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十二夜(ネタバレあり)

注)物語の本筋に触れています。

『十二夜』


 ○監督

 トレヴァー・ナン


 ○公開

 1998年


 ○出演

 イモジェン・スタッブス

 スティーブン・マッキントッシュ

 ヘレナ・ボナム=カーター

 トビー・スティーブンス


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 今回はシェイクスピア原作の「十二夜」を取り上げたいと思います。

 シェイクスピアの作品はたくさん映画化されていて、有名どころですとオリヴィア・ハッセーが美しすぎる「ロミオとジュリエット」(こちらは現代版にアレンジされた、レオナルド・ディカプリオの繊細な美貌に目が釘付けの「ロミオ&ジュリエット」も有名ですね)や、最近ですとマリオン・コティヤール扮するマクベス夫人が印象的な「マクベス」、シェイクスピア自身を題材にしたものでは「恋におちたシェイクスピア」(こちらは今回の「十二夜」を観ておくとより楽しめると思います)など様々です。

 あと、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」でギルデロイ・ロックハート役を演じたケネス・ブラナーはシェイクスピア俳優としても有名ですので(彼は監督としても活躍しています)、シェイクスピア作品を探せばきっと目にすることがあるかもしれません。


 さて、「十二夜」に話を戻します。シェイクスピアって古典でしょ?小難しそうーと思った方(私ですが)安心してください、これ、所謂ラブコメです。男装の麗人(しかも男女の双子の片割れ)が主役の三角関係(話が進むにつれ相関図はぐっちゃぐちゃ!)という泥沼っぷりで、誤解が誤解を呼びこれってどうやって収拾がつくの?とドギマギさせられます。

 難破した船から双子の兄と離れ離れになり命からがら助かったヴァイオラが、身を守るために男装しシザーリオと名乗ってオーシーノ公爵に仕えるところから物語は進んでいきます。このトビー・スティーブンス演じるオーシーノ公爵、とーっても男前なのですが、ヴァイオラ扮するシザーリオをぶんぶん振り回す(主に精神面で)容赦のなさったらありません。こんな男やめちまいなよー、と思ってしまったのはきっと私だけじゃないはず。

 そして、そのオーシーノ公爵が熱い想いを寄せるオリヴィアを演じるのは「アリス・イン・ワンダーランド」のインパクトが強すぎる赤の女王でお馴染みヘレナ・ボナム=カーター(美じーん!)、更に道化のフェステにはベン・キングズレーと豪華な面々。道化というものがどういう存在なのかよく分からなかった私は、とても勉強になりました。フェステが歌うシーンは美しく伸びやかで個人的にお気に入りです。

 この複雑に縺れた関係は、使用人まで巻き込んで上へ下への大騒ぎ。悲喜こもごもの展開に感情が揺さぶられっぱなしで、当時の人々もこんな風に劇を楽しんだのかな、と思うととても感慨深いです。




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