僕は夢を見た(20)
いつもの城門の前に立つ僕。
今日は何をしようか等と考えつつ求人板に向かう。
途中、リズの親父さんの八百屋の前を通りかかる。
リズの親父さん:「よう!兄ちゃん!元気か?」
なんだかえらく機嫌が良さそうなリズの親父さん。
よしひろう:「こんにちはー」
リズの親父さん:「ほれ!これをやるよ!」
とリンゴを一つ投げてきた。
それを受け止める僕。
よしひろう:「今日はえらく機嫌がいいですね。」
よしひろう:「何かいいことでもあったんですか?」
リズの親父さん:「分かるか?ガハハ」
と手に持った菜切り包丁を見せびらかす。
よしひろう:「包丁っすね。それは?」
リズの親父さん:「リズがな、俺の誕生日にくれたんだ。」
よしひろう:「誕生日のプレゼントですか!」
ニンマリと笑うリズの親父。
リズの親父:「ほら、見てみな!」
と目の前でキャベツを真っ二つに切って見せる。
凄い切れ味だ。
よしひろう:「おめでとうございます。」
リズの親父:「おう!ありがとよっ!」
と少し照れ気味なリズの親父さん。
リズの親父さんと別れて求人板に向かう。
リズがお金を欲しがっていた理由が分かった気がした。
親父さんへのプレゼントを買うのに必要だったのだ。
よしひろう:「やっぱ、可愛いよな、リズは。」
そうこうしているうちに求人板の前についた。
依頼書を眺める僕。
-- 求む。害虫駆除 --
家の庭木に毛虫が湧いて困っています。
駆除をお願いします。
謝礼金 5000G
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よしひろう:「け、毛虫かぁ…毛虫も苦手
なんだよなぁ」
よしひろう:「でも、家の庭木ってとこが味噌だな。これなら出来そう。」
依頼書を剥がし、受付嬢の所へ持っていく。
よしひろう:「これ、お願いします。」
受付嬢:「こちらにご記入ください。」
依頼を受け、依頼主の家を教えてもらった。
リズの親父さんの所に行き、箒と塵取りを貸してもらい、依頼主の所へ向かう。
超巨大な毛虫だったらどうしよう等と心配しながら歩いているうちに依頼主の家に着いた。
よしひろう:「こんにちはー。依頼の件でやって来ましたー」
家の中から「はーい」と返事が。
出てきたのは4、50代の女性。
家の裏手の庭に通された。
女性:「ほら、これ!」
と見せられた木にはびっしりと毛虫が張り付いていた。
背筋がゾクゾクする。
女性:「よろしくお願いしますね。」
女性:「毛虫はこの袋に入れておいてくださいな」
と大きな麻袋を渡された。
よしひろう:「はい。頑張ります。」
と答える僕。
毛虫をよく見ると、イラガだった!
あー、これ、柿の木だ…
よしひろう:「これに刺されると痛いんだよなぁ」
とため息をつきながら箒でイラガを地面に叩き落とす。
叩き落としたイラガは足で踏み潰す。
たまに自分スレスレに落ちて来たときは
よしひろう:「(ひぃぃぃ)」
と声にならない声を発する僕。
潰したイラガは塵取りに集めて麻袋の中へと放り込む。
2時間ほどでイラガは全て駆除できた。
女性に声をかける。
女性:「まぁ!綺麗になって。助かったわ。ありがとう。」
と依頼書にサインをする女性。
よしひろう:「また何かあったらお願いしますねー」
と一礼しその場を去る。
求人板の受け付けに行き、報酬の5000Gを受け取った。
借金の事が気になっていた僕は、少しでも返済しておきたくて武器防具屋へと向かう。
武器防具屋に着き、中へと入る僕。
店主:「いらっしゃい」
と愛想笑いをする店主。
よしひろう:「おやっさん、返済を…」
と言いかけた瞬間、目の端にあるものが映った。
それは7、8本の山のように積まれたクナイだった。
1本2000G
欲しくてたまらない。
そのクナイを2本手に取り、お会計場所へと進む僕。
買っちゃった。
この世界で始めて購入した武器だ。
買ったばかりのクナイを近場にあった木に向かって投げてみる。
コンッと音をたててあらぬ方向へと弾かれるクナイ。
よしひろう:「あれ?刺さらないぞ?」
何度やってもダメだた。弾かれるのだ。
よしひろう:「これは使い方を教えてもらわないと、どうにもならないぞ…」
騎士宿舎の武道場へと向かう。
そこではアスター隊長、セナを含め多くの者が鍛練していた。
アスター隊長に声をかける。
よしひろう:「こんにちは!」
アスター隊長:「あぁ、よしひろう君。どうした?」
よしひろう:「これの使い方を教えてくれませんか?」
とクナイを差し出す。
「うーん」と眉をひそめるアスター隊長。
クナイを手に取り、「こうか?」とばかりに壁に投げつけた。
カツッという音を立て、その場に落ちるクナイ。
セナがやって来た。
セナ:「私にもやらせて」
とにこやかにクナイを手にする。
次の瞬間、真剣な顔になり、壁めがけて投げつける。
セナ:「せいやー!」
ゴツッ!と音をたててその場に落ちるクナイ。
壁が凹んでいた…
その場にいた他の隊員達も「俺にもやらせろ」といって皆であれこれ試したが、誰も上手く扱える者はいなかった。
アスター隊長:「これは難しいな(苦笑)」
セナ:「私には無理だわ(苦笑)」
自分でなんとか頑張るしかなさそう。
がっかりする僕。
その場を立ち去ろうとした時、アスター隊長が小声で話かけてきた。
アスター隊長:「例の話だが…」
山賊の話であることはすぐに理解できた。
アスター隊長:「近日中に本部から応援が来る。」
アスター隊長:「その際には君にも参加してもらいたい。」
よしひろう:「分かりました。」
と返事をする。
ロッカールームへと行き、クナイを自分のロッカーにしまう。
このクナイ、どうしよう?
最悪、投げるのは無理でもナイフ代わりには使えるかな?
そう考えているうちに意識が遠くなる。
目が覚めた。
横ではスマートフォンのアラームが鳴っている。
すかさずアラームを止める。
そういえば現実社会でもナイフなど持った事がなかった。
よくいってカッターナイフ、肥後守、包丁くらいだ。




