僕は夢を見た(12)
いつもの城門の前に立つ自分。
今日は何をしよう。
セナさんのいる騎士の宿舎にでも行ってみるか。
尖塔に向かって歩き始める僕。
尖塔は街の中央だ。
宿舎らしき場所まで来ると、守衛の詰め所があった。
一人の守衛に声をかける僕。
よしひろう:「あの…セナさんにお会いしたいんですが。」
守衛:「名前は?」
よしひろう:「「よしひろう」です。」
守衛:「ちょっと待っててね。」
宿舎の中へと入っていく守衛。
しばらく待っていると宿舎からセナさんが現れた。
セナ:「来てくれてありがとう。」
ニコニコしながら手を振るセナさん。
セナ:「さっそくだけど、隊長のところに行くよ?」
よしひろう:「はい。」
ちょっとドキドキしながら付いていく僕。
宿舎の中に入り廊下を進んで行くと、部隊長室と書かれた扉があった。
ノックをするセナさん。
中から「誰か」という返事が返ってきた。
セナ:「セナです。」
と答えるセナさん。
中へ入れという指示があり室内へと入る僕とセナさん。
目の前には背の高い凛々しい姿の男がいた。
男:「君が「よしひろう君」か?」
よしひろう:「は、はい!」
少し噛みながら返事をする。
男:「私はアスター。この街を守る守備隊の隊長だ。」
アスター:「先日はセナを助けていただき感謝する。ありがとう。」
と右手を差し出してきた。
僕も右手を出し、握手する二人。
アスター:「ところで、よしひろう君は…住所不定の日雇い人足と聞いているが…そうなのか?」
よしひろう:「はい。」
直立不動で答える僕。ちょっと冷や汗。
怪訝そうな顔つきでマジマジと僕を見つめるアスター隊長。
そのうち納得したようにふぅむと頷く。
アスター:「空を飛べるというのは本当か?」
アスター隊長が聞きたかった一番の話題はコレのようだった。
よしひろう:「はい!」
と冷や汗をかきながら答える。
アスター隊長:「見せてもらえるか?」
急に言われてもなぁと思いつつ心を落ちつかせ意識を集中し念じる。
よしひろう:「(浮け、浮け)」
30cm程度浮いて見せた。
驚愕の表情で僕を見つめるアスター隊長。
アスター:「セナの言ったとおりだったな…」
セナ:「はいっ!」
勝ち誇ったような表情のセナさん。
どうやら最初の報告では信じてもらえなかったみたいだ。
少し考え込むアスター隊長。
アスター:「よしひろう君、君に頼みたい事がある。大変重要な事だ。」
よしひろう:「な、な、なんでしょうか?」
守備隊の隊長からの頼まれごとなんて録な話しかない事は想像できた。
不安でいっぱいだ。
アスター:「その前に君の剣技を確認したいがいいか?」
よしひろう:「け、剣は全く扱ったことありませんよ!?」
怯えまくる僕。
アスター:「それはそれで構わない。少し試してみたいだけだ。」
ついて来いという仕草をするアスター隊長。
連れてこられたのは武道場のような場所。
アスター隊長から木剣を渡された。
アスター:「さぁ、どっからでも打ってきたまえ!」
アスター隊長に木剣を打ち込む僕。
何度打ち込んでもあっさりと弾き返される。
いわゆるへっぴり腰なのだ。
また少し考え込むアスター隊長。
アスター:「今度はこちらから打ち込むから受けてみろ。」
よしひろう:「え゛!?」
素早く何度も剣を打ち込んでくる。
流れるような剣さばきで。
それを必死に変な格好になりながらも受ける僕。
なんとか全ての剣を受けきった。
横にいるセナさんを見ると口に手を当ててクスクスと笑っていた。
正直、恥ずかしい。
アスター:「剣の才能は…無い。が、反応は素晴らしい。」
アスター:「剣の扱いを教えてやる。いつでもここへ来なさい。」
アスター:「君への頼み事はその後に考えることにするよ。」
よしひろう:「(ハァ、ハァ)はい…」
その後、セナさんに付き添われ宿舎を出る僕。
セナ:「今日は来てくれてありがとう」
よしひろう:「セナさん、酷いですよ…まさかこんな目にあうなんて。」
またクスクスと笑い始めるセナさん。
セナ:「セナでいいよ。それに君、私より年上なんでしょ?」
よしひろう:「僕、22歳っす。」
セナ:「私のが一つ上か!」
ウゲッという顔をするセナ。
じゃぁねと手を振ってその場を別れる二人。
疲れた…気が遠くなっていく。
目が覚めた。寝たはずなのに疲れが全然取れていない…




