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ご都合主義の立役者

「――キャアァァッ!」


 金剛さんが声を発した。それは試合再開直後のこと。


 試合が一時中断される。何事かと注目が集まる。


 それに彼女は、堂々と言った。


「胸を触られましたぁぁ!」


 と。


「はぁっ!? 俺は何もしてない!」


 男は訴える。だが、それに俺は声を大きくした。


「おいおい……さすがにそれはないでしょう」

「なっ! 俺は本当に触ってないんだ!」

「触られたと、彼女が言ってるんですが?」

「冤罪だ! 勝てないからって卑劣だ!」

「じゃあ、それをどうやって証明するんですか? 誰かぁ! 見ていた人はいませんかぁ!?」


 叫んだ言葉に応える者はいない。当たり前だ。


 俺はこの試合、ずっと注意して見ていたからだ。


 どうすれば彼に冤罪をかけられるのか……周りの連中が、視線をどこに向けているのかを。


 だから金剛さんに指示した。


――試合開始直後に「胸を触られた」と発言して欲しい、と。


 試合開始直後、みんなはスタート地点に目を向けていた。それは審判であるキャプテンですら例外ではなく、その瞬間だけ金剛さんは視線から自由になる。


 だから、その瞬間を狙った。


「私、もう怖くて試合できません!」


 演技がかった金剛さんの主張。それだけ見れば、どう考えても俺たちの姑息な手段のようにも思える。だが、それを証明する術はどこにもない。


「審判。触ったのか触ってないのか分かりませんが、この問題はコートに持ち込み続けるべきではないと思いますが?」

「……天津、お前」


 キャプテンの目に失望の色が浮かんだ。それでも、俺は続ける。


「二人とも、一時退場にすべきでは?」


 そうして、それを提案してやった。キャプテンは黙って何かを考えていたが、俺は周りに向けて声を張り上げる。


「やっぱりヤリチン野郎のチームだけはあるよなぁ? みんなは、こんなことが二度と起きないよう今度はちゃんと見ていてくれ」


 その言葉に、嫌悪感を露にする者たち。彼らには分かっているのだ。これが、俺たちの悪どい手段であることに。


 だが、構うものか。そして、もっと怒ってくれ。


 それこそが(・・・・・)、次の一手になる。


「……やむ終えんな」


 キャプテンはなくなく承諾してくれる。それに俺は、冤罪の彼に謝っておいた。


「すいませんねぇ。触ったとしても故意じゃないと思いますが、取り敢えずコートの外で見ておいて下さいよ」

「お前の指示かよ……ほんと、お前って最低な野郎だな。俺が抜けたって、勝てるはずないのにな?」


 彼は吐き捨てるように言った。そうして、金剛さんと共にコート外に出ていく。彼がそうやって素直に従ったのは、自分抜きでも勝てると思っているからだろう。


「……お前、それで勝って嬉しいの? そんなので岸波奪ったって、お前にはなびかないよ?」


 俺に張りつくバスケ部員が言った。そして、その表情には復讐心にも似た感情を露にしている。


 あぁ……どうしてこうも、人って分かりやすいのだろう。


「結果が全てですよ? 勝てば官軍。言いたいことはそれだけですか?」

「なんだと?」


 その瞬間、俺は怯えたように声を再び大にする。


「ちょっ、暴力は止めてくださいよ!」

「はぁっ? ……なんもしてねぇじゃん!?」


「おい、お前たち何してる!」


 キャプテンが止めにきて、俺はサッと距離を取った。


 仕上げに、そのまま北上に顔を向ける。


「北上ぃ! お前も触られたら遠慮なく訴えろよ!」

「お……まえ……」


 もはや、彼は爆発寸前だった。


「やめろ! 怒れば奴等の思うつぼだぞ」


 そんな彼を制したのは、明石先輩。


「さっきのは明らかに冤罪だろ。……それに、それは周りの奴等も分かってるさ。今度同じ手は通用しない。なにせ、彼が言った通り、今度ばかりはみんなが監視しているんだからね?」


 明石先輩は淡々と告げた。まるで、俺の言葉を逆手に取ったかのように悠然としていた。


 だが、明石先輩……あなたは大きな勘違いをしている。


 俺が同じ手を使うとでも? 俺が北上にそんなことを指示するとでも?


