【特別ゲスト編】お佳の嫉妬?
特別ゲスト:白田 まろん様side
鳴治祭も終わり、大学内も落ち着いてきたある日の午後、いつもの四人が集まってサティアでお茶と会話を楽しんでいる時だった。
「あ、宇野君!」
見知らぬ女の子が声をかけてきた。それもこともあろうにうのっちに。
「やあ、鳥羽さん!」
「誰?」
竣が彼女には聞こえない程度の小声でうのっちに囁く。
その女の子は栗色の長い髪をポニーテールでまとめ、黒と白のギンガムチェックのワンピースに白いカーディガンを羽織った可愛らしい雰囲気だった。どちらかというと丸顔で長いまつげの下で大きな瞳がクリクリと動く。腰にはレースのベルトも巻かれており、ザ・女の子といった感じである。
「先日はありがとうこざいました!」
彼女はにこやかに四人に一礼した後で、うのっちの横に駆け寄って改めて頭を下げた。その仕草も爽やかで微笑ましい。
「いや、あれから大丈夫だった?」
「はい、もう平気です。ほらっ!」
そう言って鳥羽さんはその場でぴょんぴょんと飛び跳ねて見せる。
「それはよかった」
「あ、お邪魔ですよね。そのうちまた」
言うと彼女はもう一度四人に向かって腰を折り、最後はうのっちに手を振って去っていった。
「おい、宇野!」
「可愛い子だったね」
竣は説明しろとばかりにうのっちを突き、紅羽は呑気に感想を述べている。ところでお佳はというと、何やら複雑な表情で去っていく彼女を見送っていた。
「あ? ああ、悪い。今のは鳥羽さん、鳥羽詩織さん。社会福祉学部の一年生だよ。バイト先で偶然知り合った」
「え? でもうのっちのバイトって引っ越し屋さんじゃなかった?」
「彼女はほら、女性を希望するお客さんのためのスタッフでさ。最近よくあるじゃん。女性お一人様のお引っ越しとか」
「なるほど。でも何かお礼言われてたよな?」
「女性希望のお客さんってそんなに多いわけでもないからね。そういう時は俺たち男に混ざって仕事するんだよ。その時に――」
うのっちによるとその仕事中に大きなタンスを持ち上げたところでバランスを崩し、危うくそれを落としそうになったのをうのっちが支えて難を逃れたということだった。ただそれで彼女が足を捻ってしまったらしい。
「応急処置で湿布を貼ってあげたんだけど、治ってよかったよ」
「そう言うことだったのか……お佳、お佳?」
「え? あ、ごめん。なに?」
「いや、何ってぼうっとしてたけど気分でも悪いの?」
「う、ううん、何でもない」
竣の問いかけに取り繕うお佳だったが、そんな様子を見て彼はピンとくるものを感じていた。
まろん様、素敵に書いてくださりありがとうございました。




