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暗雲

なぜだ…何故なんだ……!


クリストファーは1人執務室で頭を抱えていた。



あれから魔力の歪みに対応するチームで更にそこから4人1チームの小隊を作り歪みの除去していってるのだが、それ以上に増え続け対応しきれなくなっていた。


そもそも歪みを生み出す原因が分からなければ、ただチームが疲弊するだけ。


それでチーム内の学識ある人間達には研究を進めてもらっていた。

その中にはリーナスの姿もあり、色々調べてもらっているのだが今のところ何も成果は得られていないようだ。



…コンコン


「…入れ」

クリストファーが入り口に目をやって入るよう促した。

扉が開かれ中に入ってきたのはリーナスだった。寝不足や疲れからくるものからか顔色があまり良くない。



「ごめんなさい…思うような成果は得られませんでしたわ…」

「そうか…」


クリストファーは椅子に深く座り天を仰いだ。

クリストファー自身も顔色が悪く、そのまま放っておいたら倒れてしまいそうだった。




「クリス様、見回りがてら街に出て気分転換でもいたしませんか?」


「今とてもじゃないが、そんなことをする暇は…」

そうぼやけば、リーナスがガシッとクリストファーの手を両手を握り

「こういう時だからですよ!スランプに陥ってるときは外の空気を吸わないと新たな考えも浮かびません。今までひたすらここで頑張ってきたんですもの、そのやり方をちょっと変えて違う方面から見れば今まで浮かばなかった案も浮かんでくるかもしれませんわ!」


リーナスは不敵に笑ってクリストファーを励ました。


彼女自身疲れているだろうに目は力強く輝き、自分の婚約者を精一杯支えようとするリーナスの健気さを見てクリストファーは自分の婚約者がリーナスで本当に良かったと思った。






~~~~~~~~~~


軽く変装して街に来た。




最近は学園も休んで歪みについての研究に明け暮れていた。

調べものが捗るようにと今は寮ではなく王城で生活している。


ルーファスやマリアも歪みについて対処に当たっていて、ルーファスも学園を休学して屋敷で過ごしながら歪みを対処している。マリアは一応特待生の様な扱いなので学業を疎かにさせて成績を落としては可哀想だという計らいで休学はしていなかった。


マリアは「私もリーナス様のおそばで研究をしながら勉強したかった…」と最後まで渋っていたがクリス様がどうにか説得してくれたようだった。




そんなこんなで私は何とかクリス様を引っ張って街に来たわけだが、クリス様の顔色も悪いし何か元気の出る食べ物か飲み物はないだろうか…と色んなお店を見ていた。


「…そういえば最近忙しくしていてリィーにプレゼントも何もやってなかったね…ごめん…」


色んなお店をチラチラと眺めながら歩いていたら、クリス様が暗い顔をして俯いていた。


「こんな時にプレゼントなんてねだりませんよ。それよりクリス様、ちゃんと最近お食事はとってます?」


「食事はちゃんと取ってるよ」


うんうん、それなら良かった。

こういう時だからこそ食べることを疎かにしては駄目だ。


その時ある食べ物屋さんが視界に入り、そちらの方へ歩いて行った。


そこではホットドッグやらサンドイッチやら手軽に食べれる食べ物がたくさん置いてあって、いい香りが店内に広がっている。

私はホットドッグ2、3本とサンドイッチを数種類持って会計に向かった。クリス様は私がすぐに会計に向かうと思わなかったのだろう、私がてきぱきと買うものを手に取ってさっさとレジに向かったものだから慌てて私を追いかけた。


「リィー、会計は僕が…」

さっと私が持っていたものをさっと奪い取り、会計を済ませてくれた。


「あ、ありがとうございます」

そもそもクリス様に精をつけてもらおうと私が奢ろうとしていたのに、逆に買ってもらって申し訳なくなった。


そう言えばクリス様は「リィーは本当に優しいな」と素敵な笑顔を見せてくれた。


先ほどより少し顔色が良くなったような気がする。



「たしかこの街のはずれに小高い丘があった気がするんだ、そこでこれをいただこうか」

クリス様は私の手を引き目的の場所へ向かった。






「わあああ良い風」


街のはずれにある小高い丘には良い風が吹いている。

天気も良くピクニック日和だ。


私はうーーーんと伸びをして、辺りを見回した。


ここは街から少し離れている為木々が生え、自然が溢れている…まではいかなくても自然を感じることができる場所だった。更に向こう側には小さな教会?のようなものが見える。


「クリス様これ食べ終わったら後であそこ行ってみません?」

クリス様に教会の方を指をさしてみる。

クリス様は「そうだね、行ってみよう」と了承してくれた。



「そういえばリィーとこうして外で会うのはじめてだね」


「そうですね、前は学園内でお喋りさせてもらってましたもんね」


「リィーの言った通り息抜きにきて良かったよ、こんな素敵な時間を過ごさせてもらって他の人間に恨まれそうだな」

クリス様が軽く笑えば、私は「大丈夫です」と付け加えた。


「皆さん、クリス様ほどではないですけど疲れがみえてきているので、クリス様に休息を取らせることとみんなも交代で休息時間を設けるようにと伝言を残してきました。」


一応みんなも私も休息時間は確保されているが、その時間は決して長いものではないのできちんと取るように手配してきた。過酷労働は仕事の質も落ちちゃうしね!



「…本当に君がそばにいてくれてよかった…」

クリス様が私を抱き寄せキスをした。


こんなスキンシップも久々で、元々慣れてるわけではないがより不慣れ過ぎて反応に困った。絶対顔が真っ赤だ。



私の顔を覗き込んで「かわいい、リィー」とからかえば、今度は髪や頬にキスをたくさん落としてから最後に再び唇に長めのキスをするという、いっぱいいっぱいな甘い攻撃で私のHPはほぼ0に近い状態だった。



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