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夢の中だけ勇者さま?  作者: 菅原よしひろう
ラクサーシャの地下迷宮
47/58

僕は夢を見た(45) ラクシャーサの地下迷宮

ラクシャーサの地下迷宮の宿屋の一室に立つ自分。

朝の6時頃だろうか…

身だしなみをチェックし、エルマの部屋へと向かう。

エルマの部屋の扉をノックすると中から返事が返って来た。


エルマ:「どなた?」

よしひろう:「ヒロだ。朝飯食べに行かないか?」

エルマ:「行くからちょっと待ってて。」


部屋の中からゴソゴソと音がする。

待つこと数分、エルマが出てきた。


エルマ:「さあ、行きましょう。」


宿屋の1階の食堂へと向かう。

食堂では既に何人もの冒険者達が食事にありついていた。


朝食のメニューは決まっているようで、ハム5枚、スクランブルエッグ、パン2切れだった。

朝食を受け取り空いた席に座る僕とエルマ。

食事を摂りながらエルマに話しかける。


よしひろう:「寝心地はどうだった?野宿よりはマシだただろ?」

エルマ:「そうね。きっとマシだったと思う。」

エルマ:「野宿しようとしたの今回が初めてだったから。」

よしひろう:「そっかー。度胸あるな、エルマは。」

よしひろう:「地下迷宮に潜る前に道具屋とか武器屋とか見ておきたいんだけど。」

エルマ:「いいわよ。私も付いていく。」


食事が終わり、宿屋を出て武器屋へと向かう。

中に入ると色々な武器や防具が並べられていた。


よしひろう:「このフルプレート格好いい!」

エルマ:「値段を見なさい。」


値段を見ると2000万G…

うっとなる僕。


店主:「お兄さん初めてかい?」

よしひろう:「はい。」

店主:「そうかそうか(笑)。ゆっくり見ていってくんない。」

店主:「迷宮内で拾った武器や防具の鑑定とかもやってるんで、よかったら利用してくんない。」

よしひろう:「その際には是非お願いします。」


ザッと中の商品を見たが高すぎて手が出せないので店を出る。

次に道具屋へと向かう。

中に入る。

ポーション類がまず目に入った。

体力回復 2000G

治癒 5000G

解毒 2500G

魔力回復 5000G

その脇にスクロールが置いてある。

スクロールの説明書きに「リターンの魔法」と書いてある。


よしひろう:「このリターンのスクロールって何ですか?」

店主:「青い魔方陣と赤い魔方陣が対になっているだろ?」

よしひろう:「はい。」

店主:「まずは青い魔方陣を千切って地下迷宮の入り口に張っておく。」

店主:「地下迷宮から脱出したい時に赤い魔方陣に向かって「リターン」と唱えると青い魔方陣の貼った場所へと戻るって寸法よ。」

店主:「赤から青へ移動すると覚えておけばいい。」

よしひろう:「なるほど!面白い!」


値段を見ると1枚10万G…

微妙に高いな…


体力回復 2000×3=6000

治癒 5000×3=15000

解毒 2500×3=7500

リターンのスクロール 10万×3=30万

計328,500G


を購入する僕。


よしひろう:「安全には変えがたい物があるからな。」


ポーションを各1本づつエルマに渡しておく。


よしひろう:「何かあったら無理せず飲むんだぞ。」

エルマ:「分かったわ。ありがとう。」


一旦宿屋に戻り、装備を整えることに。


よしひろう:「地下迷宮入り口の受け付けの所に集合でいいな?」

エルマ:「ああ。それでいい。」


部屋に戻り装備を整える僕。

肩掛けの背嚢に先程買ったポーションとスクロールを入れる。

剣を腰の左側に差し込み準備完了。

地下迷宮の入り口へと向かう。

地下迷宮の入り口に着くとリターンのスクロールの青い魔方陣がいっぱい貼ってある場所があった。

探索に入る者は皆ここにリターンを貼っていくようだ。

僕もリターンの魔方陣の青い方を千切って同じように貼っておく。

見ると、かなり古くなった魔方陣もあるようだ。

使う必要が無かったのか、使えなかったのか…

受け付けを見ると横に掲示板があり、行方不明者の張り紙が貼ってあった。

命懸けの探索になる事をあらためて実感する。

しばらくするとエルマが来た。

目を見ると覚悟ができているようだった。


よしひろう:「俺も覚悟をしなきゃな。」


と両手で頬っぺたを叩く。

エルマと受付をする。

迷宮潜入の受け付け用紙に名前を記入する。

記入する僅かな間に記入者の似顔絵を描く受け付け人。


よしひろう:「戻らなかった時の為ですか?」

受け付け人:「そうだ。縁起が悪いと思うかもしれんが、許してくれ。」

よしひろう:「いえ、お願いします。」


受付を終え、いよいよ地下迷宮の入り口に立つ。

門番が重い扉を開く。

中へと入っていく僕とエルマ。

後ろでは門が閉められる音がした。

目の前には地下へと続く階段がある。

まだ明るい今のうちにランタンに火を灯す。

受け付けでもらったパンフレットには地下3階までの地図が書いてあった。


よしひろう:「まずはまっすぐ地下4階を目指すってことでいい?」

エルマ:「ええ。それでいいわ。」

よしひろう:「この地下迷宮については学校で習ったりしたの?」

エルマ:「ええ。習ったわ。」

エルマ:「何層にもなっていて、最下層まで行った人間はいないそうよ。」

エルマ:「10層辺りから本格的なモンスターが出てくるらしいわよ。」

