僕は夢を見た(46) ラクシャーサの地下迷宮
地下9階へと到達した僕とエルマ。
迷宮とは言うものの、そこまで複雑な迷路になっている訳でも無さそうだ。
大きな広間と広間の間を人が1人通れるくらいの通路が繋いでいるような感じ。
モンスター達はこの地に封印されていると言われる魔神の力で自然に発生しているようだ。
目の前の空間に光の粒子が集まっていく。
するとそこに突然モンスターが発生した。
よしひろう:「なんだ!?この気味の悪い生物は?」
巨大なナメクジのようにも見える。
が、緑色で先端に口のようなギザギザがあった。
体長3mくらいの巨大なヒルだ。
剣を突き立てるもなかなか切れない。
よしひろう:「エルマ、頼む」
エルマ:「神より与えられし叡知の火光、その力、今ここに顕現せん。」
エルマ:「ファイヤー!」
火炎放射機のような炎が巨大ヒルを包み込む。
巨大ヒルはもがきながら光の粒子へと化して消えた。
跡には魔封石が一つ残っていて、それを回収する。
地下10階への階段へと到着した。
いよいよここからが本番のようだ。
慎重に階段を下りていく。
壁が薄っすらと輝いている。
ランタンが要らないくらい明るいのだ。
進んで行くと通路の向こう側から何やら人の形をしたものがこちらに向かって歩いてくる。
エルマ:「ヒロ、気を付けて」
よしひろう:「分かった。」
剣を抜き身構える僕。
近くまで来たところで同じ冒険者だと気付いた。
男:「あ、王都で会ったお兄さんじゃないですか!」
よしひろう:「あー!あの時の食堂の!」
男:「俺、エリックって言います。」
よしひろう:「おしひろうです。」
エリック:「じゃ、後ろに居る方がエルマ様ですね。」
別の男:「エルマじゃないか。」
エルマ:「ロイ?」
ロイ:「へぇ~、君でも冒険者を雇えたんだ。」
と嫌みったらしく笑うロイ。
エルマ:「3人も雇えるなんてよほどお金が余ってるのね。」
エルマ:「それとも実力が足りないからかしら?」
言い返すエルマ。
よしひろう:「エリックさん達は地上へ戻るんですか?」
エリック:「はい。地下15階くらいまで行きましたが、ポーションが尽きちゃいまして。」
よしひろう:「15階のモンスターはどんなヤツがいました?」
エリック:「主にゴブリンですね。たまにオークがいるかもしれません。」
エリック:「気を付けてくださいね。」
よしひろう:「ありがとう。」
よしひろう:「お互い協力できたらいいですね。」
エリック:「そうですね。」
握手する僕とエリック。
ロイの率いるチームと別れ、さらに奥へと進んで行く。
ロイ達が倒したからだろうか、地下16階まではモンスターと遭遇せずに来ることが出来た。
通路を進んで行くと子供くらいの大きさの生き物が5匹こちらに駆けってくる。
よしひろう:「あれがゴブリンか?」
エルマ:「そうみたいね。」
エルマ:「私が先制攻撃しましょうか?」
よしひろう:「いや、魔力は温存しておきたい。」
よしひろう:「僕が前に出るから、もしもの時は援護してくれ。」
エルマ:「わかったわ。」
ゴブリンの最初の一撃を籠手で受け止め剣で胸を一撃。
次のゴブリンの振り下ろす剣を弾き返し袈裟懸けにする。
さらにその横にいたゴブリンを真横一文字に切り伏せた。
慌てて逃げようとする残り2匹の頭にクナイを命中させる。
この程度なら一人でもなんとかなりそうだ。
エルマ:「見事じゃない。」
よしひろう:「なんとかね…」
エルマ:「控えめなのね。」
よしひろう:「ああ、モンスターを相手にするの、初めてだからさ。」
よしひろう:「今でも少し震えてるよ。」
そう答えながらゴブリンの残した魔封石を回収する。
上層と違って薄っすらと紫がかってきた。
大きさも少しだけ大きくなったようだ。
よしひろう:「ん?」
エルマ:「どうしたの?」
よしひろう:「しーっ」
耳を澄ますと何やらガチャガチャと金属が擦り合わさる音がする。
先程の戦闘の騒ぎで他のモンスターがこちらに気付いたのだ。
よしひろう:「来るぞ!」
エルマ:「ええ!」
通路の中へと入っていく僕。
単騎なら狭い通路で戦う方が有利だからだ。
エルマは広間で魔法の詠唱をする体勢をとる。
ゴブリンが10数匹通路の向こう側から武器を振り上げて駆けてくる。
よしひろう:「これだけの数は相手にできないぞ(生唾を飲見込む)」
よしひろう:「エルマ!アローを頼む!」
エルマ:「この位置じゃお前にも当たってしまうわ!」
よしひろう:「僕なら大丈夫だ!早く!!」
エルマが呪文の詠唱を始める。
エルマ:「我が息吹よ集うて突発たる一撃とならん。」
エルマ:「アロー!」
アローが飛んでくる瞬間に僕はスルーを発動した。
よしひろう:「スルー!」
僕を通り抜けて向かってくるゴブリンの群れへと突き進むアロー。
迫り来る10数匹ものゴブリンを一気に突き殺す。
エルマ:「今の…何?…」
エルマ:「私の魔法がお前を通り抜けたみたいだったけど…」
驚きの表情を隠せないエルマ。
よしひろう:「僕のとっておきの技だよ。」
とエルマにウインクする。
よしひろう:「さあ、次が現れないうちに先に進もう。」
頷くエルマ。
通路を進む二人。
次の広間に地下17階へと下る階段があった。