 次のターゲットはあんたじゃあない。


 次のターゲットは……。


 再開された試合。動き始めるゲーム。そして、俺は怒りを露にしていた彼にわざと近づき……次の瞬間、大声を上げてうずくまったのだ。


「うおぉぉぉぉ! きん◯ま蹴られたぁぁ!」


 やはり中断する試合。二度目の冤罪に彼らはウンザリとした反応。だが、俺は怒りの声を露にした。


「さっきの復讐ですかぁ! 卑怯じゃあないですか!!」

「おま……卑怯なのはどっちだよ!」

「誰かぁ! 今のを証明出来る人はぁ!?」


 シンと静まり返る体育館。いるわけがない。


 奴等は俺と彼の事など見ているはずもない。


「明らかな暴力だぁッッ! 退場にしろぉぉ! そして、俺も保健室にいぐぅぅ!」


 喚く言葉に同情の視線はない。むしろ、冷たい視線が集まっていく。それでも、俺の主張を覆せる者はいない。正義感の強いお前たちは、北上と明石先輩だけを監視していたのだからなぁ!


「……天津、お前何をしたいんだ?」


 駆け寄ってきたキャプテンは、しゃがんで小声で囁く。


「それはこっちの台詞ですよ……。ほら、早く場を収めたいなら退場をコールしてくださいよぉぉ」


 彼は顔を手のひらで覆い首を振る。そして、男に退場を告げた。


「待ってください! 俺は本当に何もしてないんですよ!」

「……分かってるさ。だが、こいつがそう主張している以上、放っておくわけにもいかん。それに、明石一人でも試合は勝てるだろう」


 というより、もう関わりあいたくないと言った感じだった。俺は、痛みを堪えたフリをしながら立ち上がり、よろよろと出口に向かう。


「普通は逆なんだがな? 天津」


 そんな俺に後ろから声をかけられた。


「ラフプレーなんて、故意じゃないにせよ、熱くなった試合には必然的にあったりするが……殆どの選手はそれを言葉にせず黙って戦うものだぞ?」


 俺は前屈みのまま、振り向く。


「あんたのバスケ道を、俺に押し付けんなよ。俺は俺の道を行くだけだ……」


 それにキャプテンは、ため息を吐いた。


「お前は破門だ。今後一切、バスケ部に関わることはこの俺が許さん」

「上等ですよ……」


 いつから門下生になったよ……。


「ホントに、これで(・・・)いいんだな?」


 彼は念を押すように言ってくる。それに俺は笑うだけ。


 やっぱ分かってんなぁ……。この作戦、この人が居なかったら成立しなかった。


 キャプテンは最初から分かっていた。俺が試合をけしかけたのは、明石先輩と岸波先輩の為であることに。だからこそ、部外者の俺が試合を言い出したことに承諾してくれたのだ。普通ならこうも簡単に試合などしてはくれなかった。俺は、この人に感謝すべきなのだ。


 そして彼は、やはり最後まで俺の味方でいてくれた。だからそう問いかけたのだろう。これで良いのか? と。


 俺はその厚意に報いるため、少しだけ向き直る。


 たとえ伝わらずとも、その意は示すべきだと思った。


「俺は何かを変えようなんて最初から思ってませんよ。それを真に出来るのは、本人たちだけでしょう?」


 彼は答えない。だから、俺は彼の答えをもちゃんと付け足してやる。


「あなたも……そう思ったからこそ、何も言わなかったんじゃないんですか?」


 やはり、彼は何も言わない。そしてそれこそが答えのようにも思えた。


 彼は、俺が試合を申し込む時に明石先輩にも『大バカ野郎』だと言った。つまり、彼は明石先輩と岸波先輩が別れた真の理由について分かっていたのだ。だが、分かっていながら彼はそこに介入しようとはしなかった。ただ、その結末を結末として受け入れたのである。


