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神様が転生先をミスした

作者: 拓三千

宇宙の中に浮かんだ神殿--


そんな感じの場所に俺はいた。


目の前には1人の女神が立っている。

どうやら俺は死んでから、ラノベでよくある転生をするためにここに呼ばれたようだ。

生前からラノベの転生物モノが大好きだった俺の心臓は喜びで高鳴っていた。

宝くじで高額配当が当たった人も、きっとこんな気持ちなのだろう。


目の前の女神が口を開く。


「あなたの魂は転生者として選ばれました。

混乱渦巻く異世界を救う勇者となるために、あなたには特別な力を与えます。その力を使って異世界の人々を救ってください。」


透き通る様な美しい声で女神は優しく伝えてきた。

俺の答えはもちろん…


「はい!!喜んで!!異世界の人々を救うため、全力で頑張ります!」


こうなる訳だ。


異世界冒険には危険が付き纏う。

凶悪なモンスターや、悪に染った人々や国。

そんなものもある。


だが大抵の異世界転生はハーレムや富、地位や名声がジャンジャン入ってくる!!

乗るしかないだろ?このビッグウェーブ!!


全てを包むような優しい微笑みを浮かべ、女神はコクリと頷く


「素晴らしい方ですね。あなたを選んで良かった。

あなたに救ってもらう世界は〘カサンドラ〙と呼びます。そこはとても危険な世界です。

ですのであなたには特別な能力を与えます。」


キターーーーーーー!!!特別な能力貰えるの確定ーーー!!

胸の鼓動がより一層高鳴る。

だが、その事を悟られないように冷静を装って礼の会釈をする。


「あなたに与える能力は--」


くるぞくるぞーーー!!


「〘強くてニューゲーム〙というものを与えます。」


はい当たり確定ーー!!!


「数ある異世界の中でも〘カサンドラ〙は最上級の危険な世界ですので、この能力にしました。この世界を救うのはとても大変な苦労があると思います。

この能力を使って人々に平和と安らぎを取り戻してください。」


女神は女神らしい祝福の微笑みを浮かべてから俺の頭に手を添えた。

全身に暖かい何かが流れてきて、魂の芯から力がみなぎる感覚がする。


女神の表情が今までの優しい顔から真剣な表情へと変わる


「それでは今から転生を開始します。ご武運をお祈りします。」


俺の異世界生活(ハーレムとか)が始まる!!がんばるぞ!!!


多少卑猥な事を考えつつ心の中で決意を固める。


すると視界が歪んでからフェードアウトを始めた。

そして目の前の景色が見えなくなる少し前に


「あ…間違え……」


女神が何か言った様な気がしたが、きっと気の所為だろう…


こうして俺の異世界生活が始まっ--------------

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