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夢の中だけ勇者さま?  作者: 菅原よしひろう
ラクサーシャの地下迷宮
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僕は夢を見た(51) さらに下へ

地下21階を探索する僕とエルマ。


エルマ:「ヒロ?」

よしひろう:「何?」

エルマ:「とても言い難いのだけれど。」

エルマ:「この地下迷宮の攻略本、階段への最短ルートしか載ってないわよ? 」

よしひろう:「え!?」


本当だった。地下の浅いところは詳細に書かれていたが、深くなるにつれ情報が乏しく、しかも未探索の箇所が多くなっている。


エルマ:「まぁ、逃げるのには役に立つかもね…」


確かに登場するモンスターも地下21階以降、ゴブリン、オークとしか書かれていない。

なんともいい加減な攻略本だ。

こんなのに2万Gも払ったのかと頭を抱える僕。


エルマ:「でも、ヒロには感謝しているのよ。」

よしひろう:「え?」

エルマ:「リターンの巻物を用意してくれたこと。」

エルマ:「ポーションまで用意してくれた。」

エルマ:「宿だって…」

エルマ:「何より私みたいな貧乏貴族の女に同行してくれたこと。」

エルマ:「私一人じゃここまでたどり着けなかったっもの。」

よしひろう:「…」


返す言葉が見つからない。


エルマ:「今までの探索で得た魔封石じゃ元も取れないでしょ?」

エルマ:「ドロップアイテムも出ないし。」

よしひろう:「でも、楽しいよ。エルマとの探検。」

エルマ:「そう言ってもらえると少しは気が楽になるかな…」


そう言って微笑むエルマ。


エルマ:「この「ラクシャーサの地下迷宮」は初心者向けなのよ。」

エルマ:「魔法学校の卒業試験にされるくらいにね。」

よしひろう:「そうは言っても油断したら死んじゃう位には厳しいと思うよ?」


地下へと続く階段を目指し歩きながら会話を続ける。


エルマ:「まあね。」

よしひろう:「この地下迷宮については詳しいの?」

エルマ:「ある程度は学校で習ったわ。」

よしひろう:「怪物達はどうやって生まれてくるの?」

エルマ:「神代の時代に戦いに破れた魔神ラクサーシャがここの地下に封印されていると教わったわ。」

エルマ:「そこから漏れ出てくる魔力によって産み出されるそうよ。」

よしひろう:「それじゃ、さっき倒したトロールも復活するってこと?」

エルマ:「そう。魔封石の強さによって再び産み出される間隔が決まってくるの。」

エルマ:「トロール位の魔封石の大きさだと後2、3日は復活しないんじゃないかしら。」


それを聞いて少しホッとする僕。


よしひろう:「それじゃ、最深部には魔神がいるってこと?」

エルマ:「さあ?誰も行ったことがないから分からないわ。」

よしひろう:「それにしても何もいないね?」

エルマ:「他の冒険者が倒したのかもしれないわね。」


地下22階への階段を下りていく。


よしひろう:「他にもこういう地下迷宮があったりする?」

エルマ:「王都から西に行ったところに「ヴァイシュラヴァナの地下迷宮」があるわ。」

エルマ:「ここより怖い所だって聞いたことがある。」

エルマ:「興味ある?行ってみたい?」

よしひろう:「それにはノーコメントだ。」

よしひろう:「ここでの結果しだいってとこかな?」

エルマ:「それもそうね(笑)」


地下22階からは攻略本に記述されていない箇所も含めて一通り回ることにした。

角を曲がると不意にゴブリン2匹と出くわした。

剣を抜き一気に切り込みその2匹を倒す。

光の粒子になって消えるゴブリンの死骸。

魔封石を拾い集め雑嚢に収めていると、周囲に光の粒子がたくさん現れて段々と収束し始めた。

10数匹分はあるであろう収束地点。


エルマ:「気をつけて!怪物が再び現れるわよ。」


エルマが呪文の詠唱を始めた。

光の粒子が集まって段々とゴブリンの形になっていく。

収束し終えたところにエルマがファイヤーの魔法を叩き込む。

再び光の粒子になって消えるゴブリン10数匹。


よしひろう:「なんだか憐れだな(苦笑)」


手を合わせ合掌する僕。


よしひろう:「もし、この迷宮内で死んだらどうなるの?」

エルマ:「他の冒険者に見つけてもらえれば回収されるわ。」

エルマ:「怪物に見つかれば食料にされる。」

エルマ:「そのまま時間が経っちゃうと迷宮の魔力の影響でゾンビになるの。」

エルマ:「ゾンビになって倒されるとさっきのゴブリンみたいに光になって消えてしまう。」

よしひろう:「最悪だな…」

エルマ:「お互いそうならないよう注意しましょ。」

よしひろう:「ああ。そうだな。」

エルマ:「私が死んだら…回収してね。お願いよ。」

よしひろう:「そうならないよう、僕がいる。大丈夫さ。」


暗い話になってきたので話題を変えよう。


よしひろう:「エルマの欲しい魔封石ってどんなの?」

エルマ:「そうね。トロールの薄紫よりは濃い色のがいいわね。」

よしひろう:「やっぱ、さっきの魔封石が惜しかったんじゃないか?」

エルマ:「換金って意味じゃ惜しかったわね。」

エルマ:「でもね、ロイは上位の貴族のお坊っちゃんだから、譲るべきところは譲ってあげないと今後の私たち家族の生活にかかってくるから。」

よしひろう:「そう言いつつもおもいっきりビンタしてたな(笑)」

エルマ:「ああ何度も詠唱しなおすのを見てたらイライラしてくるのよ(笑)」

よしひろう:「エルマが代わりに唱えればよかったじゃん。」

エルマ:「それこそロイの面子が丸潰れになっちゃうでしょ?(苦笑)」


地下22階の探索を終え、地下23階へと下りていく。

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