 彼はそれすらも分かっていたから。それは二人だけの問題であり自分が介入するようなことではない、と。それこそ――岸波先輩、もしくは明石先輩に恋愛感情を抱いているような者でなければ介入してはならない、と。


 そして、そんな奴は現れた。愚かにも……明石先輩に『バスケで勝負を挑む』なんていうアホな企画を持ち込んで。


 だからこそ、彼はそれに乗じた。


 俺は、そんな彼の優しさを利用した(・・・・)のだ。


 そして優しい彼は、こんな退場劇すらも彼は受け入れた。あり得ない審判を務めてくれた。


 こんなにも……あっさりと、俺と彼らを舞台から除外してくれた。全ては俺の思惑通りに。


 感謝というよりは、謝罪にも近いのかもしれない。つくづく俺って最低だなと思う。この作戦の真のターゲットは、優しくも甘い、彼だった(・・・・・)のだから。


「――ちょっと! なに? どういうことなの?」


 体育館から去ろうとする俺に、北上が詰めよってくる。彼女には、未だ事態が把握しきれていない疑問符が浮かんでいた。


 だが、その疑問を解決する必要はない。大切なことはそこではないのだから。


 だから、大切なことだけを俺は伝える。


「北上……俺は明石先輩のことなんて知らないし、中学時代のことも知らない。だが、そんな彼を凄いと言い、好きになった岸波陽子という人間を俺は凄いと思ってる」


 これは、一つの鑑定技術である。話したこともない、見たこともない人を評価するための鑑定技術。


 俺は明石先輩を知らない。だから彼を評価しようがない。だが、そんな彼を評価する岸波先輩は、俺のなかでは凄かった。


 つまり、俺の中で凄い岸波先輩が凄いと評価する明石先輩は、やはり俺にとっても凄いということになるのだ。あれだ。お前を信じる俺を信じろ的な考え。何か判断に困った時は、それに関連する事柄を評価することで答えを導き出せばいい。自分の価値観だけでなく、そうやって他者の価値観さえも自分の結果にしてしまう俺は、そろそろ天元突破くらい出来てしまいそう。


 そして、岸波先輩を経由した「明石先輩は凄い」という事実が浮かび上がってくるとき、俺は北上についても評価することになった。


「お前は自信を持っていい。岸波先輩は良い女だ。そんな彼女が好きになった明石先輩も良い男なんだ。だから……そんな明石先輩を好きでいるお前もまた、良い女なんだよ。お前が男を見る目に間違いはないと思うぞ」


「天津……」


「場は整えてやった。あとはお前次第だ北上。お前の本気ぶつけてこい。それを見せつけて明石先輩を見返してやれ。なんならそれで奴を奪っちまえ。そしたらこの試合の目的は達せられる。なにせ……岸波先輩を手に入れるチャンスが、俺にも回ってくるんだからな?」


 意地悪く笑ってやると北上は少しだけ呆然として、やがて吹き出すように笑ったのだ。


「……なにその変な理論ッッ」


 そんな時。


「――天津くん! その……本当に蹴られたわけ、じゃ……ないんでしょ??」


 少し顔を赤らめた金剛さんが駆け寄ってきた。それに俺は小さく頷いてやると彼女は安堵したように息を吐いた。


「金剛さん……ごめん。私が勘違いしてたよ」


 そんな金剛さんに北上が唐突に謝った。それには俺も、金剛さんですら首を傾げるしかない


「……なんの話?」

「……私、あなたを馬鹿にしたでしょ? こんな男におべっかしてるあなたは可哀想だ、って。でも、金剛さんは間違ってなかったんだね……。間違ってたのは私だったんだ。だから、その事を謝るよ」

