僕は夢を見た(39) 王都へ
いつもの城門の前に立つ僕。
今日は何をしよう?
などと考えつつ街の中央にある求人板に向かう。
途中、八百屋でリズの親父さんに挨拶をする。
よしひろう:「ちーっす!」
リズの親父さん:「おう!おはよう!」
といつもと同じ元気な返事が返ってくる。
求人板に到着し、依頼内容を一通り確認する。
よしひろう:「特段、変わった以来はないな…」
次に騎士宿舎へと向かう。
アスター隊長の見舞いとセナに会うためだ。
守衛:「こんちはー」
よしひろう:「ちわーっす。」
守衛に挨拶して宿舎内に入り、アスター隊長のいる武道場に行く。
武道場は先日の旋風との戦い以降、臨時の救護所と化していたのだ。
アスター隊長の傍らまで行き、挨拶をする。
よしひろう:「おはようございます。」
よしひろう:「お加減はいかがですか?」
アスター隊長:「おはよう、よしひろう君。」
アスター隊長:「言葉にならないくらい痛いぞ…」
アスター隊長は痩せ我慢をしない正直な質なようだ。
アスター隊長:「そういえば…」
と思い出したように話を切り出す。
アスター隊長:「明後日に王都で騎士の昇格試験がある。」
アスター隊長:「セナと一緒に王都へ行ってくれないか?」
よしひろう:「僕もですか?騎士昇格試験は僕には関係ないんじゃ…」
アスター隊長:「「旋風」討伐の褒賞金の授与式もあるんだよ。」
アスター隊長:「頭を打ち取った君には出席する義務がある。」
アスター隊長:「陛下直々の授与式だからな。」
「えー?」と嫌そうな顔をする僕に「まぁ、そう言わずに」と笑顔で返すアスター隊長。
アスター隊長が何やら書面を僕に渡してきた。
褒賞金を受けとるための証明書みたいなものらしい。
アスター隊長:「これを王都内の城の衛兵に見せれば応対してもらえるはずだ。」
よしひろう:「はーい。」
それを受けとる僕。
見ると、5000万Gって書いてある!
すげーな、旋風のガルーダ!
あいつ、5000万Gもの賞金が掛かっていたのか!
アスター隊長:「セナが出発の準備をしているはずだ。」
アスター隊長:「セナの言うとおりにしていれば大丈夫だよ(笑)」
渋々了承する僕。
ロッカールームで忍者スーツに着替え、鏡で自分の姿を確認する。
よしひろう:「うん!今日もイケてるな、俺。」
宿舎を出たところでセナが馬に荷物を乗せていた。
見た感じ凄く気合いが入っているようだ。
僕に気づいたセナが問いかけてきた。
セナ:「よしひろうは馬に乗れる?」
よしひろう:「無理でーす。乗ったことありません。」
キッパリと答える僕。
セナ:「なら、私の後ろに乗りなさい。」
よしひろう:「はーい。」
実は空を飛ぶという案もあったのだが、セナの後ろに居たかったので黙っておいた。
まずはセナが馬に跨がり、僕はセナに引っ張りあげられて馬に跨がった。
馬上は思ってたより高くて少し怖いくらいだった。
セナが馬を歩かせ始めた。
後ろからセナにしがみつく僕。
セナの温もりが体全体で感じられ至福で感無量となる。
セナ:「そんなにくっつかなくても大丈夫でしょ?(苦笑)」
よしひろう:「だって、怖いんだもん。」
セナにここぞとばかりに甘える僕。
馬はそんなやり取りに関係なくゆっくりと王都へ向けて進んでいく。
エアリスの街から王都までは馬で半日の距離らしい。
5、60kmくらいってところだろうか。
途中、昼食休憩をとる二人。
昼食はサンドウィッチだった。
よしひろう:「これ、セナが作ったの?」
セナ:「そうよ?」
セナが作ったと聞いただけで美味しさ倍増だ。
よしひろう:「明後日の騎士試験、緊張してる?」
セナ:「緊張してないと言ったら嘘になるわね。」
セナ:「今までの努力の成果を全て出しきるだけだわ!」
よしひろう:「うんうん(モグモグ)」
よしひろう:「僕は陛下との謁見があるからなぁ…」
セナ:「大丈夫よ。とりあえず跪いておけばなんとかなるでしょ?」
よしひろう:「そんな…適当すぎますって、その助言(笑)」
昼食も終わり、再び馬に跨がる二人。
王都に着いたのは日が暮れる直前だった。
城門では衛士が街道を歩く人たちに早く来いと手招きしていた。
どうやら日没と同時に門を閉めるらしい。
僕たちも急ぎ城門の中へと入った。
薄暗くて良くは見えなかったが、エアリスの街とは比べ物にならないくらいの巨大な街だった。
そして、山のようにそびえるお城!
よしひろう:「あの中にエリーがいるのか…」
城を眺めてボーッとしている僕にセナが声をかけてきた。
セナ:「よしひろう!宿屋を探すわよ。」
よしひろう:「了解!」
宿屋に着き、馬の手綱を柵に括りつけるセナ。
荷物を下ろし、手分けして宿屋へと運び込む。
セナが宿屋のカウンターで宿泊を申し込んでいる。
セナ:「3泊4日でシングルを2部屋。禁煙だ。」
宿屋の主人:「朝食は?」
セナ:「朝食付きで頼む。」
宿屋の主人:「1人20000Gで計40000Gだ」
お金を支払うセナ。
よしひろう:「セナ、僕の分は後でお返しします。」
うんと頷くセナ。
とりあえず自分の部屋の中に入った。
さっそく、いつものTシャツ半パンツに着替える。
そして、セナの部屋に行き、ノックをする。
セナが出てきた。
いつもの甲冑姿ではなくラフな姿のセナ。
思わず食い入るように見てしまった。
セナ:「そんなにジロジロ見るな。恥ずかしいだろ!」
セナ:「行くぞ!」
これから一緒に夕食を食べに食堂へと行くのだ。
外の食堂へと入ると様々な人が居た。
冒険者風の人、ごつい鎧を着た人、耳の長い人、背が低くてずんぐりむっくりな人。
労働者風なのもいれば、柄の悪そうな人もいた。
よしひろう:「あの人、エルフですか!?」
セナ:「ああ。そうだな。エアリスの街では滅多に見ないが、王都では普通に居るぞ。」
セナ:「(あまりジロジロ見るなよ。)」
よしひろう:「(はい…)」
夕食は僕の奢りで豪勢な料理を食べた。
セナの騎士昇格の前祝いと褒賞金獲得の祝いを兼ねて。
牛スジのビーフシチューにステーキ、デザート付き。
と言っても1人7000Gのコースだが…
食後、宿屋に戻り、手を振って別れる二人。
それぞれの部屋へと戻っていった。
部屋に着くなりベッドに横になる僕。
よしひろう:「腰が痛てー」
満たされた腹と旅の疲れで段々と意識が薄れていく。
目が覚めた。
横ではスマートフォンのアラームが鳴っている。
寝相が悪かったのか、実際に腰が痛かった。




