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未来へ繋がる絆  作者: 香月 よつ葉
大学1年生
79/160

紅羽の想い

香月よう子side

「ふうー……」


 誰に言うわけでもなく紅羽は、一息ついていた。


 学生寮の自分の部屋のユニットバスの中。


狭く、快適とは言い難いが、それでも普段から綺麗に掃除しているバスの湯船の中に、体を沈めている時間(とき)は、何とも言えず心地良い。


(楽しかったなぁ……今日は)

 

茉莉から誘われた「映画Wデート」。


 映画は、封切られたばかりの王道恋愛映画だった。

 あまり映画に詳しくない紅羽にも、無理なくストーリーに入り込むことが出来、二時間半後にはハンカチを握りしめ、泣きに泣いていた。

その後のパウダールームでのメイク直しがまた大変で、竣たちに笑われてしまった……!

 それから、ファミレスで軽い夕食を摂りながら、映画の感想を四人で語り合うひととき。


 それは、楽しい時間だった。


(茉莉ちゃんの彼氏(カレ)の渉くんも、いいひとだったなあ)


背が高く、優しそうな彼は、終始さりげなく皆に気遣い、四人が気持ちよく時間を過ごせるような気配りが出来る。そんな人だった。


(茉莉ちゃん……幸せそうだったなぁ)


 さすがに高三からのおつきあいというだけあり、茉莉はごく自然体で渉に接し、そして何気に甘えていた。

 二人が無理なく、順調なおつきあいをしていることが、よくとってみれた。


(竣……)


その時。

 紅羽の脳裏には、一瞬、竣の存在が()ぎった。


 紅羽はカっと赤くなり、湯船にザブンと頭から沈んだ。


(竣…… 私のことどう思っているの……?)


天然無自覚の紅羽にも、そんな想いが段々と募っていく。

 そんな秋の夜の一日だった。


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