「北上さん……」


 それは、彼女たちの喧嘩のことなのだろう。北上にとって俺の評価は最低なものだった。だから、そんな俺にくっついている金剛さんもまた最低な評価だったのだ。だが、今ので北上は俺の評価を見直すことになり、結果的にそれが金剛さんの評価を見直すことにもなったわけだ。なるほど……やはり、俺は凄いのだ。QED証明完了。やばい、金剛さんを経由することによって、俺は俺自身の評価も高めてしまったのか……。俺の凄さがマジで凄すぎる。


 金剛さんは優しげな瞳で北上を見つめた後に、彼女の手を取る。


「ううん。こっちこそごめんね。それと頑張って! 世間では略奪愛なんて聞こえ悪いけどさ……私はそれを応援してる。だって……それは私にも言えることだから」


 最後、金剛さんは俺をチロリと見た。それはどういうことですかね……一体。


「俺……そろそろ行くわ。さすがにやり過ぎたしな。ヒーローってのは遅れて来るものだが、悪者ってのも早々に退散するものだろ?」

「私も付いていくよ……その、ほら私も今悪者でしょ?」


 金剛さんがそう言ってきたが、俺は断っておく。


「いや、いい。本当に保健室行くわけでもないしな」

「ダメ。私も付いていくよ。言ったでしょ? 天津くんと私は一蓮托生なんだからさ」

「えぇぇ……」


 彼女は嬉しそうに俺の腕を取り、まるで怪我した俺を支えるみたいに自分の肩へとその腕を回した。


「保健室行って治療しなくちゃ!」


 棒読みの大声で、金剛さんは体育館の出口へと向かい始める。それに俺も引っ張られるように歩きだした。分かってんのかなぁ……俺が蹴られたと主張した箇所は、女子のあなたでは治療出来ない箇所なんですがねぇ……。


 それでも、悪者に成り下がった俺たちは体育館から退散した。あとは全て、北上に任せて。


 体育館内の熱気から解放されると、なんとなく夢から覚めたような気がしてくる。俺がけしかけた試合で、当の俺が退場する。この奇っ怪な事態に、夢から覚めた俺は笑いそうになってきた。


