気になる点] えーと、ショタ、じゃない。牛鼠!? [一言] シリーズ設定はですね。似たような小説をまとめるイメージですかね。思ってたのと違うの分かり…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