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2人の編入生

寮から出れば日の光が眩しく照らし若葉の香りが鼻をくすぐる。


もう歩き慣れた石だたみの道をいつもの様に通り過ぎれば、真新しい制服に身を包んだ新入生達がちらほらと見える。



私も1年前はあんな感じだったのかーと緊張した面持ちの新入生を見て微笑んでいた。


「リィーも初めてきた頃は動きが固かったね」

隣でクリス様も懐かしそうに笑いながら歩く。



「リーナスお姉さま!!」


何度もお茶会をご一緒し今や聞き慣れた声が後ろから聞こえた。


「セリーヌ様」

振り向くと美しい黒髪を後ろになびかせ頬をピンク色にしながら私のところまで速足で来た。


その後ろにはルーファスも今ではすっかり見慣れた微笑で歩いてきた。



「リーナスお姉さまとご一緒に学園生活を送れることをとても嬉しく思います!!」

セリーヌはいきいきと私の手を掴みながら興奮気味に話し出した。


「ふふ…私も嬉しいです。あ、そうだ、セリーヌ様が少し学園生活に慣れてきた頃私の友人を紹介しますわね」


セリーヌは身分上私の家よりも上な為ほんとは失礼に当たるのだが、妹ができたような嬉しさで思わず頭を撫でた。

セリーヌはそれを嬉しそうに受け入れた。かわいい…!


セリーヌを見て思わずにんまりしていると、ルーファスが少し頬を染めて私に近づいた。


「俺もリーナスと共に学園生活を送れることが嬉しいぞ…!」

少し照れたようなルーファスをポカンと見てると隣から引っ張られた。


私の肩を抱きながらクリス様が黒い笑みを浮かべる。

「ルーファス、リィーは僕の婚約者だ」


「ぐっ…」

悔しそうに眉間に皺をよせるルーファスの隣でセリーヌが

「お姉さま、クリストファー殿下に愛想が尽きたら、ぜひうちの兄を選んでくださいまし!!」

と力強く言った後、クリス様とにらみ合っていた。




入園式の会場となるホールでは特に問題もなく無事に入園式が終わった。


去年に引き続き今年もクリス様が生徒会長として祝辞を述べ、かっこよくキラキラしたクリス様に女子生徒は歓声をあげていた。


この光景を見るとより一層あの人が自分の婚約者だと信じられなくなる。


だがしかし、自分が王太子の「元」婚約者になる可能性はあるのだ。



何故ならこの春に「ヒロイン」も編入してくるのだから。



ロビンとヒロインの編入の話は入園式後の教室で持ち切りだった。


まぁ本来原作ではヒロイン1人の編入なんだけどね、私が正式な婚約者だったりと既に原作とは違ってきているのだけど…。



クラス分けはヘレナとパメラと同じでそこは安心した。今年から選択科目が増え去年より共に行動することは減るだろうが、それでも同じクラスであることは嬉しい。



その時教室に茶色いくせっ毛の青年…ロビンと、少し遅れて薄い桃色のふわっとした髪の毛のヒロイン…マリアが入ってきた。



どうやら2人の編入生とは同じクラスらしい。



ロビンがこっちを見たので軽く手をふった。私の席にヘレナとパメラもいたのだが、私が手をふったのを見るなりこちらに近づいてきた。


「ヘレナ様、パメラ様、紹介しますわ。こちら私の幼馴染のロビン。ロビン、こちらのご令嬢は私の友人のヘレナ・エルグリン様とパメラ・ゼランド様ですわ」


「はじめまして、よろしくおねがいします」


ロビンは頭を下げ簡単に挨拶すると私に向き直った。


「学園ではリーナス『様』ってお呼びした方がいいのか?」

「いえ、いつもの様に呼び捨てにしても結構よ」


ヘレナとパメラは明らかに平民であるロビンが私を呼び捨てにすることに難色を示していたが、私がそれを許可をするといつもはそんな感じなのだろうと納得し何も言わなくなった。



「そういえばロビンは属性検査したの?」

「いや、これからだ。一緒に編入してきた子もこれからみたいだ」


そう言ってロビンはマリアの方を見た。そうかーマリアもこれからか。


ストーリー通りだとしたらマリアの属性は知ってるからひとまず良いとして、ロビンはなんなんだろうか少し楽しみでもある。


そうこうしてるうちに教室におじいちゃん先生が入ってきて、それぞれ談笑していた生徒達は席に着いて行った。


このおじいちゃん先生は私達の属性検査を受け持った先生だから、これから2人の属性を検査するのだとみんなは見守る形に切り替えた。


案の定属性検査でロビンから検査をし、ロビンはそれなりの魔力の強さを持つ風属性だということがわかった。

次にマリアが水晶に手をかざすとクラスではトップクラスであろう魔力の輝きを持った光属性であることがわかった。


マリアの魔力の強さを目の当たりにした生徒達は唖然としていたが、一部の階級やら身分を気にする生徒達は平民であるマリアの魔力の強さや属性が面白くなく、思いきりマリアを睨んでたのが目に入った。



そんなクラスメイトの様子を見て、こりゃ荒れるぞ…とこれからの新しい生活に不安を覚えひっそりとため息をついた。



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