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夢の中だけ勇者さま?  作者: 菅原よしひろう
その新たなる能力を
35/58

僕は夢を見た(34) その新たなる能力を

いつもの城門の前に立つ僕。

昨日はリズに怒られて大変だった。

自重しようと自分に言い聞かせる。

騎士宿舎に向かう事にした。

新しい技をアスター隊長に見てもらおう。

途中にある八百屋で、リズの親父さんに挨拶をする。


よしひろう:「お、おはようございます。」


リズの親父さんの顔色を伺う。


リズの親父さん:「おう!おはよう!」


いつもと同じ威勢のよい返事が返ってきた。

手でグーを出してくるリズの親父さん。

許してもらえたみたいでホッとする僕。

騎士宿舎に着き、守衛にも挨拶をする。

姫様が帰ってからは再び顔パスで通れるようになっていた。


よしひろう:「うぃーっす。」

守衛:「おはよー。」


宿舎の中へと入っていく。

アスター隊長のいる部隊長室の前まで来た。」

ノックをすると中から声が聞こえてきた。


アスター隊長:「誰か?」

よしひろう:「よしひろうです。」

アスター隊長:「入れ。」


ここぞとばかりに右手をドアに付け


よしひろう:「スルー!」


とドアを通り抜ける僕。

どらから僕がニュッと生えてきたのを見て驚愕の表情をするアスター隊長。


アスター隊長:「今のは…何だ?」

よしひろう:「僕が習得した新しい技です!」


自信満々で答える僕。


アスター隊長:「そ、そうか(苦笑)」

アスター隊長:「次からは普通に入ってきてくれ。」

アスター隊長:「心臓に悪い。」


と、アスター隊長から釘を刺される。

どうやら不評なようだ。


よしひろう:「はい…わかりました。」

と少しガッカリ気味な返事をする。


よしひろう:「剣の練習に行ってきます。」


と言い、一礼をしてその場を離れた。

ロッカールームへと行き、忍者スーツに着替える。

クナイベルトを装着し、姫様から頂いた剣を腰の左側に差し込む。


よしひろう:「よし!」


と気合いを入れて武道場へと入る。

そこではセナが独り鍛練をしていた。


よしひろう:「おはよう。」

セナ:「おはよう」

よしひろう:「精が出ますね。」

セナ:「昇格試験が近いからね。」

セナ:「ちょうど良かった。相手になってくれ。」


そう言うと、木剣を渡してくる。


よしひろう:「お、お手柔らかにお願いします。」


向き合う二人。

セナから仕掛けてきた。


セナ:「せいやっ!」


鋭い突きが目の前に迫ってきた。

それをなんとかかわしてセナの胴へと木の剣を当てる僕。


セナ:「!?」

セナ:「大分上達したじゃない。」

よしひろう:「セナやアスター隊長のお陰ですよ。」

よしひろう:「っていうか、今のはまぐれでしょ(苦笑)」


その後も剣を交えたが、やはり最初のはまぐれだったみたいで、こてんぱんにのされてしまった。


よしひろう:「(ハァハァ)やっぱセナさん強いっす。」

セナ:「(ハァハァ)よしひろうもいい動きしてたじゃない。」


仰向けに横たわり休憩する二人。

しばらくそうしているとハッと気がついた。

僕の新しい技をセナにも見てもらおう。


よしひろう:「セナに見せたい技があるんだ。」

セナ:「技?どんな技?」

よしひろう:「ちょっと待ってて。」


と武道場の外に出る僕。


セナ:「わざわざ外に出なきゃいけない技なの?」


怪訝そうな顔をするセナ。

僕は扉を閉め、手を付けて意識を集中する。


よしひろう:「スルー!」


にゅーっと僕が扉を通り抜けて来る様を見て愕然とするセナ。


セナ:「何!?その気持ち悪い技!」

セナ:「それ使って私の部屋に入って来たら殺すかもよ!」


セナからも不評だった。

しょんぼりとしながらロッカールームへと来た。

ため息をつきながら着替える僕。


よしひろう:「そんなに毛嫌いしなくても…」

よしひろう:「この技、使い道無いじゃん…」

そう考えていると意識が遠退いてきた。


目が覚めた。

横ではスマートフォンのアラームが鳴っている。

すかさずそのアラームを止める。

寝起きの気分はというと…

良かれと思って作ったプログラムが酷評されたときの気分だった。

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