僕は夢を見た(18)
いつもの城門の前に立っているのだが…
いつもとは状況が少し違っていた。
いつもは昼間に現れるのに今回は夜だったのだ。
これは多分、寝る前に僕がそう願ったからだろう。
時間帯は深夜あたりだろうか。
家々の明かりは消え、静まり返っていた。
守衛に挨拶をして騎士宿舎へと入る。
あのお気に入りの衣装に早く着替えたくて仕方がない。
ロッカールームに行き、さっそく着替えるのだが…
慣れていないせいか、かなり手間取ってしまう。
よしひろう:「こんなの着たことなかったからなぁ」
などとぼやきつつも試着の際の事を思い出しながら何とか着ることができた。
よしひろう:「さて、行くか。」
宿舎の外に出て、空を見上げる僕。
大きな満月が見えた。
よしひろう:「なんて綺麗なんだろう…」
思わず呟いた。
まずは尖塔の上まで飛んでみることにした。
軽々と宙に浮かぶ僕の体。
尖塔の先端に降り立つ。
月明かりで街が明るく照らされていた。
腕を組み、直立姿勢で眼下の街を見下ろす。
塔に立つ自身の姿を想像し、しばらくの間悦に入る。
そして充分に満足した後に、本来の任務である山賊探しを始めた。
街の西側を見ると富士の樹海のような大森林が広がっていた。
エアリスの森だ。
よしひろう:「この森のどこかに山賊が潜んでいるのか…」
山賊が夜営をしているのであれば、火を使うだろう。
その火を辿れば山賊の居場所が分かるはずだ…
と安易に考えていたのだが、宛が外れたみたいだ。
火の明かりは全く見えない。
よしひろう:「木の影に隠れて見えないのか?」
森の上空を満遍なく飛んでみたが、何も見つからない。
よしひろう:「これは一筋縄じゃいかないぞ…」
任務の責任の重大さと困難さに胃がキリキリする。
適当な木を見つけ、その先端に降り立ちしゃがみ込む。
よしひろう:「まいったな…見つけられる気がしない…」
僕は月を眺めながらため息をついた。
眼下に広がる大森林を前に無為に時間だけが過ぎていった。
だんだんと意識が薄れていく。
目が覚めた。
横ではスマートフォンのアラームが鳴っていた。




