シカゴ
『シカゴ』
○監督
ロブ・マーシャル
○公開
2003年
○出演
レニー・ゼルウィガー
リチャード・ギア
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
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悪女と悪女と悪徳弁護士が織り成す監獄エンターテイメントミュージカル!性格がアレな人ばかり出てきますし、お人好しは馬鹿をみる世界なので好き嫌いが別れそうな物語ですが(まぁ、何だってそうかもしれませんが)、私は好きです。
登場人物達は貪欲で利己的、大衆は流されやすくゴシップ(犯罪を含む)を一種のショーとして次々と消費していく、書いてみるとなかなかヒドイ世界ですね。でもレニー・ゼルウィガー演じるスポットライトを浴びる日を夢見る主婦ロキシーや、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ演じる罪を犯した人気の踊り子ヴェルマの、欲望に忠実な様は振り切っていて逆に清々しいです。もう、ほんと、ギラギラしていて、エネルギーに満ち溢れています。
そしてリチャード・ギア扮する悪徳弁護士ビリーの悪どいこと悪どいこと!金にがめつく、嘘は日常茶飯事、いつも自分が注目されなきゃ気がすまない……いや、ほんとなんでこの映画好きなのかな私……。
リチャード・ギア、若い頃の二枚目俳優のイメージとはまた違い、一癖も二癖もあるこの弁護士役がとても似合っていました。悪知恵が働いて胡散くさーい男、わりと好きです。(もちろんフィクション限定で)
ミュージカルなので、素敵な歌も盛り沢山。ショー形式で語られる出演者の過去や心情はパワフルでシニカル、特に弁護士ビリーが敏腕と称されるのは伊達じゃないことを(口八丁を駆使して)リチャード・ギアがノリノリで歌い上げています。
ロキシーの小悪魔的魅力(ほとんど悪魔に近い気もしますが)を振り撒く姿や、キャサリン・ゼタ=ジョーンズの踊り子ヴェルマのショーは圧巻!舞台版もぜひ観てみたい!
今日は主役でも明日にはそうとは限らない世界に必死で食らいつく姿と、観衆なしにはショーが始まらない、ある意味とても残酷な舞台で繰り広げられるきらびやかさは、良くも悪くも胸に焼き付きます。