 前屈みを止めて金剛さんから離れようとする。だが、彼女は腕を離そうとしない。



「ん? もう放して大丈夫だぞ?」

「だーめっ。まだ見てる人いるかもしれないし、演技は最後までしないと。このまま保健室行こうよ」

「……いや、まぁ、いいけどさ……俺が蹴られた所分かってる?」


 それに金剛さんは少しだけ考えてから、ハッとしたように目を開き、次の瞬間凄い勢いで顔を逸らした。やはり忘れてたらしいな。


「その……別に良いけどさ。私が……治療してあげても」


 うつ向いた表情は分からないが、髪からはみ出る耳は真っ赤に染まっていた。それに今度は俺の顔が熱くなってくる。なに言ってんのこの子……。


「さすがにそれは……」

「たっ、たとえよ! その……私は、天津くんのソレを治療してあげても良いくらい好きだってこと!」


 どさくさに紛れて、とんでもない事を口走る金剛さん。もはや紛れきれてないそれは、前屈みを止めた俺を、再び前屈みにさせようと企んだ。


「天津くんは……最初から試合を北上さんと明石先輩だけにするつもりだったんだね?」


 それに俺は首を振る。


「最初からではないな。ただ、北上の為を思うのならこの形が最も良いと思っただけ。こんなに上手くいくとは思わなかった」

「ふぅん……北上さんの為、かぁ。やっぱり天津くんって自分の為には動かないんだよね」


 だが、俺はそれにも首を振った。


「それは違うな。北上の為に動いたのは間違いじゃないが、それは霧島がやろうとしたことを阻止する為だ。結果的には、俺の為なんだよ」


 そう。北上の為なんかじゃない。何故なら、俺には北上がちゃんと振られてしまう未来が見えてしまっているからだ。


 俺は、北上を本気にさせ、そんな北上がちゃんと振られるように仕向けたに過ぎない。たぶん……明石先輩と北上は恋人にはならない。


 だが、それならば彼女は前に進めるだろう。正しい解答を与えてやることにより、彼女はまた問題に向き合えるはずだ。


 ただ、それは夏休みまで(・・・・・)には達成できない。


 夏休みまでに北上を立ち直らせるという観点で見れば、霧島の方が圧倒的に勝ったやり方なのだから。


「天津くんてさ……破綻してるよね」


 不意に金剛さんが言った。


「破綻? ……なにが?」

「自分の為って主張してることが。今回だけじゃない。もう……ずっと前から破綻してる」

「してないな。矛盾すらない。俺の理論は完璧だ」

「そうやって……理由をつくって、理屈をこねてるけどさ、私にはそんな風には思えないんだ」

「なにを……」

「ちゃんと見えてる?」


 彼女の声が、ワントーン低くなった。それに驚いて見れば……何故か、金剛さんは怒っていた。


「天津くんが誰かの為に動くのはさ、天津くん自身が誰かに動いて欲しいからじゃない? 私は……ううん、たぶん私だけじゃなくりんちゃんも、とっくの昔に天津くんの為に動いてるのに、天津くんが全然それを見ようとしてない」


 言葉が出てこなかった。


「あなたは、誰かを本気にさせることは出来るのに……なんで自分にそれを当て嵌められないんだろう。それを私はすごく不思議に思う」


 怒りの表情は薄らいで、悲しげな色に変わる。


「私はそれをどうにかしたいと思ってる。本当に。でもそれが出来なくて……分からなくて悔しい。私には待つことしか出来ない」


 その怒りや悲しみは、彼女自身に向けられているものなのだと理解した。


 金剛さんはそれ以上は何も言わず、俺たちは静かに体育館を去った。


 ただ、彼女の言った言葉が脳裏に刺さって、何度も耳元で甦る。


――破綻してる。


 そんなことはない。俺は、常に俺の為にしか動いていない。それが破綻しているように見えるのは、俺がそう見せているだけだ。そう見せたいのは……そう見せたいのは……。


 そこで考えるのを止めた。何故か……その答えまでもが、俺を破綻させるような気がしたから。


 もしもそれを破綻だと認めてしまえば……俺はこれまでの俺を否定することになる。だから、俺は考えることを止めたのだ。






今回の展開について疑問の意見があったので、少しだけプロットを開示します。そういうのを見たくない方は読まないでください。



天津視点をA。北上視点をBとする。


岸波先輩は凄い。【前提A】

凄い岸波先輩が選んだ明石先輩も凄い。

つまり、天津からも明石先輩は凄いとなる。


※岸波先輩が凄いからといって、明石先輩が凄いとはならないが、対偶を考えると『明石先輩が凄くないなら、岸波先輩も凄くない』、しかし、天津は『岸波先輩を凄い』としているために、やはり天津視点から見ても明石先輩は凄いとなる。


明石先輩は凄い【結果A】


このことから、【前提A】は『北上が選んだ明石先輩』にも応用でき、北上は凄い。が【結果A】の逆算から成立する。


つまり、天津は『北上も凄い』と評価することができた。【逆説A】


北上視点。

天津は最低である【前提B】

この【前提B】から、北上は金剛さんの評価をも最低とする。

なぜなら、『金剛さんが選んだ天津は最低』。つまり、『天津を選んだ金剛さんも最低』となるからだ。


また、この『天津の前提の違い』が元で北上と金剛さんは『喧嘩』をすることになり、金剛さんが天津に『告白』する要因にもなる。


だが、【逆説A】から、北上は【前提B】を覆すこととなる。


つまり、『天津は最低』から『天津は凄い』と評価しなおす。

故に、『凄い天津を選んだ金剛さんも凄い』と評価しなおすことになる。


この展開における目的は『金剛さん凄い』。

また、この『金剛さん凄い』は、言葉ではなく展開による無意識下での誘導がしつこくない。


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