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新たな季節の訪れの前に4

しばらくこれまであった出来事を振り返っていたが、よくよく考えると結構濃い日常を過ごしていた気がしないでもない。



馬車から懐かしい景色が見えてくると、もうすぐで目的の場所に着くというのが分かる。


今回は何で呼ばれたか分からないが、私まで呼ばれるということは私にも関係があることだろう。




屋敷の前で馬車が止まり、私とサラが馬車から降り屋敷に入る。



「「「おかえりなさいませ、お嬢様」」」



屋敷の使用人達が出迎えてくれ、お父様の執事が私の前に出てきた。


「お父様のところに挨拶に伺います。お父様は執務室ですか?」

「かしこまりました、お嬢様。旦那様は執務室でございます」


その言葉を聞き、お父様のところへ向かった。



「リーナス、おかえり!」


久々に父を見たが変わらず元気そうで安心した…と思ってたところに爆弾が投下された。


「つい先日王家の使いの者がうちに来てな、王太子殿下がお前と正式に婚約すると書状を持ってきた」


ぬあああああ忘れてないけど忘れてた!!

1人で頭を抱えていたところにお父様がにこやかに

「お前が領地にいる間、家族全員揃うということで王太子殿下自身も挨拶に伺いたいとお願いされたのだ。明後日の昼頃にこちらにお見えになる」

と更に爆弾が投下された。



ちょっと…クリス様こっちに来るって聞いてないんだけど…見送ってくれた時もそんな話してなかったよね?…というかお父様に書状が届いたということはもはやこれ決定事項か…。


目まぐるしく状況が変化している為なかなか頭の方の処理が追い付いてなかった。



「城で婚約者発表を兼ねたパーティーもあるらしいが、その前に一度陛下にご挨拶に伺わねばならんだろうから、リーナスが王都へ戻る時は私達も行くぞ」



なるほど…帰りの馬車にお父様とお母様も同乗するのですね。



「今日は長旅だったろうから、部屋で休みなさい」


その言葉に甘えてお父様の執務室を後にし、部屋へ戻った。



「ねぇサラ、最近目まぐるしくて頭が追い付かないわ」

「お嬢様…お疲れ様です、少しでもお疲れを癒せるようにココアをご用意いたしますね」

思わずサラにぼやいたら、サラも心配そうに私を見ていた。


学園生活でも色々と私を支えてくれたサラは、学業以外の理由で疲れて帰ってくる私をいつも励ましてくれていた。


「いつもありがとう、サラ」

「もったいなきお言葉です。微力ながらお嬢様をお助けできているのなら私も嬉しいです」

私の言葉にサラは嬉しそうに笑った。




今日の夕食は久々に家族水入らずで過ごすことができた。



~~~~~~~~~


次の日久々にこちらの中庭でお茶を楽しんでいた。

今日はお父様から呼び出された本来の目的であるお話を聞くのだが、まだ執務室で仕事をしている最中とのことで中庭でゆっくりさせてもらっていた。


「お嬢様、旦那様がお呼びです」


お父様の執事が迎えにきてお父様が待っているであろう部屋に通された。



「リーナス、きたか…座りなさい」


部屋にはお父様とイーシスが既に待っていて、お父様の向かいのソファー、イーシスの隣に私も着席した。



「お前たちを呼んだのはロビンについて話があったからだ」


ロビンとはうちの護衛兵ジョンの息子だ。

ジョンは基本父の護衛をしていたり門番の仕事をしていたりするのだが、その息子ロビンもたまに我が家に遊びに来させているのだ。


基本うちの屋敷にジョンを留めさせていて、寂しい思いをしているだろうその息子に私のお母様が働きかけたものだった。多分私と同い年というのもあってロビンを不憫に思ったのだろう。


所謂幼馴染というものだろうか…とはいえここ数年会ったことはない。小さい頃はよく遊んでいた。

イーシスとは男同士というのもあってか、今でも交流はあるらしいのだが…。



「ロビンがどうかしたのですか?」

イーシスは首を傾げた。

「ロビンが最近魔力持ちということが分かった。そこで来年度からグリアベル家の名の下に魔法学園に編入させようと思う。」


えええええ、編入ってヒロインちゃんだけだと思ってたけど、まさかもう一人…しかもロビンも編入するとは想像もしてなかった。


よく覚えてないけど編入生ってヒロインちゃんだけだったよね!?


「ロビンもここに呼んでいる、ロビン…入ってきなさい」


お父様がドアに向かって呼んだとき、ドアがゆっくり開いた。



ブラウンの髪にブラウンの目、昔より身長が伸び、イーシスやクリス様ほどではないけどスラっとしている。

鼻の頭にはうっすらとソバカスがあり、少し残ったあどけない表情が昔のロビンを思い出させ懐かしさを感じる。



「……!!!」

その時私の体中に電気が走ったような衝撃を感じた。

彼もまた私の顔を見て驚いたような表情をしていた。



私は彼を知っている。彼もまた私を知っている。


幼馴染だから普通のことを言っていると思われるかもしれない。でも違う。そうじゃない。





何故かは分からないけれど…




彼とは前世から繋がりがあると確信した。


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