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プールでの一騒動

「セリーヌ様、参りましょう!」

私はセリーヌ様の手を掴みながら逃げようとした。



「そんな…!お兄様を置いていけないわ!!」

セリーヌはルーファスに涙目になりながら訴えた。


「セリーヌ…お前を守りながらこいつとどこまで戦えるか俺も分からない…。頼むから行ってくれ」


「セリーヌ様、ここは1つお兄様の指示に従いましょう?私はセリーヌ様をお守りしながら屋敷を目指しましょう。セリーヌ様はウォルハルト家の関係者に援護の要請をお願いします。私はセリーヌ様を送り届けた後ウォルハルト様の助太刀に戻りますから」


なんとかセリーヌを説得してセリーヌも渋々了承した。



今度こそ屋敷に向かおうとしたところで


「きゃっ!!?」


セリーヌに水でできた輪っかが巻き付き、プールの方へ引きずり込まれた。



「セリーヌ!!!」「セリーヌ様!!!」

水でできた魔物が水で輪っかを作りセリーヌめがけて投げたのだろう。それが見事に命中しセリーヌを捕らえプールへ引きずり込んだのだ。


ルーファスはそんな魔物を睨みつけ魔力で弓矢を具現化した。



武器か…相手は多分エレメント系のモンスターと分類して間違いないだろう。詳しくはひとまず置いておいて。

その相手に武器はいささか相性が悪いのは、RPGの知識と今世で結構深くまで勉強した知識で理解している。

それでもルーファスがその弓矢で倒そうというのなら加勢しないわけにはいかない。



プールに引きずり込まれたセリーヌのことも心配だ。早く決着をつけねばならない。ならば…



私はある程度の魔力を溜め、風の魔法を水の魔物に叩きつけた。

多少はダメージがあるようだが、ほんと多少のダメージで終わってしまった。


「グリアベル嬢、なんだ今の魔法は?あなたじゃ戦力にならないから下がっててもらおうか。むしろあなたも不本意だが一応客人だから怪我を負わせるわけにはいかない。逃げてくれ」



その時私の風の魔法で魔物の体の水が後ろに流れ、体の中心には宝玉のようなものが現れた。


「ウォルハルト様、今風の魔法で出てきた体の中心の丸い球体の様なものが見えますか?あれはおそらく『核』です。あそこに思いきり矢を撃ってください」


そう言い、今度はすかさずルーファスに攻撃力増強の補助魔法をかける。


エレメント系は一見弱点らしい弱点はなさそうだが、こうやって動き回れるのであれば「核」があると考えられてもおかしくないし、RPGゲームでもそういう設定のものがあったのを覚えていたので一か八かで風魔法をあてたのである。

私はおそらくルーファスより魔力はなさそうだし、とどめを刺すよりもサポートにまわった方が勝率が上がると思い、倒すよりも核を見破れる程度の魔法を使ったのだった。そして攻撃よりも補助魔法で思いきり魔力を使う算段だった。


あと本来は補助魔法や回復魔法といったものは神殿務めしている神官等が得意とする術だが、回復魔法よりは幾分か難易度の低い補助魔法は使えれるようになった。そこら辺は追々。




私の魔力が流れ込み一瞬驚いてたルーファスも自分のすべきことを思い出し、核を矢で貫いた。

読み通り核を壊したことで水の魔物はただの水と化した。


今思ったのだけど剣術の腕もとてもすごいと言われているルーファスが弓の扱いにも長けているのって何気にすごいわね。

いくら貴族の男性が馬に乗って狩猟を嗜む習慣があって弓の使いに長けてるとは言え、あの距離であんなに小さい的を撃ちぬけるのは余程の手練れだ。



…と感心してる場合じゃない。セリーヌを助けなくては。



「セリーヌ!!!」

「お兄様!!」

ルーファスが声をあげる。

セリーヌはプールの真ん中にいて水を含んだドレスが重りとなって動けずにいるようだった。


「今助けにい……ぐっ」

ルーファスは動きだそうとした時、低く唸ってその場に膝をついた。

私ははっとして彼の足を見た。

足からは血が出ていて、どうやら先ほどの水鉄砲を食らってしまったようだった。


敵に集中してたのもそうだけど、普通にやり取りしてたし弓を扱っていたから怪我をしていることには全く気付かなかった。


「…ウォルハルト様は大人しくしててください」


「…何?」


ルーファスは訝し気に私を見る。回復魔法とか癒しの魔法使えてたら使ってたけど、残念ながら今の私には扱えない魔法だ。そのうち勉強をしたいと思っているけれど。


ならば…


そう思いながら魔法で水を作り出し、それを凍らせて氷の刃にした。



「まて…一体何する気だ!?」


氷の刃を見て私が物騒なことをするとでも思ってるのかな?まぁある意味淑女としてあるまじき行為はするが…。




氷の刃でドレスの裾を思いきり切った。


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