エルマ:「私が欲しい拳大の魔封石は地下30階くらいから出てくるようなの。」

エルマ:「でも、浅い層だからといって油断しないでね。」

よしひろう:「了解。」


地下へと進んでいく僕たち。

やはりランタンだけでは少し暗い。


よしひろう:「ランタン1つじゃ足りなかったか?」

エルマ:「ちょっと暗いな…」

エルマ:「魔法で明るくするか?」

よしひろう:「できるのか?やってくれ!」


エルマが呪文の詠唱を始めた。


エルマ:「天にて瞬きし星の光。我が杖に宿りて光明とならん。」

エルマ:「ライト!」


エルマの杖のクリスタルに小さな輝きが集まって行く。

段々と明るくなっていく周囲。


よしひろう:「おお!」


さらに輝きを増していくクリスタル。

どんどんとさらに明るくなる。

もう既に直視できない。


よしひろう:「おお!?」


直視どころか反対側を向いているのに眩しくて目を開けてられない状態になった。


よしひろう:「うおぉぉぉぉ!?」


目を閉じているのに目を塞ぐ手の骨が透けて見える!!


よしひろう:「やめろーー!」

エルマ:「今さら止められるか!」

よしひろう:「マントで覆えよ!」

エルマ:「今やる!」


マントで覆う事でやっと明るさが落ち着いた…

まだ目がチカチカしてる僕。

あービックリした。


よしひろう:「誰がそこまで頑張れ言うた!」

エルマ:「仕方がないだろう!調整が難しいんだ!」


地下3階まではモンスター類は特に何も出てこなかった。

地下4階への階段の前に立つ2人。


よしひろう:「いよいよだな」

エルマ:「うん。」


地下5階への階段を探し、4階をさ迷う。

通路横に空いた穴からカサカサという音がしてきた。

剣を抜いて身構える僕。

穴から拳2個分くらいの大きな蟻が2匹出てきた。

一匹目を剣で突き刺し倒す。

2引目を突き刺そうとしたとき、蟻がカチカチと鳴き出した。

仲間を呼んでいたので。

慌てて2引目を倒したが、時既に遅し。

通路にある沢山の穴から蟻がうようよと湧いてきた。

4、50匹はいるだろうか。

余りの多さに後ずさりする僕。


すると後ろから詠唱する声が聞こえてきた。

杖を覆っていたマントを外したせいか、あの眩しい光が再び僕を襲う。


よしひろう:「うわっ眩しい!!」

エルマ:「神より与えられし叡知の火光、その力、今ここに顕現せん。」

エルマ:「ファイヤー!」


僕の真横を掠めて火炎放射機ばりの凄まじい火炎が放たれた。


よしひろう:「熱っ!あちち」


気がつけば目の前の蟻は全て焼き尽くされていた。

僕の眉間から一筋の汗が流れ落ちた。

出発の日に食堂で出会った男の言葉を思い出していたのだ。


男:「背中には気をつけろよ…」


もし、自分に当たっていたらと考えると背筋がゾッとする。

再びマントで杖を覆うエルマ。


よしひろう:「今の…今のが全力のファイヤー…?」

エルマ:「当然だ。」


半ば呆れながら蟻の残した魔封石を拾う僕。

うっすらと青い小指の爪くらいの大きさのクリスタルだ。

さらに迷宮を進んでいく。

便箋にマッピングをしながらの潜入だ。

けっこうすんなりと進む事ができ、地下8階まで到達した。

これまでに倒したモンスターは大穴鼠、巨大毛虫だ。

この辺りまで来るとモンスターも強力になってくる。

人一人が通れる狭い通路を進んで行くと目の前に黒い大きな影が見えてきた。

その影がこちらに振り向く。

見ると熊だった。

慌てて剣を抜く僕。

熊がこちらに突進してくる。

目の前で立ち上がり腕を振り下ろす熊。

その鋭利な爪を籠手でなんとか防ぎ、剣を熊の胸に突き立てる。

「ガァ!」という断末魔とともに光の粒子のように消える熊。

その場に残された魔封石を拾って見る。

石の大きさはまだ小指の爪くらいだが濃い青色をしていた。

少しずつだがモンスターのレベルが上がってきているようだ。


エルマ:「まだ小さいわね。」

よしひろう:「ああ。」

よしひろう:「必要なのは拳大だったよな?」

エルマ:「そうよ。」

よしひろう:「今持ってる杖の魔封石は?」

エルマ:「これ、学校からの借り物なのよ。」

よしひろう:「そっか。」


先へ進む。

狭い通路を抜け、大きく広がった部屋に出た瞬間。

熊と目が合った。

しかも5頭。

慌ててエルマとともに狭い通路へと戻る。

一斉に襲いかかってくる熊達。

狭い通路なら一対一だ。

噛みついて来る熊の口に籠手を当てて防ぎ、喉を一突きにする。

次の熊が来る。

その勢いに押されて倒れ込む僕。

熊がのし掛かって来た。


よしひろう:「ヤバい!」


噛みつこうとする熊の口に剣を充てなんとか防御する。

防ぎつつクナイを手に取り心臓へ突き立てる。

光の粒子になって消える熊。

倒れた体勢の僕に3頭目が襲いかかろうとした瞬間、エルマの魔法が熊を襲う。


エルマ:「我が息吹よ集うて突発たる一撃とならん。」

エルマ:「アロー!」


その魔法は3頭目の胸を貫き、4、5頭目の胴体を分断、突き当たりの壁を大きく抉って止まった。


よしひろう:「凄まじい威力だな(ゴクリ)」

よしひろう:「ナイス!フォロー!」


「当たり前よ」と言わんばかりに髪をかき上げて微笑むエルマ。

僕は熊の残した魔封石を集めて回る。

結構な量が貯まってきたので換金が楽しみだ。

地下9階への階段を降りて行く。

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