僕は夢を見た(23)
いつもの城門の前に立っている僕。
騎士宿舎へと向かって歩き始める。
リズの親父さんの八百屋前を通りかかる。
リズノ親父さん:「よう!兄ちゃん!おはよう!」
笑顔で返事をする僕。
よしひろう:「おはようございます。」
昨日の事が嘘のように感じる。
騎士宿舎に着いた。
守衛に挨拶する。
よしひろう:「おはようございます。」
守衛:「おはよう。」
守衛:「昨日は大活躍したって聞きましたよ?」
よしひろう:「まさか(笑)」
守衛:「あ、アスター隊長なら居ませんよ。」
守衛:「山賊の溜め込んでいた財宝を回収しに行ってますから。」
よしひろう:「じゃ、セナさんも居ませんか…」
少しがっかりする僕。
守衛:「セナさんは居残りです。隊長から何やら言われたみたいで。」
守衛:「詳しくは知りませんけどね(笑)」
よしひろう:「じゃ、セナさんに会いに入らせてもらいますね」
どうぞという仕草をする守衛。
セナの部屋の前に来た。
ノックをする僕。
中からセナの声が返ってきた。
セナ:「誰か?」
よしひろう:「よしひろうです。」
セナ:「どうぞー」
と嬉しそうな声をあげるセナ。
部屋の中へと入りセナを見る。
ベッドの上で上体を起こしていた。
よしひろう:「寝てなくて大丈夫なんですか?」
セナ:「平気、平気」
と右手で力瘤をつくって僕に見せてくる。
セナ:「みんな心配しすぎなんだよ。」
セナ:「隊長からは2、3日安静にしとけって命令されるし。」
セナ:「全っ然っ大丈夫なのに!」
とむくれっ面になる。
よしひろう:「昨日、死にかけたんですから我慢してください(苦笑)」
よしひろう:「でも、元気そうでよかったです。」
セナが顔を少し背けて話し始めた。
セナ:「隊長から聞いたんだけど…」
セナ:「昨日、私が死んだと思って泣いてくれたんだって?」
よしひろう:「いや…あの…その…」
恥ずかしくて顔が赤くなっていく僕。
セナ:「ありがとっ」
そう言ったセナの顔も少し赤くなっているようだった。
よしひろう:「セナの元気なところも見れたし、そろそろお暇します。」
手を振って部屋から出る僕。
宿舎から出るとレンジャーが荷造りをしていた。
馬に食料やら水やらを載せている。
レンジャーと目が合う。
レンジャー:「よしひろう殿、昨日はありがとう。」
レンジャー:「おかげで首領を取り逃すことなく万事上手くいった。礼を言う。」
少し照れ気味になる僕。
よしひろう:「一人も倒せなくてすいませんでした…」
レンジャー:「それは我らの役目だ。」
と笑い飛ばすレンジャー。
よしひろう:「足を引っ張ってばかりで…」
レンジャー:「よしひろう殿の活躍は正しく報告しておく。」
レンジャー:「そろそろ王都へと戻らねばならんのでな。」
そう言うとレンジャーが拳を突き出してきた。
僕にも拳を出すよう目配せをする。
僕も拳を突きだした。
レンジャー四人の拳に僕の拳が合わさる。
レンジャー:「正義をもって世を正さん!」
え?っとなる僕。
レンジャー:「よしひろう殿には我々とは違った人生を歩んでもらいたいのだ。」
レンジャー:「これは我々からの手向けだ。」
レンジャー:「また会える日を楽しみにしている。」
そういうと馬に股がり王都への帰路につくレンジャー。
よしひろう:「お世話になりました!」
よしひろう:「ありがとうございました!」
拳を挙げてそれに答えるレンジャー。
その後、僕は城門前へと来た。
城門前の石に腰掛け、青空を見上げ、流れる雲をボォーっと眺める。
いつもの平和な日常に戻った気がした。
そう、借金だけを残して…
だんだんと意識が薄れていく。
目が覚めた。
横ではスマートフォンのアラームが鳴っている。
慌ててそれを止める僕。
さぁ、仕事に行くか!




