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ねぐら

作者: 南郷 進

まどろみに身を任せ、鳥を眺めるのも悪くない。

ここから歩み寄れないけど、ばれないように。

せっかくの静けさを台無しにしないように。

見えなくならないように、羽ばたかせない。

あの美しい翼を見たかった。

あの愛らしい曲線に触りたかった。

でも、近寄らない。

気づかせない。

舞い上がりそうな脈拍は、萎れた羽に隠して。

だらしない格好はそのままに、冗談じみた志を暖めて。

あの汚ならしい嘴に罰を与えたかった。

あの誇らしい足に罰を与えられたかった。

でも、気づいていない。

気づかせない。

漏れ出しそうな弱音は、破れた翼で覆って。

羽ばたかないように、飛び去らないように。

近寄らないで、身を潜めて、探さないで。

穴が開いた大空にむしり取られた羽が舞い散る。

金切り声の合図で、急転直下の塒の終わり。

追いつけないのは重々承知。

むしり取られた羽で飛べ!

みすぼらしい柔肌の鳥は、蹴落とされた塒を目指し急降下する。

まだ気づいていない。

まだ気づかせない!

暴かれないように、むしり取られた羽で飛べ!


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