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婚約者と幼馴染の邂逅

カオスと化した属性検査やらこれからの諸注意等の先生の話を聞いた後は、昼食の時間になり私はヘレナやパメラ、そしてロビンと一緒にカフェテリアに向かった。


ロビンは青い顔をしながらブツブツ何かを唱えてる。

「え…これから俺王子に挨拶しなきゃならんの?この国の王子に?」



ロビンは私の幼馴染だし、ロビンの将来は私の侍従になる可能性もある。今の学園生活でさえ似たようなことをお父様に頼まれているのだ。

そうなれば婚約者であり王太子であるクリス様とも今後色んな接点があるかもしれない。少なくともこの学園生活においては避けては通れないだろう…と踏んでそれなら早めに紹介しておいた方が良いという結論に至った。



カフェテリアに着くといつもの席でクリス様とルーファス、それとセリーヌもいるのが見えた。私達は3人のいる方へ歩を進めるとロビンが後ろで「ヒッ」と情けない声をあげていた。

少しヘタレなのは前世から変わらずか…と内心笑っていた。


そういえばセリーヌにヘレナやパメラをまだ紹介してなかったし、ついでに紹介させ合おう。


「おまたせいたしました。3人に紹介したい方がおりますの。こちらはロビン、私の幼馴染ですわ」

私の紹介でクリス様やルーファスがにこやかにしかししっかりと品定めするようにロビンを観察していた。


「はじめましてロビン、ロビンのことはリィーから聞いてるよ。僕はクリストファー・バロラニア。よろしく」

「俺はルーファス・ウォルハルト。クリスとは幼馴染だ」

「私はセリーヌ・ウォルハルト。こちらのご令嬢の方はリーナスお姉さまのご友人かしら?」

セリーヌはヘレナとパメラの方へ目を向けた。


「私はパメラ・ゼランドです。お初におめにかかりますわ」

「わ、私はヘレナ・エルグリンです。リーナス様とは仲良くさせてもらってます」


ここらで軽く自己紹介合戦がはじまり、昼食を取りながら色々お喋りに花を咲かせていた。

女子グループも最初は年下とはいえ公爵家令嬢のセリーヌに遠慮していたヘレナとパメラだったが、お昼休みの最後のあたりにはだいぶ慣れたのか和やかに会話をしていたようだった。


男子グループも最初はロビンに対して探りあっていたクリス様とルーファスだったが、ロビンが私に対し特別な感情がないことや、幼馴染といえど最近まで接点がなかったことで、特に私の婚約者であるクリス様の

対応が軟化した様な気がした。


婚約して早々相手に恋仲の異性なんかいたらたまったもんじゃないものね、とそこは納得。


ロビンはロビンで最初こそ緊張していたものの、私と違って社交性はあるためすぐに打ち解けたようだった。




そして放課後、私とクリス様とロビンはいつかの中庭に来ていた。

ご神木の桜は今も美しく咲いていた。


ベンチに3人で座りロビンが口を開いた。

「まさかここでも桜が見れるとはなぁ…」


「はは、リィーと同じリアクションしてるぞ?ロビン」


ぼけぇっとしたロビンに笑いながら突っ込むクリス様。


「しっかしリーナスにこんな立派な婚約者がいたとはなぁ?驚きだぜ」

ロビンの私に対する軽口は先ほどのカフェテリアでみんなに最初は驚かれたけど、会話をするうちに普段からこんな感じなのかと納得してくれた様だった。


「私自身驚いているわよ」


「まぁ昔のお前は大概ぶっ飛んでたからなぁ」

ロビンはロビンで前世の記憶を思い出したとはいえ、「ロビン自身」の記憶もちゃんとあったのだろう。おそらくかつての我儘お嬢リーナスのことを言っているのだとすぐに分かった。


「丸くなったとは噂で聞いていたけど、会う気になれなかったもんなぁ」


「まぁね、私だってそんな女いたらいくら丸くなったとはいえ、再会する気になれないわ」


「…リィー…自分のことをそういう風に言っては…」

クリス様も私の我儘三昧を知っているから私やロビンの言いたいことはわかるのだろうけど、自分のことをここまで貶める私にストップをかけた。


「反省をし自分の在り方を見直せる人間なんてそうそういないぞ。その点リィーはきちんと自分を見つめなおし優しさ溢れる女性になったんだ。リィーのそういうとこを僕は愛してるし、もっと自分に自信を持ってほしい」


クリス様に両肩をがしっと掴まれ真剣な目でそう言われると心の中が温かくなった。

決して前のリーナスの人間性について悲観しているわけではなかったのだけど、それも今の自分も全部ひっくるめて受け入れてくれてる様な気がして嬉しかった。


「クリス様…」


思わずクリス様の上着を握りクリス様をしっかりと見つめ返せば優しい目で返されて、またさらに心が温かくなった。


「クリストファー様がリーナスをしっかりと愛してくれる人で良かったわ」


そんな私達の様子を見ていたロビンが穏やかな表情で呟いた。

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