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新たな季節の訪れの前に1

月日は更に流れ今は冬。

冬といっても王都は穏やかな気候の為、雪道で大変な思いをしたり寒さでつらいといったこともなかった。


私は1週間のお休みをもらい領地へ帰っていた。

なんでもお父様が話があるそうで、領地に戻ってきてほしいとのことだった。

領地もまた過ごしやすい気候で帰ることも苦ではなかった。


イーシスは既に領地に戻っているらしく後は私待ちということらしい。

とは言ってもイーシスも跡継ぎなわけで領地に戻ってからも色々仕事があったりお父様から仕事を振られたりといった感じで、私のことを呑気に首を長くして待っているというわけではないのだが…。





領地へ向かう時、学園前にはヘレナ、パメラ、クリス様、ルーファスがお見送りに来ていた。


当初クリス様やルーファスに恐怖を抱いていて正直苦手意識を持っていた私だったが、これまで2人が根気よく?色々と私に接してくれていたので今は普通に友人の1人として見れるようになった。

…友人というのもおこがましいと思うが…


私は領地へ向かう馬車の中で頬杖をつきながらこの数か月の学園生活を振り返っていた。



~~~~~~~~~


ヘレナとパメラと3人でカフェテリアで食事をしていた時、クリス様とルーファスが私達を見つけよく同じ席で食事をしていた。

それはこれまでもあったのだが頻度が格段に上がった。ほぼ毎日といっても過言ではないくらいに。

クリス様やルーファスは生徒会に所属している為その仕事が忙しい時くらいではなかろうか?一緒じゃないのは。


王太子殿下と公爵家子息のメンツに最初のうちは緊張していたヘレナとパメラだが、最近は慣れたのか遠慮等はあるものの普通に会話ができるくらい、よくある光景となっていたようだ。

寧ろ私に気をつかってからか、私の席をクリス様とルーファスと離れないように2人は席に着いてくれてるようだった。それによって私はいつも真ん中あたりの席位置になってる。そんな気遣いは無用なのにね…。



しかしここの食事はどれも一品でとても美味しいものだ。

私は前世から食べることが大好きで、それで体系もややぽっちゃr…とそれはまぁ良いとして、とにかく食べるのが大好きなのだ。


ほっぺをおさえ満面の笑みで食事をしている私によくこの4人が優しい目で見ていたっけ。

顔の作り的にツンツンしてそうな私がだらしない顔で食事している自覚はある。


挙句の果てに

「リィー、僕シフォンケーキ買ってきたから食べさせてあげるよ」

とクリス様がフォークで私の口元にケーキを差し出した時はさすがに真顔で断った。

所謂「あーん」って食べさせるやつをしようとしてくれてたんでしょう?なんの公開処刑?って思った私は悪くない。


明らかにがっかりしているクリス様にパメラとヘレナがどこか生暖かな目で見ていた。



またある時いつもの3人でカフェテリアに向かう際にクリス様とルーファスとばったり会って、「んじゃ一緒行こっかー」みたいなノリで一緒に歩いていた時、ルーファスが私に封筒を渡してきた。


その送り主はセリーヌで私とセリーヌは文通する仲になっていた。



きっかけはルーファスが

「妹が大層リーナスに懐いててな、だがセリーヌはまだここに入園できないからどうにかリーナスと交流する機会が欲しいらしい。」

とお願いされたことだった。


その時はまだルーファスにもセリーヌにも心の距離があった私だったが、こんなに自分に懐いてくれてるということに関してとても嬉しくあったので、文通の案は私から提案した。


ルーファスはその提案にとても喜び、大変貴重な笑顔を見ることができた。



…とまぁそんな経緯で文通を始めて今回はセリーヌから手紙を受け取った。


「ルーファス様、ありがとうございます。ところでいつもルーファス様経由でお手紙のやり取りさせてもらってもいいんですか?セリーヌ様には私の寮の部屋番号お教えして直接やり取りした方がルーファス様のお手を煩わせることはないのでは?」


「あっ…いや、それはいいんだ。俺は俺で実家に書類を送ったりしてるから、そのついでだ」

ルーファスは何故か少し顔を赤らめながら答えた。


ルーファスの様子に首を傾げながらもルーファスの迷惑になってないことに安堵した。


「そういえばセリーヌがリーナスの顔が見たいと言ってお茶会を開きたいと考えているらしい。リーナスが顔を出してくれればセリーヌも俺も嬉しい」

ルーファスは顔を赤らめたまま熱の籠った目で見ながら私の手を握った。

……なんだなんだ?この甘い空気は?


この意味不明な空気に白目を剥きかけていると、すかさず握られた手を奪う様に誰かに引っ張られた。

クリス様だ。


「ほう…セリーヌ嬢のお茶会か…?んじゃ僕もそこに参加しようかな?」

クリス様が私の手を握ったまま、ルーファスに微笑みかけていた。その目は笑っていなかったが。


「いや、俺はリーナスに声をかけたんだが?」

ルーファスは私の握られた手をチラッと見た後クリス様に眉間に皺を寄せてた。

「天下の公爵家なんだから1人くらい増えたって平気だろう?」

なおも引き下がらないクリス様。



何やらバチバチと音が鳴りそうな2人。

普段は仲の良い2人がこういう空気になるのも珍しい。てかクリス様そんなにセリーヌのお茶会に参加したかったのか。それでややシスコンも入っているルーファスが良い顔しなかったのね。

これ傍から見て私を取り合ってるようにも見えかねないから止めた方がよろしいんじゃないかしら?


「ま、まぁここから先の人選はセリーヌ様にお任せしましょ?アレでしたら私がセリーヌ様をお茶会に招待しても良いし」

なんとか2人を落ち着かせようと提案したら2人はクルっと私の方を向いた。


「え…ちなみにリーナスがお茶会を主催するとしたら誰を招待するんだい?」

ルーファスが少し焦ったように聞いてきた。

「安心してください!セリーヌ様しか招待しませんわ?」

大丈夫、男どもは招待しないから安心しろ!という満面の笑みでガッツポーズすれば、2人で顔を見合わせてため息をついた。何故だ。


先ほどから離れて成り行きを見ていたヘレナとパメラは苦笑いを浮かべてこちらを見ていた。何故だ。


2人を見て思ったんだけど、セリーヌがこの学園に入園してきてヘレナやパメラとも仲良くなったら4人でお茶会も楽しそうねーと決して遠くない未来にわくわくしていた。



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